生物分類
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

下に国際原生生物学会による分類体系(Adl et al. 2019)の概観を示す[8]。この分類体系では、入れ子状の分類群が定義され階層をなしているが、分類群に「界」や「門」といった階級は付与されていない。真核生物ドメイン内の大きい(系統的)分類群はスーパーグループなどと呼ばれている。詳細は 真核生物#下位分類 を参照。

真核生物

アモルフェア Amorphea

アメーボゾア Amoebozoaアメーバや粘菌を含む系統。(注: アメーバや粘菌のすべてがここに含まれるわけではない)

オピストコンタ Opisthokonta後生動物真菌、および近縁な原生生物 (襟鞭毛虫ヌクレアリア類など) を含む系統。

(その他)


ディアフォレティケス Diaphoretickes

アーケプラスチダ Archaeplastida灰色藻類紅藻類緑色植物 (緑藻および陸上植物) を含む系統。

SAR Sarストラメノパイルアルベオラータリザリア を含む系統。

ハプチスタ Haptista

クリプチスタ Cryptista

(その他)


ディスコバ Discoba

メタモナダ Metamonada

クルムス CRuMs

(その他)


分類階級詳細は「階級 (生物学)」を参照

生物ドメイン

伝統的に生物の分類群には(phylum/division)・綱・目・科 といった「階級」をつけて呼ばれることが多い。これら伝統的な分類階級は、人が扱いやすくするための人為的なものである側面があることに注意する必要がある。ただし、さまざまな分野で伝統的な分類体系を系統学の知見を反映させた体系に組替える動きが盛んである。

以下では現時点で生物分類でほぼ一般的に使われている分類体系の枠組みを記述する。

和名英名ラテン語名例:ヒト例:ローズマリー例:エノキタケ例:大腸菌例:A. ペルニクス
ドメイン:domain:regio:真核生物真核生物真核生物細菌古細菌
:kingdom:regnum:動物界植物界菌界なしプロテオ古細菌界[注釈 1]
:phylum
/division:phylum
/divisio:脊索動物門
(脊椎動物亜門)被子植物門担子菌門プロテオバクテリア門クレン古細菌門
:class:classis:哺乳綱双子葉植物綱菌蕈綱γプロテオバクテリア綱テルモプロテウス綱
:order:ordo:サル目シソ目ハラタケ目エンテロバクター目デスルフロコックス目
:family:familia:ヒト科シソ科キシメジ科腸内細菌科デスルフロコックス科
:genus:genus:ヒト属
Homoローズマリー属
Rosemarinusエノキタケ属
Flammulinaエスケリキア属
Escherichiaアエロピュルム属
Aeropyrum
:species:species:H. sapiensR. officinalisF. velutipesE. coliA. pernix


門は、動物学と細菌学ではphylum、植物学、菌類学ではdivision/divisioと使い分ける。

中間的分類が必要なときの階級名は、その分類単位よりも上位の分類には、巨 (magn-)・上 (super-)・大 (grand-) を、下位の分類には、亜 (sub-)・下 (infra-)・小 (Parv-) などの接頭語を各階級の頭につけて生成させる。

subfamily(亜科)とgenus(属)の間をさらに細分する必要があるときは、tribe(動物では族、植物では連)を使う。

subgenus(亜属)とspecies(種)の間をさらに細分する必要があるときは、section(節)を使う。

階級別の学名の接尾辞「階級 (生物学)#接尾辞」も参照

属より上位の階級の学名には、植物・藻類・菌類については国際藻類・菌類・植物命名規約、動物・原生動物では国際動物命名規約、細菌・古細菌では国際原核生物命名規約で定められた規則的な接尾辞(語尾)が付けられている。

学名の接尾辞(語尾)分類階級
rank接尾辞 suffix / 語尾 termination
植物
(ICN[注釈 2]藻類
(ICN[注釈 3]菌類
(ICN[注釈 4]動物
(ICZN[15]細菌古細菌
(ICNP[16][17]
門Division/Phylum-phyta-ota  
亜門Subdivision/Subphylum-phytina   
綱Class-opsida-phyceae-ia -ia
亜綱Subclass-idae[注釈 5]-phycidae  -idae
目Order-ales -ales
亜目Suborder-ineae -ineae
上科Superfamily-oidea 
科Family-aceae-idae-aceae
亜科Subfamily-oideae-inae-oideae
族Tribe-eae-ini-eae
亜族Subtribe-inae-ina-inae

分類群によっては慣習的に、よく使われる語尾がある。たとえば、動物門の -zoa、綱の -morpha、目の -iformes、-ida、古細菌門の -archaeota などである。しかしこれらはルールではなく、例外が多い。原核生物では門の語尾を-aeotaに統一する提案が出されており、2018年以降に提唱された門はこの語尾を持つことが多い。さらに、2021年に原核生物では門の語尾を-otaに統一することがICSPで決定された[18]
一般的分類例
原核生物
細菌(ドメイン:バクテリア)

アキドバクテリウム門

アクイフェックス門

アクチノバクテリア門

エルシミクロビウム門

カルディセリクム門

クラミジア門

クロロビウム門

クロロフレクサス門

クリシオゲネス門

サーモデスルフォバクテリア門


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:75 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef