文宗が崩御し、ひとり息子で世子のホンウィが第6代国王端宗となった。左議政に就任したキム・ジョンソは首陽大君をはじめ王族の政治的関与に目を光らせ、首陽大君はキム・ジョンソを朝廷から排除しようと周到に準備を進めていた。決行当日。セリョンからの知らせでスンユは馬を飛ばすが、その間に首陽大君の私兵によりキム・ジョンソとスンユの兄スンギュは殺害されてしまう。スンユも捕らえられ、江華島への流刑に処せられた。道中首陽大君の手下たちにより護送船が沈没させられたがスンユは運よく脱出、護送船に乗り合わせていたチョ・ソクチュとチョン・ノゴルらと共に妓楼氷玉館へと身を寄せる。セリョンはスンユの友人でシン・スクチュの息子シン・ミョンと結婚させられることとなるが、スンユを裏切り首陽大君側についたシン・ミョンをセリョンは拒み、更には婚礼の当日に姿を消す。
セリョンの婚礼当日に首陽大君を暗殺する計画があった事が発覚。首陽大君はこの計画の立案者首陽大君の弟錦城大君とチョン・ジョンをセリョン誘拐の容疑者に仕立て上げ、尋問を始めた。端宗は錦城大君を流刑、チョン・ジョンを無罪放免とすることと引き換えに王位を退く。首陽大君はついに第7代国王世祖として即位するが、セリョンは父親を批判し王女に封じられることも拒否する。その頃シン・スクチュ、シン・ミョン親子が賊に襲われる事件が起こる。賊がスンユだと確信したセリョンは王宮の外に出、追っ手が気づくよりも先にスンユを路地に引き込んだ。
スンユは師匠イ・ゲらと共に復讐計画に参加するがハン・ミョンフェに察知され、イ・ゲとチョン・ジョンが捕らえられてしまう。ひとり逃げ延びたスンユは仲間とともに漢城府へ乗り込みふたりを救出しようとするが、イ・ゲは脱獄を拒否し処刑された。チョン・ジョンは光州へ流刑となり、キョンヘ王女と共に旅立っていった。自らの髪を切り父親との絶縁を宣言したセリョンは宮廷を出るもののシン・ミョンに連れ戻される。なおも父親への批判をやめないセリョンに世祖は怒りを爆発させ、王女の地位を剥奪してシン・ミョンの家の奴婢にしてしまった。
スンユとセリョンはチョン・ジョン夫妻がいる光州へ向かう。そこでは世祖打倒のための決起の準備が進んでおり、またキョンヘ王女も懐妊していた。しかし計画は錦城大君の放った檄文がシン・ミョンに見つかったことから露見。漢城府へ連行されたチョン・ジョンはキョンヘ王女が見守る中処刑され、錦城大君と、上王の位を剥奪され魯山君となっていたホンウィも自害を命じられた。咸吉道へ拠点を移すことを決意したスンユは、セリョンと遠乗りに出掛ける。雨に遭い小屋に避難したふたりは、そこでふたりだけで結婚を誓い合い、夫婦として結ばれた。
スンユと別れて戻ってきたセリョンを悲報が襲う。重い病を患っていた弟スンが亡くなった。悲嘆にくれる世祖はセリョンを追放した上、王室の記録から彼女の存在を抹消させた。一方咸吉道へ移ったスンユはかつて父親の部下であったイ・シエ将軍と合流し挙兵、官軍を次々と打ち破っていた。シン・ミョンはセリョンを餌にしてスンユを捕らえようとするが、これに気づいたセリョンは馬を飛ばすが途中何者かに捕らえられて処刑されそうになる。それを救ったのはスンユであった。陣営に戻ったスンユは決戦の時を迎える。スンユと激しく斬り結んだ末、シン・ミョンは味方の矢に撃たれて最期を遂げた。その頃悪夢に悩まされていた世祖は王妃の薦めで寺を訪れ、仏前で祈りを捧げていた。そこに剣を持ったスンユが現れる。世祖に剣を振りかざすスンユに対し、世祖は寺でセリョンに偶然会った事、彼女がスンユの子を懐妊していることを告げた。ひるんだすきにスンユは捕らえられて投獄されてしまう。血だらけで横たわるスンユのもとにセリョンがやってくる。スンユの横に、一緒に行きますと言いセリョンも身を横たえた。
数年後、お忍びに出掛けた世祖と王妃は、スンユによく似た盲目の男とその娘とすれ違う。ふたりを玄関先で笑顔で迎える妻はセリョンその人であった。王妃がふたりを秘かに逃がしていた事を世祖は知り、感謝のまなざしを向けた。その頃馬に乗って野を行くスンユとセリョンの姿があった[17]。 登場人物は、個別に注釈がある場合を除き[18][19]にもとづく: 俳優役名作品中の設定等 俳優役名作品中の設定等 俳優役名作品中の設定等 俳優役名作品中の設定等 俳優役名作品中の設定等 俳優役名作品中の設定等 俳優役名作品中の設定等 俳優役名作品中の設定等
登場人物
主要人物
パク・シフキム・スンユ
ムン・チェウォンイ・セリョン首陽大君の長女。自身の許婚であるスンユに関心を抱き、正体を隠して知り合い惹かれ合うようになった。癸酉靖難以降は、粛清に明け暮れる父親に反発し批判するようになった。
ソン・ジョンホ
ホン・スヒョンキョンヘ王女文宗の娘でホンウィ=端宗の姉。セリョンの従姉妹。スンユの事を知りたがるセリョンに協力したが、後スンユが自らの夫候補になった事を知りセリョンに嫉妬の感情を抱いた。結局チョン・ジョンと結婚。癸酉靖難後は夫とともに苦労することとなった。
イ・ミヌチョン・ジョン貧乏両班の息子でスンユ、シン・ミョンの親友。本命だったスンユが罪に問われたためにキョンヘ王女の夫に選ばれた。結婚後は端宗を守るために奔走したが、流刑先で謀反を企てた為、処刑された。
キム・スンユ周辺人物
イ・スンジェキム・ジョンソ大虎(テホ)の異名を持つ朝廷の実力者で、スンユとスンギュの父親。端宗の後見役であったが癸酉靖難の最中に生命を落とした。
オム・ヒョソプ
ホ・ジョンギュキム・スンギュスンユの兄。癸酉靖難の最中、父親を守ろうとして殺害された。
カ・ドゥッキリュ氏スンギュの妻でアガンの母。癸酉靖難後娘と共に奴婢として温寧君の家に送られたがセリョンに助けられた。
キム・ユビンキム・アガンスンギュとリュ氏の娘。スンユになついていた。
イ・ジュソク安平大君首陽大君の弟。兄の野望に警戒心を抱き、キム・ジョンソと共にそれを牽制しようとした。癸酉靖難後流刑先で賜死された。
イ・シエ咸吉道の豪族出身の元武臣。本作品中ではかつてキム・ジョンソの部下だったという設定である[20]。農民たちを従えて反乱(イ・シエの乱)を起こした。
イ・セリョン周辺人物
キム・ヨンチョル首陽大君/世祖李氏朝鮮第7代国王でセリョンの父。野心の強さゆえにキム・ジョンソらに警戒され敵対関係となっていた。癸酉靖難を起こして権力を握り、甥端宗を廃位して自らが王となった。セリョンのおてんばぶりに手を焼きながらも優しく見守る一面も持つ[21]。
キム・ソラ
ミンジヨリセリョンの侍女。セリョンが奴婢に落とされてからも最後まで付き従った。
ユ・ハジュンイム・ウン首陽大君邸の護衛武士。
クォン・ヒョンサン桃源君スンセリョンの弟。端宗と仲がよく、父親の野心には批判的だが、気が弱く面と向かって意見を言えずにいた。病に倒れて夭折した。
ソ・ヘジンイ・セジョンセリョンの妹。姉と違い、両親に従順で物事を深く考えない性格の人物として描かれている[21]。
キョンヘ王女周辺人物
チョン・ドンファン文宗李氏朝鮮第5代国王でキョンヘ、ホンウィの父。ホンウィを王位につけるためにキム・ジョンソと組んで弟首陽大君を牽制しようとした。
ノ・テヨプ
ホン・イルグォン錦城大君首陽大君の弟。スンユやチョン・ジョンと共に端宗復位を計画するが発覚。流刑先で賜死された。
パン・ソヨンウングムキョンヘ王女の侍女。彼女が没落し流刑された後も忠実に付き従った。
ムン・プンジムン内官ホンウィが王世子の時から仕えていた内官。
シン・ミョン周辺人物
イ・ヒョジョン
チン・ソンソン・ジャボンシン・ミョンの護衛武士。
朝廷
イ・デヨン
ユン・スンウォン温寧君首陽大君の叔父にして側近。
クォン・テウォンミン・シン兵曹判書。癸酉靖難の最中に殺害された。
キム・イクテチョ・グックァン刑曹判書。癸酉靖難の最中に殺害された。
キム・ヨンベチョン・ギュン大殿内官。
清風館
イ・ヒドハン・ミョンフェ名門の家系に生まれたが不遇をかこつ生活を強いられていた。野望を抱いて首陽大君と手を組み、朝廷の実力者となっていった。
チェ・ムソン
チョン・ジンチルカプ清風館の荒くれ者のひとり。
チョン・グンマクソン清風館の荒くれ者のひとり。
イ・エルメヒャン清風館の行首。
氷玉館
キム・レハ
ユン・ジョンファチョン・ノゴル自らを高麗王族末裔ワン・ノゴルと名乗る[注釈 1]。