物理学の未解決問題
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超対称性は本当に実現されている対称性なのか。もしそうならば、超対称性はどのような機構で破れるのか。
テクニカラー
電弱対称性を破る機構は、強結合ダイナミクスなのか。
超対称性粒子と新粒子
超対称性理論によって予測されている超対称性粒子は、現実に存在するのか。観測できるのか。また、未発見の標準模型を超える物理現象はあるのか。
余剰次元
超弦理論によって予測されている「余剰次元」は現実に存在しているのか。また、加速器によって観測できるのか。
近年解決された問題

量子コンピュータ: 量子ビットを用いて計算を行う実用的なコンピュータは開発可能か。

ガンマ線バーストの起源(1993年[4]?2017年): 連星の中性子星の合体より生じたキロノヴァ爆発と短ガンマ線バーストGRB 170817A電磁波重力波GW170817の両方において検出された[5][6]

失われたバリオン問題(英語版)(1998年[7]?2017年): 失われたバリオンは熱い銀河系間の気体中にあると2017年10月に示された[8][9]

時間結晶の存在 (2012年?2016年): 2016年、時間結晶の発想が独立の2つのグループ(Khemani et al.[10]とElse et al.[11])から提案された。2つのグループとも時間的に無秩序で周期的な小さな系では時間結晶の現象を観察できることを示した。Norman Yaoらは実験室環境におけるモデル(同じ質的特徴を持つ)に対する計算を拡張した。その後、メリーランド大学クリストファー・モンロー率いるグループとハーバード大学のMikhail Lukin率いるグループの2つのチームにより用いられた。両チームとも実験室での時間結晶の証拠を示すことができ、短期間で系が予測されたものと同様のダイナミクスを示すことを証明した[12][13]

重力波の存在 (1916年?2016年): 2016年2月11日、Advanced LIGOチームは2つのブラックホールが合体したことによる重力波を直接検出したことを発表した[14][15][16]。 これは連星のブラックホールの初めての検出でもあった。

抜け穴のないベルテスト実験の実行 (1970年[17]?2015年): 2015年10月、Kavli Institute of Nanoscienceの科学者らが「抜け穴のないベルテスト」の研究に基づき局所的に隠れた変数仮説の失敗が96%の信頼水準で裏付けられていると報告した[18][19]。これらの結果は5標準偏差を超える統計的有意性を用いた2つの研究により確認された[20][21]

ペンタクォークの存在 (1964年?2015年): 2015年7月、CERNでのLHCb共同研究により、Λ0
b→J/ψK?pチャネル(ボトムラムダバリオン(Λ0
b)のジェイプサイ中間子(J/ψ)、K中間子(K?
)、陽子(p)への崩壊を表す)でペンタクォークが特定された。この結果はΛ0
bは直接中間子とバリオンに崩壊する代わりに時々中間にペンタクォーク状態を介して崩壊することを示す。P+
c(4380)とP+
c(4450)という2つの状態はそれぞれ9 σと12 σの統計的有意性を持ち、15 σの結合有意を持つため、正式な発見を主張するのに十分である。2つのペンタクォーク状態はどちらも強く減衰しJ/ψpになることが観測されたため、チャーモニウム-ペンタクォークを作り出す2つのアップクォーク、1つのダウンクォークチャームクォーク、反チャームクォーク(uudcc)の価クォークを中に持つ必要がある[22]

Photon underproduction crisis (2014年?2015年): この問題はKhaireとSrianandにより解決された[23]。彼らはアップデートされたクエーサーと銀河の観測を用いて2倍から5倍のメタガラクティック光イオン化率が容易に得られることを示している。クエーサーの近年の観測では、紫外光子に対するクエーサーの寄与が以前の推定よりも2倍大きいことを示している。修正された銀河の貢献度は3倍になる。これらはともにcrisisを解決する。

球電の存在 (1638年[24]?2014年): 2014年1月、蘭州市にある西北師範大学の科学者らが2012年7月に中国の青海高原で行った雲対地雷の研究中に起こった自然の球雷と考えられるものの光スペクトルの記録の結果を発表した[25][26]。900 m (3,000 ft)の距離で、通常の雷が地面に当たった後の球雷の形成からその現象の光減衰までの合計1.3秒の球電のデジタルビデオとそのスペクトルが作成された。記録された球電は大気中で急速に酸化する蒸発した土壌成分であると考えられている。真の理論の本質はまだ明らかになっていない[26]

ヒッグス粒子と電弱対称性の破れ (1963年[27]?2012年): WとZボソンに質量を与える電弱ゲージ対称性の破れの原因となっている機構は、ウィークボソンへの期待されるカップリングで標準模型ヒッグス粒子の発見により解決された。テクニカラーにより提案されているように、強力なダイナミクス解の証拠は観測されていない。

ヒッパルコス・アノマリー (1997年[28]?2012年): 高精度視差観測衛星 (The High Precision Parallax Collecting Satellite, Hipparcos) はプレアデス星団の視差を測定し、385光年の距離を決定した。これは、実際の見かけの明るさの測定もしくは絶対等級により行われた他の測定とは大きく異なっていた。この異常(アノマリー)は星団内の星の距離と距離誤差の間に相関がある場合に加重平均を用いたことが原因であった。これは非加重平均を用いることで解決される。星団に関してはヒッパルコスのデータに体系的な偏りはない[29]

超光速ニュートリノ・アノマリー (2011年?2012年): 2011年、OPERAにより誤ってニュートリノが光より速く移動するように見えるのが観測された。2012年7月12日にOPERAは論文を更新し、計算に新たなエラーの原因を含めた。これによりニュートリノの速度と光の速度に一致が見られた[30]

パイオニア・アノマリー (1980年?2012年): 太陽系外に脱出したことにより、パイオニア探査機の加速度が予測されたものとは逸脱していた[31][32]。これは、これまで考慮されてこなかった熱反跳力の結果であると考えられている[33][34]

連星ブラックホールに対する数値解 (1960年代?2005年): 一般相対論における二体問題の数値解は40年の研究の末に達成された。2005年(数値相対論のアヌス・ミラビリス)、3つのグループにより画期的な手法が考案された[35]


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