絶対的バイオアベイラビリティ(英: absolute bioavailability)は、薬物を非静脈内投与(経口、直腸、経皮、皮下投与など)した後、体循環においても活性な薬物の割合を求めるものである。薬物動態学において、薬物の絶対的バイオアベイラビリティを決定するためには、静脈内投与 (iv)、非静脈内投与いずれにおいても単位時間あたりの血漿薬物濃度の推移を取得する必要がある。絶対的バイオアベイラビリティは、一定量の薬物を非静脈内投与した場合に算出される濃度曲線下面積 (AUC) を、同じ量で静脈内投与 (iv) した場合に算出されるAUCで除すことにより求められる。たとえば、経口投与 (po) される薬物の絶対的バイオアベイラビリティFを計算する場合、その式は下記となる。
F = [ A U C ] p o / D O S E p o [ A U C ] i v / D O S E i v {\displaystyle F={\frac {[AUC]_{po}/DOSE_{po}}{[AUC]_{iv}/DOSE_{iv}}}}
したがって、一般的には静脈内投与される薬剤の絶対的バイオアベイラビリティは1であり、他の投与法では1未満となる。 相対的バイオアベイラビリティ(英: relative bioavailability)は、異なる投与経路においてその吸収性の違いを評価するために用いられるもので、その式は下記となる。 r e l a t i v e b i o a v a i l a b i l i t y = [ A U C ] A / d o s e A [ A U C ] r e f / d o s e r e f {\displaystyle {\mathit {relative\ bioavailability}}={\frac {[AUC]_{A}/dose_{A}}{[AUC]_{ref}/dose_{ref}}}} 従って、対照となる投与経路が静脈内投与であれば、その値は絶対的バイオアベイラビリティとなる。また、相対的バイオアベイラビリティは、ある薬物の吸収性を対照薬の吸収性と比較する際にも用いられる。例えば後発医薬品においては、対象となる先発医薬品を対照薬とした相対的バイオアベイラビリティが、生物学的同等性を評価するために用いられる。
相対的バイオアベイラビリティ
脚注[脚注の使い方]^ Shargel, L.; Yu, A. B. (1999). Applied Biopharmaceutics & Pharmacokinetics