熊本地震_(2016年)
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最大震度3以上の地震の回数[9]
(熊本県熊本地方、熊本県阿蘇地方、大分県西部、大分県中部)日最大震度小計
345弱5強6弱6強7
4月14日
(21時以降)21122—1—137
4月15日191011—1—32
4月16日1535161211215
4月17日2911—————40
4月18日234—1———28
4月19日20211———24
4月20日151—————16
4月21日112—————13
4月22日41—————5
4月23日1——————1
4月24日から
5月 7日まで459—1———55
5月 8日から
5月21日まで182—————20
5月22日から
6月 4日まで9——————9
6月 5日から
6月18日まで521————8
6月19日から
7月2日まで52—————7
累計378109115422510

地震活動の見通し

気象庁は通常、大きな規模の地震の後には余震の発生確率を発表しているが、熊本地震では「過去の経験則があてはめられない」として発表を取りやめた[112]

4月24日午後の気象庁の記者会見で地震津波監視課長・青木元は熊本県と大分県の地震活動について、「全体的には回数の増減を繰り返しながら地震が継続している」と述べ、それまでの地震で揺れが強かった地域では家屋の倒壊や土砂災害の危険性が高まっているので、引き続き強い揺れに警戒するように呼びかけた[113]。最初の地震から約1か月後の5月13日、政府の地震調査委員会は今後も最低1か月程度は熊本県熊本・阿蘇地方でM5 - 6(最大震度6弱程度)、大分県中部でM5程度(最大震度5強程度)の余震が発生する可能性があるとの評価をまとめた[73]。地震調査委員会はさらに、過去に2 - 3か月の間隔を置いて同程度の地震が発生した例があるとして、「今後も最低2か月程度は、震度6弱以上の揺れに見舞われることも否定できない」と発表した[73][114]

離れた地域などでこれまでに経験したことのない地震活動の広がり方をしていることから、活動の範囲がさらに拡大する可能性も指摘された[97]。複数の専門家が、大きな地震がまだ起きていない日奈久断層帯の南西側部分(八代市から水俣市付近)へ地震活動が広がる可能性を指摘しており、最も危惧されている[102][100][97][115][116]。気象庁も4月17日、地震活動が南西側に広がっているとして注意を呼び掛けた[117]。また、京都大学教授の林愛明は、大分県で大きな地震が発生する可能性やさらに東隣の中央構造線断層帯に影響が及ぶ可能性を指摘した[97]。1596年(文禄5年)には慶長伊予地震慶長豊後地震慶長伏見地震が数日の間に連続して発生した例がある。これに対して京都大学名誉教授の岡田篤正は、1596年の地震によって中央構造線断層帯にたまったひずみは解消されており、この断層帯が大きな地震を起こす可能性は低いと考察している[97]

別府 - 島原地溝帯の延長線上には、九州西方沖から台湾付近へ伸びる海底盆地沖縄トラフがある。熊本地震の約5か月前の2015年11月14日、沖縄トラフ北端付近の薩摩半島西方沖でMj7.1の地震が発生しており、東京大学地震研究所の古村孝志や九州大学准教授の松島健は、この地震と熊本地震との関連性を指摘している[116][118][119]

国際日本文化研究センター准教授の磯田道史は、約400年前の元和5年3月17日(1619年5月1日)に熊本県八代地方で今回の熊本地震と似たケースの地震が起こっていたことを指摘しており、古文書によると余震は長期間続き、現在の大分県に当たる豊後地方も大きく揺れたとの記述があり、さらに度重なる地震で熊本城も崩れたという[120]
地殻変動

国土地理院による衛星画像の解析によると、一連の地震で、布田川断層帯の北側では最大1 m以上の沈降、南側では最大30 cm以上の隆起が起きたと見られる。また、水平方向には、布田川断層帯の北側で東向きに最大1 m以上、南側で西向きに最大50 cm以上ずれたと見られる[121][122]。政府の地震調査委員会によると、布田川断層帯沿いで長さ28 km、日奈久断層帯沿いで長さ6 kmの地表地震断層が発見された[73]。益城町では、地表に断層のずれが現れ、水平方向に約2 m食い違っている様子が確認された[123]
火山活動への影響

16日午前8時30分ごろに阿蘇山の中岳第一火口で小規模な噴火が発生し火口から噴煙が上空100 mにまで上がった[124]。気象庁は一連の地震との関連性は分からないとしながらも[125]九州大学教授であり火山噴火予知連絡会副会長でもある清水洋は、「阿蘇山のかなり近い場所で大規模な地震が発生したことで今後の火山活動に影響なしとは言い切れない」と発言した[126]。京都大学火山研究センターの大倉敬宏によると、地震の揺れによって火口内で土砂崩れが発生し、その土砂が火山ガスや蒸気によって噴き上げられたもので、マグマによる火山活動ではなかったとみられる[127]
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放送番組への影響について、本記事での記載は出典付きであってもご遠慮ください。2016年のテレビ (日本)2016年のテレビドラマ (日本)2016年のテレビ特別番組一覧および当該番組の個別記事等において、WP:JPE/Bに抵触しない形で記載するようにしてください。詳細はノート:熊本地震 (2016年)/過去ログ1#放送の節は記述過剰ではありませんか?を参照してください。(2016年4月)

人的被害

死傷者等[7][128][129]死者(合計):276 人
直接死:50 人
関連死:221 人
豪雨被害関連死*1:5 人
行方不明者:0 人
負傷者:2,809 人
避難者数*2:183,882 人
被害総額*3:最大4.6兆円
2019年4月12日現在
*1 6月19日から6月25日の豪雨被害で
熊本地震との関連が認められた死者

*2 熊本県の最大時、4月17日9時[130][131]
*3 #推計被害額

熊本地震 死者の内訳 [128][132][133]都道府県市町村直接死災害関連死豪雨災害による関連死計


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