犯罪映画
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ウィリアムズはドラマを「映画タイプ」と呼ばれるより広いカテゴリー、ミステリーとサスペンスを「マクロジャンル」、そしてフィルム・ノワールを「脚本家の経路」と特定し、これらのカテゴリーは排他的なものではなく、それぞれ付け加えることができると説明している[3]。『チャイナタウン』はドラマ(映画タイプ)犯罪映画(スーパージャンル)でありながら、ノワール(経路)ミステリー(マクロジャンル)でもある映画の例である。
プロットの源泉

犯罪映画は実際の出来事をもとにしたり、戯曲や小説を翻案したものだったり、以前の映画のリメイクや翻案だったりする。オリジナルのプロットで完全にフィクションのものもある。例えば、1957年の映画『情婦』は、1933年に出版されたアガサ・クリスティーの短篇「検察側の証人」を基にした戯曲の翻案である。映画版は1982年にリメイクされ(英語版)、ほかにも翻案されている。しかしながら、これらの表現形式にはそれぞれ独自の利点と制限があり、映画の場合は時間の制約がある。
戯曲と映画化石の森』(1936年)でのハンフリー・ボガート

『情婦』(検察側の証人)は典型的な法廷劇の一例である。法廷劇では、無実を主張する主要登場人物の一人が起訴される。もう一つの主要な役割は、法廷で被告の代理人をつとめ、検察官と闘う弁護士によって演じられる。実際になにが起こったのか、そして真犯人は誰なのかを知るために私立探偵に調査を依頼することもある。しかしながら、ほとんどの場合には被告が犯罪を犯しているかどうかは明らかではなく、これがサスペンスを生み出している。

多くの場合、私立探偵は土壇場になって新しく重要な情報に法廷の注意を引くために乱入する。このタイプの文学は、対話(冒頭陳述および最終弁論、証人の証言など)に重点が置かれて風景の変化がほとんど、あるいは全く必要とされないジャンルのドラマに適している。劇場の客席は法廷の延長となる。法廷劇が映画化される場合、脚本家や監督が採用する伝統的な手法はフラッシュバックの多用であり、犯罪と、それに至るまでの全てがさまざまな角度から語られ、再構成される。

典型的な法廷劇としては、ニューヨークの裁判所の陪審員協議室を舞台にした、アメリカの脚本家レジナルド・ローズの『十二人の怒れる男』(1954年)が挙げられる。陪審員のうちの11人は全員一致の有罪評決を目指し、一刻も早く裁判を終わらせようとする。そして、事件について考え直し、結局被告は無実かもしれないと同僚を説得することが自分の義務だと考え、そうすることによって多くの議論、混乱、怒りを引き起こすことになる8人目の陪審員(1957年の映画化ではヘンリー・フォンダが演じた)がいなかったら、彼らは本当に共通の目的を達成することができたであろう。
サブジャンル
クライムアクション

クライムアクション映画は、暴力に親和的な映画である。ジュール・セルボ(英語版)によれば、犯罪とアクションのジャンルは絡み合っており、「両方の映画は、他方との対等な立場がなければ人気のある形で存在することはできなかった。したがって、両方のジャンルは連携している」と述べている。例としては『ワイルド・スピード』シリーズが挙げられる[4][5]
犯罪コメディ

犯罪コメディ映画は、犯罪映画と犯罪映画の慣例を取りいれたコメディを合成したもので、ダークユーモアの側面が導入される場合もある。一般的にこれらの作品では頭の悪い犯罪者や、不手際に行われる連続犯罪が軽快な手法で描かれることを特徴としている。このジャンルは、犯罪スリラーの決まり文句と、コミックからの流用を組み合わせたもので、1990年代の独立系映画シーンで人気が再燃した[6]。例としては、『カンフーハッスル』、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』、『22ジャンプストリート』、『セブン・サイコパス』などが挙げられる[7]
犯罪ドラマ

犯罪ドラマは、犯罪者の道徳的ジレンマに焦点を当てた映画。これらの映画は一般に、暴力や銃撃シーンよりも犯罪の世界をより厳しく現実的に描写することに重点を置いているため、犯罪スリラーとは異なっている。ときとして、これらの映画は『ゴッドファーザー』や『グッドフェローズ』、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』などのように犯罪スリラーのような派手な要素から始まり、より瞑想的な物語へと発展してゆくことがある[8]
犯罪スリラー

犯罪スリラーは成功した犯罪と失敗した犯罪の両方のエキサイティングな要素に焦点を当てている。警察映画とはことなり、法執行よりも犯罪者やそのグループに焦点が当てられている。これらの映画は犯罪者の陰謀や精神病理に焦点を当てる傾向があり、暴力的で虚無的なものが多い。例としては The Killers、The Peacock、Av Mevsimi、『殺人の追憶』などが挙げられる[9]
ダコイト映画詳細は「:en:Dacoit film」を参照

ダコイト映画はダコイティー(英語版)(インドの武装盗賊団)を題材にしたインド映画のジャンル。このジャンルはメーブーブ・カーン監督の『女の半生(英語版)』(1940年)と Mother India (1957年)が先駆けとなった。その他の例としては Gunga Jumna(1961年)、『炎(英語版)』、『女盗賊プーラン』(1994年)などが挙げられる。[要出典]
ギャング映画詳細は「ギャング映画」および「ヤクザ映画」を参照


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