父親たちの星条旗
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写真を撮影したジョー・ローゼンタールは映画が公開される2ヶ月前に死去した。

海軍の衛生兵[注釈 1]ジョン・“ドク”・ブラッドリー、米海兵隊アイラ・ヘイズ、伝令であったレイニー・ギャグノンの3人の米軍兵士が、英雄として戦債キャンペーンの広告塔に起用されつつ、回想を通して戦場での体験が描かれている。
ストーリー

ウィスコンシン州で葬儀屋を営む老人のジョン・“ドク”・ブラッドリーが長い人生に別れを告げようとしていた。ブラッドリー(ドク)は1945年に硫黄島で戦い、帰国後は葬儀屋を営み、地域に貢献する男である。

ある日、年老いたジョン・“ドク”・ブラッドリーは突然倒れて、「あいつはどこだ」とうわ言を口にする。そんな父を見て、息子のジェームズ・ブラッドリーは父を知るために戦友たちを訪ね始め、年老いたデイヴ・セベランス元大尉から話を聞いたりする。

ハワイのキャンプタラワで訓練を受けた後、第5海兵師団隷下の第28海兵連隊は硫黄島に侵攻するために出航。海軍は日本軍が布陣しているであろう地点に、三日間にわたり砲爆撃を加えていた。 マイク・ストランク軍曹が第二小隊の指揮を担当。前日は兵士をリラックスさせようとラジオからはジャズが流れるのだが、逆に兵士たちは不安を掻き立てられる。

翌日、1945年2月19日、硫黄島へのアメリカ海軍の砲撃が始まり、海兵隊はLCVPLVTで上陸。海岸は静かだったため、一等兵のラルフ・“イギー”・イグナトウスキー(英語版)は、防衛側が既に全滅したのではないかと考えていたが、海兵隊が前進すると塹壕で待ち伏せていた日本軍が発砲を始め、海軍の船にも重砲弾を浴びせる。戦場ではアメリカ軍にも多大な犠牲者が出る中、ドクは衛生兵として仲間の救助に当たる。やがて海岸堡は確保されたものの、アメリカ兵の死体で埋め尽くされる。

2日後、アメリカ海軍の摺鉢山への攻撃と共に、海兵隊は日本軍からの銃砲撃が降り注ぐ中を前進する。ドクはこの戦場で何人もの海兵隊員の命を救い、後に海軍十字章を授与されるほどの活躍をする。海兵隊は摺鉢山の確保に成功するも、地下には依然として日本軍が潜んでいた。

2月23日、ハンク・ハンセン(英語版)軍曹の小隊が摺鉢山の頂上に到着し米国旗を掲げ、海岸や艦船から喝采を受ける。海辺に上陸するときに米国旗が上がるのを目撃した海軍長官ジェームズ・フォレスタルが、あの旗を欲しいと要求。チャンドラー・ジョンソン大佐は、あの旗は我々第2大隊の物だと不満を爆発させながらも国旗の交代をデイヴ・セベランス大尉に指示し、大尉は伝令であったレイニー・ギャグノン(英語版)と第2小隊を国旗を交換するために向かわせる。そして従軍カメラマンであったジョー・ローゼンタールにより、マイク・ストランクジョン・“ドク”・ブラッドリーアイラ・ヘイズ、レイニー・ギャグノン、その他2人の海兵隊員(ハーロン・ブロックフランクリン・スースリー)の6名が、2番目の米国旗を掲げる場面が撮影された。

3月1日、第2小隊は塹壕で待ち伏せをしていた日本軍から機関銃による攻撃を受け、その戦闘中にマイク・ストランクは米海軍の砲弾に見舞われ、その傷が元で亡くなる。その日遅く、ハンク・ハンセンは胸を撃たれて戦死、ハーロン・ブロックも機関銃の射撃により戦死する。

それから二晩たった後、ドクが負傷した海兵隊員を助けている間に、イギーは日本軍に拉致されてトンネルに引きずり込まれ、ドクは数日後に拷問され虐殺されたイギーの死体を発見する。3月21日、フランクリンが機関銃によって射殺され、アイラの腕の中で死ぬ。これで8人だった分隊は、戦闘でドク、アイラ、レイニーの3人だけとなる。フランクリンの死から数日後、仲間の衛生兵を助けようとしたドクも砲撃によって負傷するが、ドクは生き残って野戦病院に送られる。3月26日、戦闘は終了し、米軍が硫黄島を占領する。

戦闘が終了し、ローゼンタールの写真が新聞の一面を飾ると、アメリカ国民の士気は爆発的に盛り上がり、第二次世界大戦を代表する有名な写真となる。ハーロンの母は写真を見て息子だと確信するのだが、やがて夫に息子が戦死した事実を責める。レイニーは写真に写っている6名を上司に聞かれ、彼自身とマイク、ドク、フランクリンを特定するが、この時にハーロンをハンクと誤認してしまう。アイラは自分の名前を伝えたら殺すと脅迫したが、それでもレイニーは6人目の男としてアイラを上司に報告する。

ドクとアイラとレイニーは、7回目の戦債キャンペーンの広告塔に起用され、ワシントンDCでの金星章の授賞式に到着するのだが、そこでドクはハンクの母が国旗を掲揚した6人の中の遺族として間違って呼ばれている事に気づく。3人は、そこで財務省のバド・ガーバーに、実は旗を掲げた者の名前が間違っている事を伝える。アイラは、ハンクは本物の旗を立てた時に居たのであって、旗は一度交換され、その2枚目を掲げた時に撮られたのが報道された写真だと説明する。戦債のツアーは茶番劇としてアイラは非難するのだが、バド・ガーバーは国の戦費には余裕がなく、この戦債キャンペーンが失敗した場合、米国は太平洋を放棄し、彼らの犠牲は無駄になると説得し、3人はハンクが写真に写っていないことを誰にも言わないことに同意する。

3人は資金集めのためのスピーチをするために国中を回り、レイニーは如才なく立ちふるまい、婚約者も連れてくるようになる一方、ドクは浮かない顔で戦場での体験がフラッシュバックし、またアイラは罪悪感に苛まれ、ネイティブアメリカンに寄せられる差別にも遭遇して次第にアルコール依存症に陥る。金星章の受賞パーティで、3人はそれぞれ、戦死した3人の母親たちに会い、レイニーはフランクリンの母親といつもの調子で話を合わせるが、ドクはハンクの母親から写真に写っているのが本当に自分の息子なのかと問われ、記憶が曖昧だとごまかす。


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