2022年9月現在、本土との定期的な交通手段は竹芝埠頭と父島の二見港を結ぶ航路が唯一で、約24時間かかり[1]、かつ、おおむね6日に1便のみの運航である[12]。1990年-2000年代初頭に、高速船を建造して本土と小笠原諸島との移動時間を短縮する「超高速貨客船テクノスーパーライナー (TSL)」計画が旧運輸省を中心に企画され[1]、実際に115億円かけて高速フェリーが建造されたが、原油価格の高騰によって採算性が失われ、計画は放棄された[1]。建造された高速フェリーは就役することなく解体された[1]。
現状では本土との往来に約10日を要し、緊急時の対応に支障があるため、東京都と小笠原村は2008年に「小笠原航空路協議会」を設置し、島内に空港を建設し航空路を開設するための調査・検討を行っている[12]。空港の位置についてはさまざまな案が上がり、父島の北に隣接する兄島、島内南部の時雨山、父島から北に70 kmの聟島などが検討されたが、いずれも自然環境への影響が大きいとして撤回され、2018年からはかつて大日本帝国海軍飛行場があった洲崎地区に候補が絞られている[12]。