玩具
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

玩具(がんぐ、おもちゃ[2]: toy)は、遊びのための道具。翫具とも表記される[3]。遊び道具とも[2]
概要

おもちゃの語源平安時代の「手に持って遊ぶ」行為である「もて(もち)あそぶもの」であり、これが室町時代に省略と接頭語の添付を経て生まれた。漢字の「玩具」も同じ意味を表現して成り立った[4][5]英語の「toy」という単語の発祥はわかっていないが、少なくとも14世紀頃には用いられていた[6]

数多い種類の玩具がデザインされているが、他の用途向けの道具などが玩具に適さないというわけではなく、たとえば子供文房具や道具ですらない木切れを手に持って遊べばそれは玩具として機能する[7]。子供にとって遊びは余暇ではなく生活行動そのものであり、その中で玩具は活動の方向性を作り出す[8]。遊戯の目的である、自然法則理解するための準備や文化社会生活へ適応するための訓練は、玩具の意義にもそのまま当てはめることができる[9]

通常、玩具は子供向けの道具と捉えられがちだが、実際には大人も玩具で遊ぶ[7]

また玩具を与えられたペットが玩具で遊ぶだけでなく、野生動物が(彼らにとって身近なものを)玩具として使うことは決して珍しくない[10]。例えば、イルカが水中で自分の呼気で作った空気の輪を通って遊ぶことなどもこれに当たる[11]

玩具の起源は非常に古く、先史時代まで遡る[7]。ただしそれらは当初から子供向けに製作されたものではなく、大人が用いていた宗教祭祀生活における様々な道具が子供に下げ与えられたことに発すると考えられる[12]。詳細は「#玩具の歴史」を参照

玩具の範囲については、テレビゲーム類も玩具であることは言うまでもないが、他にもロボット[13]も玩具に入れることが出来、蒐集家が収集し眺めて楽しむものも玩具に含めることができる。
玩具の歴史古代ギリシアの子供用馬の玩具。紀元前950-900年頃の墓地から発掘された。アテネケラメイコス考古学博物館所蔵
古代

古代文明の遺跡からは、玩具やゲームが発掘されており、それは文字の発明よりも古い時代に遡る。紀元前3000-1500年前のインダス文明跡からは、小さな荷車や鳥の形をした、張った糸を滑り下りるのおもちゃなども見つかった[14]。数千年前の古代エジプトには、手足を動かせる上にかつらをつけた粘土製の人形[15]や、貝殻製のガラガラ[7]があった。墳墓からも、兵士奴隷人形のほかにボール副葬品として発見された[12]ローマ時代の玩具の展示。人形サイコロガラガラなど現代の子供にも馴染み深いものが多く含まれる。

古代ギリシア古代ローマでは子供たちは焼物で作られた人形や棒、弓矢ヨーヨーなどで遊んでいた。大人になると、特に女性は子供時代に遊んだこれら玩具を神に供えることが恒例となっていた。14歳頃の少女が結婚の前日に、成人になる通過儀礼として人形を寺院に奉納していた[16][17]

しかし、これらは必ずしも子供に与えるものとして製作されたものばかりではない。古代ギリシア・ローマの遺跡から見つかる人形類、鳴子などは元々呪術や祭事などで使われた器具類と考えられる。これは遊びそのものにも当てはまるが、古代または素朴な社会での玩具は大人が何らかの目的を持って使用した道具が、その意味を喪失したりまたは変化した結果、子供に与えられるようになったと考えられる。子供の側から見れば、大人が執り行った様々な行事や行動を模倣する遊びにおいてこれらの道具を用い、これが玩具となったと考えられ[12]、その意味では玩具は子供が発明したとも言える[7]。この例には、日本において特別な日に屋外で食事をする「盆飯」や「辻飯」が変化したままごとアメリカ先住民族では本来鹿狩猟道具だったボール東南アジアでは宗教儀礼として発したブランコなどもある[12]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:108 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef