乳幼児(3歳以下)の家庭内事故では、熱傷が最も多い。そのため、テーブルクロスや、熱い食品類(熱湯、油含む)、加湿器、温水器その他に近づけない事である[3]。
安全対策が重要である。可燃物(灯油、ガソリンなど)の安全管理の徹底、焚き火や花火の際に安全を考えバケツに水を用意、子供だけで火気(ライターを含む)を扱わせない、高齢者がゆるい服装で調理をしない(気づかず着火するので)、など。
ガソリンは極めて容易かつ激烈に発火するため、ガソリンスタンドでは厳格な取扱を徹底する。ストーブ、ガス器具も同様である。オートバイや自動車のマフラーにも注意する。
ガス器具の爆発、ガソリンによる着火、建物火災に巻き込まれたり、何らかにより髪や衣服に火が燃え移った場合などにおいては、熱傷が重度、広範囲に渡る場合が多いため、重篤な症状あるいは死亡に繋がりやすい。直ちに応急処置と救急要請が求められる。 温熱熱傷の1つ。皮膚表面に赤紫色の網目状の模様を呈することから大理石様皮斑とも呼ばれる[6][注釈 1]。低温やけど、ひだこ、ナモミ[注釈 2]などの別称がある。低温熱源に長時間直接接触、あるいは輻射熱により皮膚表面に近い表在性血管が持続的に拡張によって発症し、発症までの時間は接触部の温度が44℃だと約6 - 10時間で受傷するが、熱源がより高温になるに従い短時間でも受傷する。 溶鉱炉や精錬所等の職業従事に起因することもあるが、一般人が日常生活で使用する炉や冬季の暖房器具(炬燵、湯たんぽ、懐炉、ストーブ)などで長時間曝露されることでも発症が見られる。温度調整が可能な電気コタツ、電気毛布、ホットカーペットなどで比較的低温に設定している場合でも、熟睡や運動不随、高齢による知覚緩慢、泥酔、一酸化炭素中毒、糖尿病による循環器不良などで無知覚なまま受傷してしまうケースも多い。体温調節が未発達な乳幼児では併せて熱中症の危険も伴う。近年では、ノートパソコンをひざ上に乗せて長時間使うことで下面からの放熱で受傷したり、キーボードやパームレストからの放熱で手のひらを受傷してしまったとの報告がある。 低温熱傷は極端に熱源の接触時間が長いため、発赤や水疱形成だけに見えても深部に深い損傷を負っていることが多い。睡眠時は痛みに気づかないため深達性II度(DDB)まで傷を負い、さらに進行性に深くなりIII度(DB)まで達することもまれにはある。深くなる理由としては、皮膚の血流量より脂肪層の血流量が少なく、皮膚の血流で受傷した創が冷やされて軽症に見えても脂肪層では血流により冷却されないことが挙げられる。 化学熱傷(chemical burn)・化学損傷(chemical injury)は、薬傷とも称され、酸、アルカリなどの化学薬品、腐食性芳香族化合物、脂肪族化合物、芳香族炭化水素、石油関連製品による熱作用を伴わない損傷[7]。数時間にわたって徐々に組織が壊疽(gangrene)するのが特徴。 人体を含め多細胞生物の細胞はごく限られた環境でしか生存できないので、化学物質に晒されて体表の細胞の機能が損なわれると結果として熱傷と同じ状況になる。粘膜以外の皮膚表面では角質層に覆われている為、付着した量や角質層に対する透過性の差が化学的腐食の強度の差として現れる。 電撃傷(electrical injury)は、電流による損傷。電流への抵抗によって生じる5000℃ほどの熱で組織が破壊される。また、組織が出す水蒸気により、内部からの水蒸気爆発により損傷する。体内に電流が流れることにより火傷は非常に深部まで及ぶことが多い。 重症度は電圧、電流、伝導体への接触時間に左右される。交流電源は直流電源より危険度が高い。送配電線など6600V以上で感電した場合は高熱により瞬時炭化、又は原形をとどめず破壊される場合も多い。筋損傷、血管損傷、心停止(心室細動)のおそれがあり、また絶縁後も進行性壊死が見られる。
ストップ、ドロップ&ロール(英語版)
衣服に着火した場合、気を付け式の姿勢で横になり、燃えている部分が地面に接触するように地面を転がることで消火できる[5]。
低温熱傷
重症になりやすい低温熱傷
低温熱傷の予防
就寝時低温熱傷では湯たんぽによるものが圧倒的に多い。電子サーモスタットを有しない構造が要因の1つにある。近年の湯たんぽブームにより、使用中の発症が増加する傾向にある。
体の同一箇所を暖房器具に長時間触れさせないようにする。
暖房器具を使用する人の状態によっては周囲の人が配慮する。
温熱以外で生じる主な皮膚軟部組織の損傷
化学熱傷・化学損傷
電撃傷
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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