牙狼-GARO-
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前述通り、子供向けの特撮ヒーロー物として企画されていたときに、スーパー戦隊シリーズ仮面ライダーシリーズとの差別化を図るために「金属製の指輪や小さな剣で遊ぶカードゲームを使用した作品」というアイデアが浮かぶ。しかし、その後大人向けの作品へと方向転換され、主人公が使用するアイテムとして指輪のアイデアが浮かび、ドクロや女性などの6種類の指輪を指令や状況に応じて付け替えて戦う、という案になったが、放送されるのが『牙狼-GARO-』へと決まった際に主人公だけがドクロの指輪を身に付け、そのほかの魔戒騎士はブレスレットやペンダントを身に付けるという案になり、ドクロ以外の5種類の案がそのデザインの基となっている[7]
ストーリー

画家を夢見る女性・御月カオルは初めての個展を前に張り切るが、同時に幼いころに読んだ、父の描いた「黄金騎士」の絵本を夢に見ることが気になっていた。心理カウンセラーの龍崎駈音に相談することで一応安心したカオルは個展に臨むが、画廊のオーナーが突如として異形の化物に変異し、カオルを襲ってくる。その時、カオルの前に白いコートをまとった謎の青年が現れ、変身して化物を倒す。その姿は、正にあの絵本に描かれた「黄金騎士」そのものだった。
登場人物
冴島 鋼牙(さえじま こうが)
主人公。魔戒騎士として
ホラーと戦う青年。25歳。魔戒騎士の最高位『牙狼』の称号と、その証である黄金の鎧を代々受け継ぐ一族の直系で(黄金の鎧の魔戒騎士は複数存在しうるが、『牙狼』の称号は1人のみに与えられる)、東の管轄に所属している。愛用の魔戒剣は直刀・両刃、鍔無しの長剣で真紅の鞘に収められている。騎士としての紋章は三角形で、白いコートを愛用し、その左胸には自分でつけたお守りが下がっている。頭脳明晰で、抜群の運動神経を持ち、生身のままでも素体ホラー程度なら苦もなく蹴散らす圧倒的な戦闘能力を有する。口下手で無愛想なため、カオルが誤解して気分が悪くなるような発言も多々あるが、実は誰よりも優しく熱い男。当初はホラーの血に染まったカオルをホラーを誘き寄せるエサと発言していたが、実は掟を破ってまでカオルを助けるとはじめから決意していた。食に関してもストイックであり、好物はコーンフレーク[8]。ただし一番の御馳走はゴンザの手料理らしい。背中には大きな傷があり、小説『暗黒魔戒騎士篇』では、大河が死亡した後、邪美を庇いホラーにより背中に傷を負う様子が描かれている。亡き父・冴島大河の跡を継いで魔戒騎士となった(この時、頭髪が黒から茶色に変色したが、これは既に亡き母親からの遺伝であり、危険な宿命を背負う鋼牙を守護するため、その力が顕現したもの)。普段は頭脳明晰・冷静沈着だが、父を辱められると普段出さない怒りの感情を剥き出しにして辱しめた相手に敵意を向けることも。メシアとキバを倒した後、北の番犬所の管轄に移って“守りし者”としてホラーと戦い続けている。
魔導輪ザルバ
鋼牙が左手中指に嵌めている黄金騎士のみが持つとされる意思を持つ指輪。基本的戦いや敵の特徴においてのサポートやアドバイス的な役割を持つ。リングに小さな頭部が付いたスカルリングのような意匠。一人称は「俺様」で傲岸不遜な性格。ホラーを探知することができ、威勢の良い口調で鋼牙を鼓舞する相棒的存在。実は魔戒法師によりソウルメタル製の指輪状の魔導具に封印された人と契約して力を貸す敵意を持たないホラーであり、この稀な種は黄金騎士だけが所持を許されている。鎧を召還した際は左手の手甲上に半埋め込みのような状態で装着されている。鋼牙とザルバは共存しており、「1ヶ月に1日分の命を与える」という契約に基づき、毎月一日だけ鋼牙は自室で死ぬ(正確にいえば仮死状態のようなもの)。元々は大河と契約していたのだが、その死に際に、息子の鋼牙にその想いを伝えた後、請われて彼のパートナーとなる。キバとの戦いで魔界から鋼牙に鎧を届けるために力を使い果たし砕け散ったが、西の番犬所に修復され記憶を失いながらも復活した[注釈 2]。ザルバとは旧魔界語で「友」という意味。「こいつは厄介だぞ」や「厄介なところに・・」など「厄介」が絡む言葉が口癖。普段は、鋼牙の屋敷にある専用箱の中に封印されており、指に嵌めることで息を吹き返して話し出す。また、カオルには自身の背骨から生み出したリングを嵌めさせ、彼女の場所を特定させていた。小説版では大河と出会う以前から人間との共存の可能性を考えていたとされている。本来の身体は魔界にあり、それに魂を戻すことも可能らしい。
御月 カオル(みつき カオル)
アルバイトをしつつ絵を描き続けている画家の卵。23歳。画家になりたてのため、様々なアルバイトで生計を立てているが、無計画で収入のすべてを画材に注ぎ込んでしまうので貧乏生活から抜け出せない。家賃も滞納し続けたためにアパートを居ない間に追い出されてしまい、そばにいろと言った鋼牙の言葉を逆手にとって半ば強引に屋敷に居候することになる。鋼牙とホラーの戦いに偶然遭遇し、その際にホラーの返り血を浴びたことで、ホラーに狙われることになる。ついに瀕死の状態にまで陥るが、鋼牙の奮闘で無事にホラーの血は浄化された[9]。彼女の亡父・由児は、生前に出会った牙狼(この時は大河だった)をモデルにした絵本『黒い炎と黄金の風』を書いている。料理の腕は常人では食中毒を起こしてしまうほどの不味さで、友人の亜佐美を病院送りにして彼女のトラウマにしている。ポジティブなのか思慮浅いのか不明だが思ったことをすぐ口にしてしまう傾向があるが、別に気が強いというわけではない。男性にはあまり興味がなく、絵を描くことが最優先事項。絵のタッチはシャガール風。全ての陰我から解放された後、絵の勉強のためにイタリアへと渡った。
倉橋 ゴンザ(くらはし ゴンザ)
代々、冴島家に仕える鋼牙の執事。67歳。家系が代々、魔戒騎士に仕えており、本来は大河の執事だった。鋼牙に心からの忠誠を誓っており、鋼牙もまたゴンザに対して絶対の信頼を置いているため、鋼牙にとって父親や兄代わりとも言える存在。屋敷のことを全て一人でこなすため、お手伝いなどの他の使用人は冴島家には一人もいない。代々魔戒騎士に仕えてきたために魔界語や魔戒の伝承にもかなり詳しい。転がり込んできたカオルのことも家族のように優しく見守っている。気さくでいつも物腰の柔らかい人物だが、自分の運命を知ったカオルが誤解から鋼牙を責めた時はいつにない表情で厳しくカオルを叱りつけて彼女に鋼牙の真意を諭すこともあった。戦う力はないが、最終決戦では本来扱えないはずのソウルメタルを持ち上げて零を援護した。『the BIBLE』では魔界の茶葉を使った紅茶を大河に飲ませている。
涼邑 零(すずむら れい)
6話から登場した謎の美青年。18歳。「ゼロ」の称号を名乗り、西の管轄に所属するが、どの魔戒騎士の系譜にも属さない謎の魔戒騎士。騎士としての紋章は、円の中に稲妻が走ったような図案で黒いコートを愛用。紋章とは別に背中にはドリームキャッチャーと双剣を象った刺繍が施されている(コートの修復は自分で行っているため、継ぎ接ぎだらけ)。やんちゃで軽口を叩き、軟派で子供な性格だが、魔戒騎士としての志や掟を誰よりも重んじている。極度の甘党でありテーブルから溢れるほどのケーキを注文するほど。鋼牙に異様なまでに執着し、「黄金騎士の抹殺」を言って憚らず、彼に勝負を挑む。実は老魔戒騎士・道寺により育てられた子供で、道寺の技を伝授されている。本名は「銀牙」という。ある日婚約者・静香と道寺を何者かに殺害され(シルヴァ曰く「ホラー喰いの魔戒騎士がガロの称号を持つ騎士の剣技に姿と太刀筋が似ている」)、以後本来の名前を捨て復讐のために生き続けている(事件の真相はバラゴが顔を変える薬を道寺を殺して奪った際にバラゴがキバの鎧を召還しており、そのシルエットが牙狼に似ていたために零が誤解していた)。彼が鋼牙をつけ狙うのは婚約者と師を殺した魔戒騎士への憎悪からであり、数度鋼牙 = ガロと渡り合ったが、鋼牙の直向きさや、死闘の最中自分を殺せたのに敢えて手心を加えた様を目のあたりにするにつれ、本当に彼が仇なのかの確証が持てなくなる。そして遂にキバの出現で記憶が鮮明となり、目指す敵を間違えていたことに気付き、キバを倒すために鋼牙と手を組むことを決意した。実はずっと牙狼の称号に憧れていた。鋼牙の使うものより短い、黒い鞘に収められた直刀・両刃の一対の魔戒剣を愛用し、銀狼剣と同じく柄を合体させることも可能。また、「破邪の剣」と呼ばれる投擲武器系の短剣を有する。銀のライター状の魔導具を所持する。戦いの後、その功績を認められて正式に魔戒騎士の系譜に加えられ、鋼牙に代わって東の管轄を担当している。
魔導具シルヴァ
零の魔導具。指輪型のザルバと違い、ソウルメタル製のペンダントの形をしている。仮面を被った女性の頭部のような意匠。制作者は不明。妖艶な女性のような声、口調で話し、零のことは「ゼロ」と呼ぶ。鎧の召還時には喉元の甲に収納されている。獣化ガルムの攻撃から零を庇い、半壊したが無事だった。零はそのことを悔やみ、自分で修復した後『白夜の魔獣』以降は左手に付け替えている。シルヴァとは旧魔界語で「家族」という意味。元々は零(銀牙)の師であり、義父である道寺と契約していたため、本当の両親を知らない零にとって、唯一の家族とも言える存在。ザルバとは旧知の仲。
冴島 大河(さえじま たいが)
鋼牙の父で先代の牙狼。ホラーにも名前が知れ渡るほどの実力の持ち主だったが、魔道に堕ちた弟子であり親友であったバラゴとの戦いの中で、飛び出した鋼牙を守るため命を落とす。「護りし者」としての在り方を、自らの命を以って鋼牙に伝えた偉大な男。既に劣勢でありかなりの深手を負っていたとはいえ、自分のために父が死んだことへの後悔の念は今でも鋼牙を苛み、父の最期を揶揄されると激昂するのはそのためである。その死後、愛用の牙狼剣は長らく地に刺さったままだったが、修行により鋼牙はそれを抜けるようになるまで修行し続けついに剣を手にした。その後、剣は鋼牙が引き継ぐこととなり、牙狼の称号は鋼牙が担うことになった。
バラゴ
冴島大河の元で魔戒騎士になるための修行を積んでいた人物。ゆえに騎士としての太刀筋、紋章などは鋼牙と同じ黄金騎士の系譜。ライター状の魔導具の色は不明だが、浜辺で錆び付いた状態で阿門に発見され、最近まで使っていたと考えていた阿門と、瞬時にザルバがバラゴのものと判断したため、錆色に近い彩色だった模様。大河の親友であり優秀な弟子だったが、己の慢心とホラーに家族を殺された復讐心を見透かされ、力を追い求めるあまり(大河はその辺りの性根を癒し変えることが出来なかったことを悔やんでおりバラゴもそのことについては大河を責める気はなかった)、闇の魔導書に魅入られ心を囚われてしまい暗黒面へと導かれ、暗黒騎士になる道を選び装着制限時間が過ぎても鎧を解除せず鎧に喰われ(心滅獣身後、暗黒騎士に)、ソウルメタルの性質の反転に伴い紋章も逆正三角形へ反転した。現在は、顔に大河に負わされた十字の紋章[10](「必殺」の呪印)があったがその死を間逃れる。幼少期のカオルをメシア召喚のゲートとなる少女として任命し、龍崎として彼女に接触、それから23歳に至る今までカオルを監視し続けていた。そして、三神官を味方につけ、鋼牙に困難な指令を与えてあわよくば抹殺しようとしていた。カオルをゲートにメシア降臨を企むも、メシア降臨のためにホラー集めの道具として利用されていたに過ぎず、最後はメシアに食われ消滅した。小説版では消滅後に己の師であった大河と再会し、最終話の牙狼の鎧の召還を助力した。その贖罪が認められたのか再び、魔戒騎士の子として転生し、イタリアで修行中にカオルと再会(ただしバラゴとしてではなくあくまで一介の魔戒騎士として)する。
龍崎 駈音(りゅうざき かるね)
カオルが懇意にしているクリニックの心理カウンセラーで、テレビに雑誌に引っ張りだこの有名人。カオルの信頼する相談相手であり駈音も何かと気にかけている。カオルはデータ収集のアルバイトという名目で雇われ、彼のモニターとなっており、カオルには研究の対象として金を渡している。その正体は、道寺から強奪した変化の秘薬[10]を使いその顔を変化させたバラゴの仮の姿(「必殺」の呪印から逃れるため、印を消す必要があった)。元々は、「龍崎」という名前の鋼牙のパートナーの刑事で、良い人物だったが最後に闇に堕ちてキバになるという設定だった[11]。自身の持つ警察手帳のような電子モバイルの中に絶対に押してはいけない狼のアイコンがあり、この世のものではない超常現象のような対処できない力に遭遇した際に押すものであるが、すぐに押した刑事は懲戒免職になってしまうというもので、ホラーに遭遇した龍崎がそれを押すことで普段は寝ている鋼牙がやってきて倒すというものだった[11]
三神官(ケイル・ベル・ローズ)
東の番犬所を執行する三神官。それぞれの性格には若干の差がある。恐ろしく洞察力が高く冷徹だが、大変悪質な悪戯好きで、命を落とした騎士もおり、また「騎士は、人間など守らずホラーを狩っていればよい」という考えを持ち、騎士たちの忠誠心は決して高いとはいえない。元は1人の人間だったが、魔界と人間界の橋渡しとして選ばれ数百年の時を生きているらしい。既に元の肉体が滅したため、現在の3人の子供の肉体を依代として選んだ。度々器を変えてきており、肉体の保持には番犬所の台に掛けられた術が必要で、そこから降りると実時間の経過が身体に現れる[注釈 3]。暗黒騎士キバに従い、封印したホラーを魔界に送還していないなど独自の行動を取っていた。声は演者とは違う声優によって吹き替えられている。名前の由来はギリシャ神話の地獄の番犬「ケルベロス」の3分割。
ガルム
三神官が成人の女性の肉体を依代として選び、乗り移った姿。


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