田中真弓
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その時、父が「演劇が好きなら演劇に携わる仕事がいっぱいあるじゃないか」と励ましてくれて、色々と演劇関係の仕事のことを調べてみたが、「演劇が好きなわけじゃない」と気が付いたという[15]。「歌でも踊りでもいいから、目立ちたい! 人前に出たい! 出たいだけなのよ!」というのが、本性だったという[15]

麻痺は長引いて大変であったが、その本性を知ることができたのは、「あの麻痺のおかげだったんじゃないか」と思っているという[15]。脚本も才能なかったといい、プロジェクト・レビューでも作と演出をしたこともあったが、「あんたみたいに才能ないやつが書くんだったら辞める!」と出演者に言われたこともあったという[15]。そんな紆余曲折もあり、「出る以外何もできないから、できることだけやろう」をモットーにしているという[15]

持ち役のうち、最も気に入っているのは『新・おそ松くん』のチビ太。『新・おそ松くん』でのチビ太の決め台詞「てやんでぃバーロイチキショイ」「しっかりこまたき」「いやーんもう」は田中のアドリブから生まれたものであり、特に人気だった「てやんでぃバーロイチキショイ」は、『新・おそ松くん』DVD第5巻のチビ太のイラストのディスクジャケットにも採用されている他、田中が後に声を当てた『とっても!ラッキーマン』の追手内洋一役や、『ゲゲゲの鬼太郎(第5作)』の毛目玉役でも同様の台詞を連呼している。

ONE PIECE』のモンキー・D・ルフィ役に起用された経緯は「何回かオーディションがあって。(ルフィ役を)男の人でやりたいっていう人と、女でいきたいっていう人と、新人でやりたいかっていう。新しい声で。新人の中井和哉くんが、先にゾロに決まったの。『じゃあ、ルフィはベテランか』っていう風になった時に、私が浮上してきたっていう。あとあと聞いたら、もともと尾田(栄一郎)先生は『パズーの人(田中)がいい』と言っていたんですって」と明かし、「少年役として、いろいろやらせてもらってきて、声優業はルフィで終わりたいと思っているし。これ以上、少年の役をやれるかっていうと、もうやりきった感じ」とも述べている[44]

好きなアーティストは『ハナ肇とクレージーキャッツ』、好きなテレビ番組は『シャボン玉ホリデー』。

1980年頃から鳥類の鳴き声の練習も行っており、『プロゴルファー猿』(カラスのカンクロウ役)や『平成天才バカボン』(九官鳥役)[45]などの鳥役をはじめ、『新・おそ松くん』ではチビ太を演じる傍ら脇役のカラスの鳴き声も担当した[46]他、ニワトリの鳴き声を発するチビ太も器用に演じた[47]。1993年に生出演した『森田一義アワー 笑っていいとも!』(コーナー「ザックリいきまショー」)でも、カラスとニワトリの声を披露している。

洋画吹き替えでは、特に楽しかった作品に『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(日本テレビ版)のショート・ラウンド(演:キー・ホイ・クァン)役を挙げており、「元気な少年役でしたが、普段のアニメとはまた違った気持ちで収録に臨めました」と述べている[48]。洋画の吹き替えでは女性役がくることがあっても男勝りの出で立ちの女優の吹き替えが多いという[7]

『ONE PIECE』単行本52巻では、質問コーナー「SBS」にて読者からの質問に答えており、そこでは持ち前のキャラクターを遺憾なく発揮している。

魔神英雄伝ワタル』シリーズの収録現場のアフレコテスト時では、渡部クラマ役の山寺宏一の台本のセリフ「ワタル、気がついたようだな」を「ワタル、毛が生えたようだな」と落書きし、彼に読ませるといったイタズラ書きや、田中演じる戦部ワタルの相棒、龍神丸を召喚した時の「おぉー!!」という雄叫びの後に玄田哲章(龍神丸役)らと共にアドリブを付け加えるなど、ストーリーの流れと無関係のアドリブを率先的に行っていたひとりである。こういったイタズラ書きやアドリブの多さに本気で怒る者や、イタズラ防止のためトイレに行くときですら台本を手放さない者もいたという。また、ワタルシリーズのキャストと別の現場で共演した時に、そこで同じようにイタズラ書きやアドリブを行おうとしたら叱られたこともあったという。一方で、収録初期は「田中真弓という役者が戦部ワタルを演じている」というプライドが強く、心の底からワタル役になりきっていないと感じ取った音響監督の藤野貞義から「今の田中真弓でしょ?ワタルの演技してよ」という注意に「私らしいカラーを出して何が悪いの?」と納得していなかったが、収録が進むにつれそれらを意識することなく、自然体でワタル役を演じられるようになったという[49]

2006年時点では「俳優としてずっとやってきていると、自分を出したくなるものなのね。自分らしさを表現したいって。でもね、役に溶け込むよりも自分を出した演技を良しとされる場合もあれば、田中真弓を消して役になりきったほうが良い場合もある。だからそれは、時と場合によるかな」と語っている[7]

アニメの主人公の役を演じる機会が少なくなってきたことに悩んでいた頃にアニメ『モジャ公』のオーディションがあり、声の出し方などを息子と相談しながらオーディションに臨んだ結果、採用された。オーディションでは声を作り過ぎてしまい、常にそれでやらなければいけなくなったといい、モジャ公の悲しんでいる時の「オレ、悲しい」という台詞を普段と同じテンションで言っても何か違うなと思ったという。自分なりに考えて違う表現をしても「それじゃ、モジャ公ではなくなっちゃう」と言われ、それ以来「声を作ることはやめよう」、「自分のまんまでいい、今喋っているトーンのまんまで、喜びも悲しみもすべて表現できれば、男も女も関係ない」と考えるようになったという[7]

サクラ大戦歌謡ショウ』では持ち役である桐島カンナの扮装で舞台に立った。田中は劇団出身だったことから「夢みたいなこと」とし、カンナについて「性格が近く、やりやすかった」としている[50]。舞台での田中は下ネタを披露するなど、キャラとの乖離が激しかったが、音楽監督の田中公平によれば、原作者の広井王子はダメ出しをする所か一緒に面白がっていたという[51]


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