玩具
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衣服をつけた人形も8世紀のヨーロッパで作られ始め、14世紀に華やかさを増した[47]
模型おもちゃのボート

古くから子供は様々な乗り物の模型を玩具にして遊んでおり、古代ギリシアの陶芸品から二輪のカートで遊ぶ子供の図柄が発見されている[48]自動車電車または飛行機など乗り物の模型は、所有欲を満たす玩具である。子供の場合は、実体験で見聞した乗り物を再現する性質が強く、結果的に荒く扱って壊されやすい[49]。10代以上になると科学的な興味を満たす傾向が強まり、玩具へ精巧さを求めるようになって材質や実際に駆動することなどにも目を向ける。さらに電車ならばゲージなど様々な周辺部品を加え、飛行機ならば実際に飛ばせるものなどへと、高度かつ高価なものとなってゆく[49]
音響玩具

子供の聴覚に訴えかける玩具の種類がある[29]。乳児期のガラガラなども該当するが、手を使う遊びの延長として太鼓タンバリン、口に含む行動からなどの玩具がこれらに相当する。さらに、成長に伴い使われる子供向けの楽器類なども玩具に相当する[50]
練習玩具けん玉

玩具を用いて行う遊びのうち、目標を上手く達成することに楽しさを感じ、その技能を上達させる目的で遊ぶものを練習玩具、スキルトイという。これを複数の人間で比較競争すればゲームとなるが、ヨーヨーけん玉または独楽縄跳び紙風船などを一人単位で遊ぶことが該当する。を玩具に使う様々な遊びも多くこれに当たり、リリアンのようなものから複数で遊ぶあやとり縄飛びゴムとびなどが例示される[51]

木の実に軸を挿した原始的な独楽は世界中で見られ、それぞれの文化圏の様式に沿って自然発生した。独楽は子供に限らない玩具の典型であり、古代エジプトの頃から美しい装飾が施されたり、回し方にも様々な工夫が発展した。『和名類聚抄』では、日本の独楽は宮廷の儀式道具として独楽廻しの専門職がいたことが記されている。江戸時代には賭場の道具になり、また曲芸としても大成した[52]。ヨーロッパでは16世紀イギリスで多様な種類と形状が発達し、18-19世紀には特に鉄製の独楽が流行した。この中には、氷上でも遊べる工夫が施されたものもあった[52]
パズルメカニカルパズル。1890年W. アルテクルーズ作。詳細は「パズル」を参照

考える玩具の代表がパズルであり、智慧と工夫をこらして目的を達する。到達点はさまざまであり、単純な知恵の輪からジグソーパズルメカニカルパズルなど、また何かしら目的のものを作り上げるという意味でブロックもまた立体的なパズルの範疇に入る[53]
競争するゲーム

競争・勝負がつけられる玩具もある。これには運動を伴うものもあれば、基本的に知的作業のみで行われるものもある。貝殻や土器に発し紙が使われるようになっためんこ、独楽を戦わせるベーゴマ、他にもビー玉おはじきなどもルールに即したゲームとして使われる[54]

ゲームには、より高度かつ複雑なものも無数に存在する。知的作業のみで行われるものとしては、囲碁リバーシチェッカーチェス将棋シャンチーマンカラバックギャモンなどのボードゲーム類、トランプドミノ麻雀などのカードゲーム・タイルゲーム類がある。運動を伴うものとしてはかるた野球盤ビリヤードなどから、これらが拡張されたスポーツ全般で使われる用具類も、広義の玩具に入れることができる[54]

最古のボードゲームは紀元前3000年以前の古代エジプト墳墓から発見されているセネトである[55][56]。これは占いまたは死霊信仰の道具であった。紀元前1400年頃には初期のマンカラが登場してアフリカに伝播した。これは奴隷貿易とともにアメリカ大陸にも伝わり、ハイチではブードゥー教とも関連づいた。一方インドにはギャンブルのひとつとして流行した[57]
ボールボールを持つジャカルタの少年。ボール遊びは好ましい運動や身体活動であり、世界中で楽しまれている。

ボールの発祥は非常に古く定かでないが、多くの地域や文化圏および各歴史の段階を通じた普遍的な玩具である[58]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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