で与えられることがわかる。奇数次元の場合の式に現れる二重階乗 (2k + 1)!! は (2k + 1)!! = 1 · 3 · 5 ··· (2k − 1) · (2k + 1) と定義されるものである。 距離空間 (M,d)、即ち集合 M に距離函数 d を併せて考えたものにおいて、M の点 p を中心とする半径 r > 0 の開(計量)球体 B r(p)(あるいは B(p; r) は B r ( p ) ≜ { x ∈ M ∣ d ( x , p ) < r } {\displaystyle B_{r}(p)\triangleq \{x\in M\mid d(x,p)<r\}} で定義され、閉(距離)球体 B r[p](あるいは B[p; r], Br(p))は B r [ p ] ≜ { x ∈ M ∣ d ( x , p ) ≤ r } {\displaystyle B_{r}[p]\triangleq \{x\in M\mid d(x,p)\leq r\}} で定義される。 上記において r > 0 としているので、球体は(開閉何れも)必ず中心の点 p は含むことに注意。 通例のように閉包を上付きの横棒で表すものとすると、Br(p) ⊆ Br(p) および Br(p) ⊆ Br[p] は必ず成り立つが、いっぽう Br(p) = Br[p] は必ずしも成立しない。例えば離散距離空間 X において B 1 ( p ) ¯ = { p } ≠ B 1 [ p ] = X ( ∀ p ∈ X ) {\displaystyle {\overline {B_{1}(p)}}=\{p\}\neq B_{1}[p]=X\quad (\forall p\in X)} となることが確かめられる。 半径 1 の球体、開球体、閉球体をそれぞれ単位球体、単位開球体(開単位球体)、単位閉球体(閉単位球体)と呼ぶ。 距離空間の部分集合が有界であるとは、それが適当な球体にまったく含まれることを言う。また全有界であるとは任意に与えた半径を共通して持つ球体の有限個を用いて必ず被覆できるときに言う。 距離空間においてその開球体全体は、位相の開基として、その任意の開集合を開球体の合併に表すことができる。このように得られる位相空間は、距離函数 d の誘導する位相を備えていると言う。 ノルム ‖ ・ ‖ を備えるノルム線型空間 V は、距離函数 d(x,y) := |x − y| を備える距離空間でもある。このような空間において任意の球体 Br(p) は、単位球体 Br(0) を r-倍に拡縮して p だけ平行移動したものになっている。 先に述べたユークリッド球体はノルム空間における球体のひとつの例になっている。 数ベクトル空間 Rn に p-ノルム なる集合のことである。 特に n = 2 として、L1(タクシー距離、マンハッタン距離)に関する球体は対角線が軸と平行な正方形であり、L∞(チェビシェフ距離)に関する球体は辺が軸と平行な正方形になる。
一般の距離空間における球体
ノルム空間における球体
p-ノルム