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A KITE
OVA:A KITE
原作梅津泰臣
監督梅津泰臣
脚本梅津泰臣
キャラクターデザイン梅津泰臣
音楽アン・フー
アニメーション制作アームス
製作グリーンバニー
ビームエンタテインメント
発表期間1998年2月25日 - 1998年10月25日
話数全2話
OVA:KITE LIBERATOR
原作梅津泰臣
監督梅津泰臣
脚本梅津泰臣
キャラクターデザイン梅津泰臣
音楽石川智久
アニメーション制作アームス
製作「KITE LIBERATOR」製作委員会
発売日2008年3月21日
テンプレート - ノート

『A KITE』(ア カイト)は、1998年2月25日グリーンバニーより発売された全2巻のアダルトアニメ

後にアダルトシーンを削除して、アクション要素を強めたR指定のインターナショナルバージョンも発売された。

なお、本項では続編『KITE LIBERATOR』(カイト リベレイター)や実写版『カイト/KITE』についても記述する。
概要

両親を殺された少女が、その犯人のもとで殺し屋として育てられ、運命に翻弄される姿を描いた作品。『A KITE』という題名は、主人公である殺し屋・砂羽と依頼主である赤井の間にある見えない糸を凧に見立ててつけられたものである[1]おたぽるのレビューによれば、1998年のアダルトアニメとしては予算が高くなかったはずなのに一定のクオリティが保たれていることや、殺し屋が主人公であるがゆえのゴアシーンにおける血液の重みのある描写も、評価の一因となっている[2][3][4]

物語の舞台は日本だが、赤井たちのアジトが欧米スラム街にしか見えない場所にあるなど、洋画を意識した無国籍風の作風とガンアクションをはじめ映像クオリティの高さから、日本国内はもとよりハリウッドで多大な支持を得たため、現地での実写映画化が決定した[5]。詳細については#実写版を参照。

なお、実写版日本公式サイトによれば、上記の要素にエロティシズムが絡む過激さから、アダルトアニメ版は多くの国で上映禁止か検閲上映となった模様である。

2002年、『トリプルX』のプロモーションで来日したロブ・コーエン監督は「最近の日本の映画で好きな作品、監督を教えて下さい」という質問に「アニメーションだが、ミスター梅津の『KITE』、彼の作品の世界観は素晴らしい」と答えた[6]
制作

おたぽるのインタビューによれば、梅津は少女による復讐を題材としたオリジナルアニメの企画を考えていたが、一般向けの作品としては通りにくいため、性的なシーンを入れることで購買層を確保できると考え、18禁向けの企画として『A KITE』の企画を提出したそうである[1]。また、「『A KITE』は自分が子供だった1970年代の時代劇や刑事ドラマを核としているが、自分の映画の嗜好や当時のアニメ業界の決まり事や演出に対するアンチテーゼも入れて制作した」と述べている[1]
あらすじ

女子高生と殺人請負人、2つの顔を持つ美少女・砂羽。表と裏の世界を巧みに使い分ける大人たちの淫靡な呪縛から逃れられず、泥沼の世界に生きる砂羽が唯一心を許せる存在は、同じ世界に生きる謎の少年・音不利のみだった。2人は互いに同じ性分を感じながら惹かれ合うが、ある日を境に砂羽は組織との決別に走った音不利の始末を命じられ、彼へ銃口を向けることとなる。儚いと知りながらも愛情を育むか、それとも殺し屋の掟を優先するか。やがて、物語は冷酷なクライマックスを迎える。砂羽はすべてを終わらせると、どこへともなく去っていった。
登場人物
砂羽(さわ)
- 鳴瀬琴美本作の主人公。12歳の時、赤井に両親を惨殺され、彼のもとへ引き取られた。仇が赤井であることを知らないふりをしながら、彼への復讐のためにあえて手解きを受け、殺人請負人となる。赤井には彼の作成した赤い銃「レッドクラブ」による射殺などの殺人術を仕込まれる一方で女としても開発されており、夜な夜な性欲の捌け口として扱われては赤井の好む反応を返しているが、前述の理由から内心では耐え続けている。
音不利(おぶり)
声 - 小山田慎吾謎の殺人請負人の少年。一刻も早く自由の身になれる日を待っている。砂羽をして「手ごわい」と言わしめる腕前。
赤井(あかい)
声 - 渋沢五郎殺人依頼人の1人で、表の顔は警察の鑑識課職員。かつて砂羽の両親を惨殺して彼女を引き取り、殺人術を仕込むと共に女として開発した。現在では、砂羽に殺人を行わせる一方で夜な夜な性欲の捌け口として扱ったり、彼女に足が付かないように自らの立場を利用して現場を細工するなど、さらなる非道の限りを尽くす。そのため、クライマックスには決起した砂羽によってレッドクラブで射殺されるという、因果応報の最期を迎えることとなる。なお、砂羽を性欲の捌け口として扱う際の一方的な描写から、続編『KITE LIBERATOR』では彼女の子供の父に当たることがうかがえるが、同作の公式サイトでは後付けの設定によって匂わせる程度にとどまっている。詳細は#登場人物 (KITE LIBERATOR)を参照。
蟹江(かにえ)
声 - 的場辰夫赤井の仲間で、砂羽と音不利に殺害依頼を伝える斜視の男。ファーストフード好き。赤井と同じく、女性を性欲の捌け口としか見ていない。
スタッフ

企画 - 金木怪男、天地悠大

原作、脚本、キャラクターデザイン、絵コンテ、監督 -
梅津泰臣

スーパーバイザー - Dr.POCHI

作画監督 - 岩井優器、梅津泰臣

美術監督 - 池端茂

撮影監督 - 森口洋輔

音響監督 - 鶴岡陽太

効果 - 神保大介(1巻)、山田稔(2巻)

音楽 - アン・フー

プロデューサー - 雅太郎、越中おさむ

アニメーション制作 - アームス

発売 - グリーンバニー

製作 - ビームエンタテインメント

作品リスト

特記の無いものは18禁。

A KITE VOL.1(
VHSLD:1998年2月25日発売 / DVD:1998年7月25日発売)[7]

A KITE VOL.2(VHS、LD:1998年9月25日発売 / DVD:1998年12月18日発売)[8]

A KITE INTERNATIONAL VERSION(VHS/DVD:2000年7月25日発売)[9]

VOL.1とVOL.2を合わせて再編集したインターナショナル版。セックスシーンが削除されてR指定となったほか、英語吹き替えとなっている。


A KITE PREMIUM COLLECTORS VERSION(DVD:2007年12月21日発売)[10]

『KITE LIBERATOR』の製作を記念し、VOL.1とVOL.2とINTERNATIONAL VERSIONを1パッケージに収録した廉価版。『KITE LIBERATOR』の先行プロモーション映像が収録されている。


A KITE Special Edition(BD/DVD:2015年4月3日発売)[11]

実写版の公開を記念し、VOL.1とVOL.2を1パッケージに収録した廉価版。陰部モザイク処理は、極小モザイクにリニューアルされている。実写版のメイキング映像(約15分)と予告編(1分版)に加え、同年4月24日に発売予定の『MEZZO FORTE Special Edition』の予告編(1分半)が収録されている。


備考

MEZZO FORTE』にも、砂羽と赤井が登場している。本作との間に世界観や設定のつながりは存在しないため、梅津監督の遊び心による登場である。


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