牙狼-GARO-
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魔界での装着時間は無制限だが、人間界での装着では魔界の力を宿す鎧の闇の力を魔戒騎士本人の魔導力で押さえる限界時間が99.9秒なため活動制限が存在する[27]。それを過ぎても装着していると巨大な魔獣のような姿の「心滅獣身」を経て、鎧にその身も魂も喰われてしまう。また、強力なダメージを受けると強制的に解除されてしまう。ホラーは通常の人間の武器では倒せないため、魔戒剣などの武器も鎧もソウルメタルと呼ばれる、一般人にとっては超重量の特殊金属でできている。ソウルメタルは扱う者の心や感情に共鳴する性質を持ち、魔戒騎士は皆これを使いこなせるよう修練を積んでいる。第1期最終話におけるゴンザのように鞘に収まった状態で持ち主が心を許していれば持ち上げることができる場合もある。鎧に加工されたソウルメタルの場合、表面は常に超振動によって発熱しているため、人間などが直接触れると皮膚を焼かれる。

なお、魔戒剣は確かに強力な浄化の力を持つが、ホラーの血液で穢れるので、番犬所で定期的に清める必要がある。通常の魔戒剣では、ホラーは封印できないため、変化させる必要がある。また、魔戒剣の刀身には己の感情が映り込むため、鎧を付ける必要がある。魔戒騎士が存在しなかったころは、ホラーが嫌う物質である、ホラーの腕が噴火によるマグマと融合して凝固したホラーの爪という魔除の装飾品を身につけた戦士たちがホラーと戦っており、ホラーの爪を矢の先に括りつけ放ったところ、ホラーを四散させる効果を発揮したため、これを分析してソウルメタルがつくられたと言われている[27]。魔戒騎士同士の決闘は禁じられており、破った場合、番犬所から制裁として寿命を削られる。なお、鎧が狼を象っているのは、その昔、ホラーに一匹で勇敢に立ち向かい、それを倒したという黄金の狼の言い伝えから来ている模様。

続編の『白夜の魔獣』外伝作品の『妖赤の罠』『暗黒騎士鎧伝』では鋼牙や零以外の魔戒騎士も多数登場しており、『MAKAISENKI』では一般魔戒騎士は統一されたデザインの金、銀、あるいは銅色の鎧を纏っているという様相であることが描かれた。2024年の作品『ハガネを継ぐ者』では、これらの鎧は「ハガネ」と総称されている。
黄金騎士牙狼(おうごんきしガロ)
鋼牙が鎧を召還し現出する、黄金の魔戒騎士。魔戒剣は鎧の召還とともに幅広・両刃で大型、束頭と刀身に紋様のついた牙狼剣に変化する。凄まじい斬撃の他に、剣圧を飛ばしたり魔導火を身に纏った烈火炎装という攻撃も使いこなす。炎の色は翠。手首の部分に刃状の突起が有りこれで切りつけたり相手の武器攻撃を受けることが出来る。鋼牙装着の場合、瞳の色は鮮やかな緑になるが、父・大河は赤だった。また、大河は右腕だけ鎧を部分的に召還し[28]、魔戒剣を牙狼剣に変化させた。鎧召還の動作は、頭上に魔戒剣で弧を描いて鎧を召還する。99.9秒の活動制限時間を過ぎると理性を失い、黄金の巨獣(心滅獣身ガロ)へと変貌してしまう。最終回ではカオルの想いを受け、翼人ガロとなった。なお、「ガロ」とは旧魔界語で希望という意味。

当初は、「鋼牙」という名前の銀色の狼のデザインだったが、雨宮が金色のキャラクターが好きだったため、金色になった[11]

翼人ガロ(つばさびとガロ)
最終回に登場した。鋼牙を想うカオルの描いた翼ある騎士の絵がガロに力を与えた特殊形態。背中に金色の翼を生やし、自在に宙を舞う。メシアの放つ光弾を弾き返し、通常のガロでは耐えきれない攻撃を突っ切るほどの力を発揮し、メシアによって鎧が強制解除された後でもその力は鋼牙自身に宿っており、背中に翼が生えていた[28]。あくまでカオルの思いを受けて変化した一時的な形態であるため、その後自在にこの形態になれるわけではないという設定が「鋼の咆哮」に記されている[28]
銀牙騎士絶狼(ぎんがきしゼロ)
零が鎧を召還し現出する、白銀の魔戒騎士。魔戒剣は形状も変化し切っ先に角度がついた二刀一対の短めの直剣・銀狼剣となる[28]。零は通常逆手で二刀を操るが、ゼロでは順手持ちとなる。青い炎の烈火炎装も使いこなし魔導馬を召還できるなど、力・技量共に牙狼とほぼ互角。左手用の柄の底面にプラグがついており、右手用の柄の窪みに挿し込むことで二刀を一つに繋げた二双の刃を持つ大型の剣銀牙銀狼剣をブーメランのように投擲する他、銀狼剣に魔導火を貯え、空を斬ることで剣圧の軌跡を残し、時間差で炎を飛ばすなどのトリッキーな技も使いこなす[28]。鎧召還の動作は、二振りの魔戒剣で二つの弧を描き、空間を切り裂き、鎧を召還する。
暗黒騎士呀(キバ)
巨大ホラーに苦戦する鋼牙と零の前に突如現れた、黒色に金の装飾が施された“ホラー喰いの魔戒騎士”[28]。武器はホラーを喰う儀式に用いられる長柄の戦斧暗黒斬と牙狼剣に酷似した剣黒炎剣を使用し、赤紫の魔導火の烈火炎装も使いこなす[28]。その正体は、大河の弟子であり有能な魔戒騎士であったバラゴ。家族を殺したホラーへの憎しみから過剰に力を求め、自ら心滅獣身化を経て、わざと鎧装着の制限時間を過ぎることでソウルメタルの性質を反転させ、「デスメタル」と呼ばれる特殊金属に変質させ闇に堕ちた。鎧を召還する時は魔戒剣ではなく、ソウルメタルでできた首飾りに魔力を込め、それを使って頭上に弧を描く。ガロとゼロが二人がかりで戦っても、まるで歯が立たないほどの圧倒的な力を持つ。バラゴが死亡し、メシアが倒れた後も鎧に怨念が集まり意志を持って復活して執拗に戦いを続けたが、鋼牙によって完全に消滅させられた。劇中では魔戒騎士時代のバラゴの鎧の姿は回想の僅かなシーンでしか確認できないが、PS2ゲーム版『黄金騎士牙狼』ではプレイヤキャラクターとして、またギャラリーモードでは静止画でキバに似た黒い鎧[注釈 8]の、はっきりとした姿を確認できる。『暗黒騎士鎧伝』では魔導馬雷剛を操る姿や、雷剛を召還せずに地面に黒炎剣を叩きつけ巨大な閻魔斬光剣[28]へと変化させる様子や、トゲの付いたツル薔薇のようなもので全身を覆い防御する技の薔陣薇幹や、心滅獣身した姿(初期の特報では、はっきりとした姿で、本編ではデジタル絵巻の墨絵)を確認できる。
技・装備類
烈火炎装
魔導火を全身に纏うことにより攻撃力・防御力を高める必殺奥義。気合を込めるような形で剣も含めた全身に魔導火を纏わせる場合が多いが、魔導火を剣のみに纏わせて剣圧を放ち、それを纏う場合もある。また、放れた相手に衝撃波を放ったり、魔導火を他の騎士に放って相手を烈火炎装状態にさせることも可能。全ての騎士が出来るわけではないため、真魔界に突入する際に、ガロがゼロに使用できるかと尋ねていた。
魔導馬
ホラーを100体封印・浄化した際に課せられる試練(真魔界へと続く、内なる魔界へ精神を転移し、自身が最も恐れる存在としての象徴と戦うというもの)をクリアし、英霊により初めて召還を許される馬型の魔戒獣(魔導具と同様に、動物の死骸に獣型のホラーを封印したもの)の一種で、「魔界より生まれし力」と称される。その蹄音(地獄の轟音)の分だけ貯えられたパワーは魔戒騎士の武器を変化させ、通常をはるかに上回る力を発揮する。また、時空を操り、現世界(人間界)と魔界を自在に行き来する能力も有する。現役の魔戒騎士で魔戒獣を召還可能なのは、鋼牙と零、翼
[29]
轟天(ごうてん)
牙狼の召還によって現れる魔導馬。金色の身体に真紅の鬣を持つ(誕生当初、身体は金色ではなく鋼色だった)。蹄音の力によって牙狼剣は巨大な牙狼斬馬剣に変化し、装甲の硬いホラーでも一太刀で斬り倒すことが可能となる。また、『白夜の魔獣』ではさらに渾身の力を加えることにより、牙狼斬馬剣よりもさらに巨大で強力な大牙狼斬馬剣に変化させている。

デザイン画では「天空馬」という名称だった[30]

銀牙(ぎんが)
絶狼の召還によって現れる魔導馬。轟天とほぼ同じ能力を持つが、鬣や背中の襷のような帯がなく、銀色の身体に頭部にユニコーンのようなに剣状の角を持ち、刺突攻撃を得意とする。烈火炎装のように胴体に炎の翼を生やすことも可能で、突進する[30]
心滅獣身
魔戒騎士が制限時間を迎える前に鎧を解除しないと、腰の紋章が上下反転して鎧が巨大化し、獣のような姿に変化する。この形態を、心滅獣身と呼ぶ。戦闘能力は通常の状態よりはるかに高くなるが、すぐに鎧を強制解除しなければ身も魂も鎧に喰われて心が闇に取り込まれて魔界の力を持つ鎧を精神的に制御不可能となったことで暴走状態に移行し、二度と人間の姿に戻れなくなってしまう。その際、鎧の強制解除は第三者が腰の紋章を強く突くことで行う。例外的に暗黒騎士へ“堕ちる”場合は、この状態を維持したまま魂を暗黒に委ねて喰われるがままにした後、鎧の力に打ち勝つことによって自力で鎧の強制解除を行う。
魔戒法師

魔導力による法術を駆使し、魔戒騎士を補助する錬金術師的な存在。かつては魔戒法師がホラーとの戦闘や封印などを担当していたが、それだけでは限界があり、肉体を鍛えて戦闘に特化した魔戒騎士が生まれるに至った。現在では魔戒剣・魔導具などの製作といった裏方に徹している者が多いとはいえ、決して戦闘能力が低いわけでも格下の存在であるわけでもない。そのため、一部の魔戒法師は魔戒騎士に対して対抗意識を抱いている。『MAKAISENKI』では「赤い仮面の男」の暗躍により多くの魔戒法師が離反したが、赤い仮面の男が倒されたことで再び魔戒騎士に協力するようになった。

設定は、女性の魔戒騎士を出してほしいというプロデューサーからの要望に対し、監督の雨宮慶太が苦肉の策として鎧を纏わずに戦うキャラクターとして創作された
[2][15]

魔導八卦札
魔戒法師が使う8種類の札。魔導文字の力が封じ込められている。界符ともいい、ホラーの封印などのさまざまな用途がある。例外的に、ガロの称号を持つ魔戒騎士はこの術を行使できるとされている。
魔導筆
無地の札や空間に魔導文字を描くことで、法術を発動できる魔導具。
魔導旗
邪美が使用する各々に「邪」と「美」が描かれた二振りの赤い旗。剣のような殺傷力はないが、威嚇や間合いを取るために振るっている。魔導札と同様に、相手の攻撃を弾いたり、目くらましとして使用する。
月光陣
月光の力を借り、魔界へのゲートを開く術。
その他の関連用語
神官
人間界と魔界を繋ぐ巫女のような存在。
番犬所(ばんけんじょ)
[31]
魔戒騎士を束ねる組織の名称で、一般人には行けない異空間にある。各国に拠点があり、魔戒騎士の派遣を行っている。東西南北に4か所の管轄があり鋼牙は東(『白夜の魔獣』では北)、零は西(『白夜の魔獣』以降は東)の所属。指令書の交付、剣の浄化、魔導具の支給・修繕や、ホラーの出現・情報などを魔戒騎士に伝えるなど騎士を統括しつつサポートする他、掟に反した者への制裁も行う。
指令書
番犬所から魔戒騎士に送られてくる手紙。突如として目の前に現れず、物理的なものとして存在する。魔導火の炎に焼かれると手紙の念が空中に魔導文字となって浮かび上がり、指令を伝える。出現したホラーの情報が記されているが、抽象的な表現が多く、解読には熟練の技と経験が必要。通常の赤の指令書は、滅多に無いが拒否することも可能。ただし黒の指令書は拒否が許されない指令が下される場合に使用される。
魔導火
魔界の火であり、魔戒騎士の携行するライター状の魔導具[10]に貯えられている。太古の昔独自の知識と道具で種火から火柱まで作り出して不気味な容姿から人々に敬遠され、「魔戒法師のルーツになった1人」と言われる「炎人(ほのおびと)」と呼ばれる男がホラーに苦戦する魔戒騎士の鎧を掌から発した炎で照らし、全身を鉛色から金色へと見せることでソウルメタルに変化が起きて飛躍的に能力が高まり勝利へと導いた。これが後の「烈火炎装となった」と言われている。ザルバも口から発することができる。

指令書の解読

ホラー探知(ホラーに憑依された人間の瞳に照らすと魔導文字が浮かび上がる)

烈火炎装のための触媒

傷の治療(魔導筆を扱えない騎士は「リヴァートラの刻」という薬と併せて使用する)
などの用途があるが、魔戒騎士の修行を受けた人間しか扱うことはできず常人が扱おうとすれば瞬時に焼き尽くされる。なお、充填は番犬所の燭台に絶えず灯っている魔導火の種火となる地獄の業火[注釈 9]を使用する。
破邪の剣
過去に何人もの魔戒騎士の命を奪ったとされる伝説の邪剣。魔戒騎士でしか扱えず、普通の人間だと掠り傷を受けただけでも数分で死に至る。零がこれを持っており、鋼牙や倉町公平に対して使用した。
冴島家の宝剣
代々、冴島家が試練に立ち向かう際に使用していた剣で、鋼牙が内なる魔界の黄金騎士に挑む際にゴンザが託した。ソウルメタルではなく、鉄で出来ているため、戦闘には不向きな重量だが、試練に打ち勝った際にその真意を悟った。


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