基準備考 Burn Index (BI)。下記を満たす場合を重症熱傷とする。[15] Prognostic Burn Index (PBI)。[15][16] PBI評価 ただちにぬるま湯や、水道水(12-18度)で冷却し、熱を除去することが、火傷の進行を防止し、痛みを緩和し、清潔にすることにもなる。濡れタオルなどは第二の選択肢となる。氷や非常に冷たい水は、血管収縮を起こし逆に傷を深くする可能性があり避けられる。化学熱傷では、pHが正常となるまでより長い流水を必要とする。目は減菌された生理食塩水で十分に洗う[2] 。または水道水でもよい。広範囲(あるいは内ももなど体幹)を長時間冷やしすぎは不整脈や意識障害を起こす場合もある[1]。寒くて震えはじめたらやめる[11]。イギリスの熱傷学会の2015年の声明では、流水時間は5分でも30分でもなく、20分が最適とし、また子供の低体温の注意を促している[17]。流水は早いほどよいが、3時間以内まで有益である[17]。衣服や装飾品を外す[11][17]。 日本皮膚科学会の2017年のガイドラインは、小範囲では水治療を推奨するが、広範囲重症では、公共施設などでは感染の原因ともなるため、感染対策を施したうえで推奨している[18]。 国際的なガイドラインでは、冷やした後、ラップなどのドレッシング材を用い、乾燥や細菌コロニーの形成を防止し、曝露した末端神経の痛みを緩和する。ポリ塩化ビニールのフィルム(ラップ・サランラップ)は応急のドレッシング材として優れており、締め付けず火傷に被せるように覆う。次の選択肢は、清潔なコットン製シーツやこれに似たものである。セロファン製フィルムは化学熱傷の場合に悪化させる可能性がある。水や生理食塩水に浸した包帯でもよい。亜熱帯の熱く湿気の多い気候では、細菌感染しやすいため、火傷を露出したままか、清潔なタオルで緩く覆うか、保湿性軟膏を用いる[2]。 イギリスの声明では、ラップを用い、なければ代替として清潔な布、あるいは非粘着性の被覆材を用いる[17]。ラップは顔に用いない[17]。 手近にあるコップの水でもお茶でもまずかけること。15分ほど冷やしたら速やかに医師の診察を受けること。 オーストラリアの研究者は、応急処置に、唾液、アロエベラ、ティーツリー含有ジェル Burnaid、の使用は推奨していない[19]。これらは以前の豚を使った真皮までの深い熱傷治癒研究[20]により、治癒期間の短縮や、外観に差を生じなかった[19]。アロエベラは、ジェル状となり鎮痛作用はあるようだが、もっと治癒効果としては浅い火傷において有益だと考えられる[19]。ティーツリー含有冷却材のBurnaid ジェルも、期待できるのは主に鎮痛作用だが、広範囲の熱傷では低体温のリスクがある[19]。 減菌された包帯や、清潔な布で覆う。皮膚にアロエベラ成分を含むローションを塗る。脱水しているようであれば、電解質を含む水を飲む。通常さらなる治療を必要としない[11]。痛みがあり、知覚は鋭敏である[21]。 湿潤療法を普及させてきた夏井睦によれば、ラップで覆えば痛みはおさまる[22]。
重症熱傷
II度 30%BSA以上
III度 10%BSA以上
顔面、手、足のIII度
気道熱傷合併
軟部組織の損傷や骨折の合併
電撃熱傷
派生[14]
小児、高齢者につき
II度 20%BSA以上
III度 5%BSA以上
陰部、肛門、主要関節と周囲のIII度を加える
化学熱傷ほか特種な熱傷を加える
中程度熱傷
II度 15 - 30%BSA
III度 2 - 10%BSA(顔面、手、足を除く)
派生[14]
小児、高齢者につき
II度 10 - 20%BSA
III度 2 - 5%BSA
陰部、肛門、主要関節と周囲のIII度も除外
軽度熱傷
II度 15%BSA以下
III度 2%BSA以下
派生[14]
小児・高齢者につき
II度 10%BSA以下
熱傷指数 (BI)
Burn Index (BI) = .mw-parser-output .frac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .frac .num,.mw-parser-output .frac .den{font-size:80%;line-height:0;vertical-align:super}.mw-parser-output .frac .den{vertical-align:sub}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}1⁄2 II度熱傷面積 + III度熱傷面積 ≧ 10 から 15(単位:%BSA)
熱傷予後指数 (PBI)
Prognostic Burn Index (PBI) = 年齢 + Burn Index (BI)
120以上致命的
100 - 120救命率は低い
80 - 100死亡例あり
80以下生存可能
熱傷の治療
応急処置
服は脱がせず、そのまま水をかけること。無理に脱がそうとすると皮膚が剥がれ、損傷が酷くなる。
水疱(水ぶくれ)は破らないこと。破ると感染を起こしやすくなる。
乳幼児や老人は低体温を起こしやすい。ひととおり冷やしたらすぐに病院へ搬送する。
気道熱傷のおそれがある場合は、息ができなくなってからでは手遅れになってしまうので、直ちに救急搬送を依頼する。
電撃傷などで心肺停止状態にある場合は心肺蘇生が優先される。
I度熱傷(EB)
局所治療
火傷から6時間までの病院への到着では、火傷が綺麗であれば、洗い、プラスチック製の粘着ラップで覆う。火傷の評価を容易にし、外す際に不快感を与えないためである。それ以上かかり綺麗な場合は、低粘着性のシリコン製のドレッシング材を使う[2] (つまり時間と共に滲出液によって全体的に水疱として膨れてきたりする)。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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