狭心症
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微小血管狭心症では、放散痛としてみぞおちなどの痛みとして感じられる事が有る[5]
検査

心電図
一般的には発作時にST部の、上に向かい凸状の上昇または下降が見られる。典型的な場合、貫壁性虚血ではST部の上昇が、非貫壁性ではST部の下降が見られる[6]。しかし、対側性変化(ミラーイメージ)やSTに変化が見られない場合もある。Wellens症候群は、不安定狭心症の中で、胸痛が消失した時に前胸部誘導でT波の心電図変化を示すもの。左前下行枝近位部の高度狭窄を示唆する[7][8]。不安定狭心症で入院した症例の14-18%でみられ、
V2・V3誘導で対称性の深い陰性T波(時にV1・V4・V5・V6誘導を含む)(76%)、

V2・V3誘導で二相性T波(24%)
の2つに分類される3)。

ホルター心電図
心電図#ホルター心電図」も参照小型の心電図記録装置を、24時間携帯して検査を行う。例えば、安静時狭心症のように、昼間には発症し難い狭心症の検出に役立つ。

運動負荷心電図
患者に運動をさせて、安静時と比べて心電図に変化が起こらないかを見る検査である。労作性狭心症の場合は、運動負荷によって心電図に変化が見られる。

心筋血流シンチグラフィ
人工的に作られた放射性同位体を使用する。血流が有る場所では信号が検出され、虚血部では信号が欠損する。冠動脈狭窄があっても、血流が維持されているかどうかが判定できる。使用される放射性同位体は201Tlや99mTcであり、これを注射して検査するため、被験者は内部被曝する。また、放射性同位体の適切な管理なども求められるため、実施できる施設は限られる。

冠動脈造影(coronary angiography:CAG)
検査でもあるが、引き続き経皮的冠動脈形成術を行う事もできる。冠攣縮性狭心症ではエルゴノビンを用いた負荷試験ができるため、確定診断に有用である。

冠動脈造影CT
CTと造影剤を併用して、冠動脈の形態を描出する検査である。64列マルチスライスCTによる冠動脈病変の描出は、感度 88%、特異度 96%、陽性的中率 79%、陰性的中率 98% との報告がある[9]。特異度が高く、スクリーニングにおける除外診断に有用と考えられている[10]。非定型的な狭心症疑いの患者を対象にしたランダム化対照試験を行い、最初に冠動脈CT検査を行うと、カテーテル冠動脈造影の施行が減る上、入院期間も短縮できると報告されている[11]

血液検査
トロポニンT、H-FABP、白血球CRPクレアチニンキナーゼ、CKアイソザイム、ASTLDHなどは、心筋梗塞や不安定狭心症での鑑別に有用とされる。心筋壊死を伴わない場合は、いずれも上昇しない場合が多い。

ペントラキシン(PTX3)
炎症性蛋白であるが血管内皮で産生されており、血栓症と強い相関がある。心筋梗塞へ移行しつつある不安定狭心症の診断に有用と考えられている。

など
治療

どの形態の狭心症に対しても、共通して
アスピリンなどの抗血小板剤の投与が検討される。高血圧などの危険因子のコントロールも重要である。なお喫煙も危険因子なので、患者には禁煙を徹底させる。

血管拡張薬である、カルシウム拮抗薬硝酸薬などが投与される。

心負荷を軽減させるため、βブロッカーも用いられる。

予防

どの狭心症にも生活習慣の改善として、禁煙、バランスの良い食事を摂ること、ストレスを解消すること、適度な運動をすること、ぬるめの風呂に浸かることなどが挙げられる[3]
労作性狭心症

薬物療法

硝酸薬(
ニトログリセリン硝酸イソソルビド等)

β遮断薬(冠動脈攣縮を伴わないものに限る)

カルシウム拮抗薬


経皮的冠動脈形成術(PTCA、PCI)、冠動脈バイパス術(CABG)など

異型狭心症


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