全作詞:ロジャー・ウォーターズ
アナログA面
スピーク・トゥ・ミー - Speak to Me
アナログB面 バンドは1971年11月20日にアメリカ・ツアーを終了後、早くも翌1972年1月20日にイギリス・ツアーを開始している。この1月20日のコンサートでは早速『狂気』が組曲として披露されており、約2ヶ月の間に『狂気』を纏め上げたことになる。これ以後のコンサートでも引き続き演奏し続けた。2度目の来日となる、1972年3月の8公演の全てでも『狂気』が披露された。この来日公演では『月の裏側?もろもろの狂人達の為への作品?』と題された歌詞カードが観客に配布された。 この発売前のライブ演奏とスタジオテイクでは、一部の曲で大幅にアレンジが異なる。まず「走り回って」は「インストゥルメンタル・ジャム」という即興演奏が披露されている。「虚空のスキャット」では聖書の一節を朗読したSEを流し、スタジオ盤と異なるライトのキーボード・メロディを奏でていた。また、当初のライブ演奏では「狂気日食」が無く、「狂人は心に」で終わっていたが、ウォーターズがアルバムのクライマックスを再考し「狂気日食」を新たに書き下ろした。 「タイム」、「マネー」、「アス・アンド・ゼム」の3曲はフロイドだけでなく、ギルモアとウォーターズのソロ・ライブでも演奏されることが多い。また、ウォーターズのライブでは終盤に「狂人は心に」と「狂気日食」が続けて演奏される。 1994年のギルモア率いる新生フロイドのツアーでは、7月15日に19年ぶりに『狂気』が完全演奏され、その後も同ツアーの数公演で披露された。10月のロンドン公演での模様は、映像ではDVD『驚異』、音源ではライブ・アルバム『P.U.L.S.E』としてリリースされている。 2006年から2008年にかけて行われたウォーターズのソロ・ツアーの第2部にて『狂気』が完全演奏された。 1974年には4chミックスのLPが発売された。英・米版LPはSQ方式、日本版LPはCD-4方式での発売。後に米キャピトル主導で発売された編集盤『ワークス?ピンク・フロイドの遺産』に収録された『狂気』からの楽曲はこの4chミックス版が収録され、再発CDも同様だった(CDでもSQデコーダーを通すと4ch再生が可能)。 発売30年後の2003年に、ジェームス・ガスリーによってリマスターが施されて5.1chのサラウンド・オーディオ・システムに対応したマルチ・チャンネル版が、SACDでリリースされた。こちらも再チャートインして売上を伸ばしている。 2011年には最新リマスターを施したピンク・フロイドの全タイトルが再発された。そのうち『狂気』に関しては、6枚組のコレクターズ・エディション、2枚組のデラックス・エディションの特殊仕様で発売された。 イギリスで11位、アメリカで12位、日本で17位にチャートインするなど、再発盤ながらヒットを記録した。
マネー - Money (Waters)シングル・ヒットを記録したキャッチーなナンバー。タイトル通り「金」をテーマにしており、ライブでの人気も高かった。
アス・アンド・ゼム - Us and Them (Wright, Waters)言葉の対比を用いた浮遊感のある楽曲で、人生に対するメッセージが込められている。
望みの色を - Any Colour You Like (Gilmour, Wright, Mason)再びインスト・ナンバー。曲名のフレーズはヘンリー・フォードの自伝から引用したものである。
狂人は心に - Brain Damage (Waters)主人公の心の内面に潜む狂気を取り上げた楽曲。
狂気日食 - Eclipse (Waters)後のウォーターズの作詞スタイルに見られるような、言葉の羅列を繰り返す手法がすでに確立されている。
ライブでの演奏
再発盤
4ch版
5.1ch版
コレクターズ・エディション
50周年記念ボックス・セット
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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