牧師
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^ コンスタンティノープル総主教庁系列などの一部の正教会では輔祭の敬称としても用いられる[8]
^ 聖公会の司祭やプロテスタント教会の牧師が「先生」という敬称で呼ばれるのはあくまで口頭の呼びかけなど非公式な敬称であるが、カトリック教会において神父という敬称は公の文書などにも用いられる正式な敬称である[9]
^ a b かしこまった文書において、名前の後に敬称として付加する。
^ 英語圏では「Father」という敬称は比較的広く使われる[10]が、日本では稀で、修道司祭を神父と呼ぶケースにほぼ限られる[11][12]。同じ漢字文化圏でも、ハイ・チャーチの影響が強い大韓聖公会では「神父(??)」という敬称が広く使われており[6]、「女性神父(?? ??)」なる語さえある[13]。(ただし、韓国語では「婦」も「父」と同じ発音・同じハングル表記である。)

正教やカトリック等の司祭との差異と共通点

カトリック教会では主任司祭が、正教会では管轄司祭が、牧師(主任担任教師)の職掌である「特定の教会の司牧(宗教的指導)」を行っている。プロテスタントの牧師が聖職者とは呼ばれず教職者または教役者と呼ばれるのに対し、正教会・カトリック教会・聖公会では聖職者と呼ばれる。
結婚

ローマ・カトリック(東方典礼カトリック教会を除く)の司祭と違い、牧師は結婚できる。そもそも万人祭司の考え方を取るプロテスタントでは、牧師を聖職者とみなす概念が薄いため、独身制という考え方自体が成り立たない。独身である牧師ももちろんいるが、それは宗教上の理由ではなく、主として個人的理由である。家庭を持つことで、夫婦間や子育て・育児についての悩みに共感できることが、結婚する利点として挙げられる。結婚は創造の秩序であるから、男性の牧師は結婚することが望まれており[14]、神学校の中には独身者の入学を断るところもある。

正教会では神品機密を受け輔祭になる前なら結婚できる。したがって正教会の独身の司祭は結婚できないが、家庭をもつ正教会の司祭もいる。
婦人教役者

カトリック教会に女性の司祭は未だ存在しないが、プロテスタントの場合、教派によっては女性の牧師を正式に認めている。日本における女性牧師の嚆矢は、日本基督教会富田満の動議による1933年12月5日高橋久野と、翌年1934年植村正久の娘の植村環の按手であるが、彼女は世界的にも最初期の女性牧師の一人である[15]。日本の牧師の女性比率の高さに鑑みるに、日本プロテスタント伝道史の初期に彼女が存在した意義は大きいとも考えられる。日本基督教団は戦時中から多くの女性牧師を採用し、教会で語らせた。また、主の十字架クリスチャン・センターにも女性牧師が多く、女性が用いられる教会であることを強調している[16]。一方、美濃ミッションセディ・リー・ワイドナー宣教師は、婦人牧師は非聖書的であるとして、自ら牧師にならなかった。

宗教改革マルティン・ルタージャン・カルヴァンは婦人の牧師を認めていなかった。チャールズ・スポルジョンも婦人の牧師を認めなかった。婦人牧師を認めるか否かはいまだプロテスタント教会でも議論があり、マーティン・ロイドジョンズ南部バプテスト連盟日本バプテスト連合などは婦人牧師を認めていない[17][18][19]。一方で、救世軍などのように設立当初から女性牧師を積極的に認め、時に教団代表に就任させている教派もある。

日本聖公会の『聖公会の信仰と職制を考える会』の主教は4名の連名で声明を出し、「特別に男性の中から主教を聖別し、また司祭職を男性に限って」来たことは、神の創造の秩序と関わりがあるとしている[20]

正教会にあっては神品 (正教会の聖職)の任に就くことがない女性も、女性伝教師となっている事例が存在する[21]。ただし日本正教会には現在、女性伝教師は存在しない。

近現代に入り、正教会でかつて女性輔祭が存在し、大きな役割を与えられていたことについての研究もなされている。ロシア正教会では1917年ロシア革命直前期において行われていたロシア正教会公会準備期間中に、女性輔祭制度復活については真剣に討議されていた。しかしながらロシア革命とその後の共産主義政権による弾圧によって、この公会準備期間において討議されていたいくつかの改革案とともにこれは頓挫した[22]

一方で、東方正教会の一部にはギリシアを中心に古代から「女輔祭」という職分を任じる伝統があるが、これは副輔祭と同様の役割を荷うものであり、輔祭とは基本的に役割と地位を異にする。


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