犯罪小説
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スパイ小説 : 情報機関で働く諜報員が主な登場人物。G・K・チェスタトンによる無政府主義者の秘密結社に入り込んだ主人公の冒険物語『木曜の男』(1908年)が先駆的作品で、その後エドワード・オッペンハイムやウィリアム・ル・キューらのスパイ活劇が人気を博し、イアン・フレミングカジノ・ロワイヤル』(1953年)で登場したジェームズ・ボンドのシリーズは圧倒的な人気を得た。[13]

ケイパー・ストーリー : 犯罪者の視点で語られる犯罪小説。ドイルの長編『緋色の研究』『恐怖の谷』などは、犯人と被害者の事件に至るまでの宿命的な関係を描いており、フランシス・アイルズ殺意』(1931年)は犯人が殺人を犯すまでの工作と心理を徹底的に描き、犯罪心理小説の傑作とされる。[13]

サイコロジカルスリラー(サイコロジカルサスペンス) : 人間の心理面での衝突を解決するストーリー。

犯罪スリラー : 犯罪に巻き込まれた被害者、犠牲者を中心に描かれる。

偽名の作者

犯罪小説においては、本名で作品を出版することを躊躇する作者もいる。1930-40年代に英国郡裁判所裁判官アーサー・アレキサンダー・ゴードン・クラークが、Cyril Hareというペンネームで、法律や制度の知識を活かした作品を出版していた。作家のジュリアン・バーンズは、無名時代にダン・カヴァナというペンネームで犯罪小説を執筆した。推理作家ルース・レンデルはバーバラ・ヴァイン名義での執筆もしている。ジョン・ディクスン・カーはカーター・ディクスンのペンネームでも多くの作品を執筆し、エヴァン・ハンターエド・マクベイン名義で犯罪小説を執筆した。
出版状況『そして誰もいなくなった』映画版(1945年)のポスター
古典とベストセラー

この分野で古典と呼ばれるような出版状況にある作家は多くない。知られている例としてはアガサ・クリスティがおり、1920年から没年の1976年までの作品が、イギリスとアメリカが全ての英語圏で入手可能になっている。特に探偵エルキュール・ポアロミス・マープルなどの作品により「ミステリの女王(Queen of Crime)」と呼ばれ、このジャンルの最も革新的で重要な作家とされている。『そして誰もいなくなった』(1939年)は世界で最も売れた推理小説でもある。[14]
リバイバル

出版社は過去の人気作品を再刊することがあり、ペンギン・ブックスはパン・ブックスは1999年に「Pan Classic Crime」というシリーズの刊行を開始し、エリック・アンブラーヒラリー・ウォーの作品が含まれた。キャノンゲート・ブックスは2000年に「Canongate Crime Classics」シリーズとして、記憶喪失と精神異常についてのフーダニットと暗黒小説などを刊行した。大英図書館では2012年から「British Library Crime Classics series」コレクションをWebサイトで公開している。

作品の映画化により見直されることもある。パトリシア・ハイスミス『太陽がいっぱい』(1955年)、アイラ・レヴィン硝子の塔』(1991年)、ブレット・イーストン・エリスアメリカン・サイコ』(1991年)などがその例で、出版社は映画のスチル写真をカバーに載せて出版する。ブルームズベリー出版社は映画の原案となった作品を「Bloomsbury Film Classics」シリーズを刊行し、アルフレッド・ヒッチコック監督の映画『バルカン超特急』の原作であるエセル・リナ・ホワイト『The Wheel Spins』(1936年)や、アイラ・レヴィンの1978年に映画化された『ブラジルから来た少年』(1976年)が含まれている。
^ Abrams, M.H. (2015). A Glossary of Literary Terms. Cengage Learning. pp. 69. .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 9788131526354 


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