煮物
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「煮炊き」は、おかずを煮たり飯を炊いたりすること[3]。煮て煮物と炊飯をして作る、炊事・料理を指す方言がある。焚く(火で加熱する)・炊く(炊飯など米類を食べられるように煮る)という言葉を、特に西日本で使用することがあり[4]、煮ることを「焚く(たく)」、煮物のことを「たいたん(=焚いた物)」ということがある。
煮かた一覧

煮物は最も一般的な料理であるため、煮る方法によって様々な呼び名がつけられている。

煮込み(にこみ)

比較的大きく切った食材をたっぷりの煮汁で長時間煮た料理。


煮付け(につけ)

最初から少量の汁で甘辛く、煮汁が少し残るまで濃く煮た料理。煮魚に多く用いる。煮染めより短時間。


含め煮(ふくめに)

素材の色や味を生かし、中までしみこませるよう、ゆっくりと弱火で薄目の汁で煮る料理。


煮しめ(にしめ)

野菜や乾物を、日持ちをよくするため、濃い味で汁がなくなるまで煮つめる料理。


煮浸し(にびたし)

薄味の汁でさっと煮て、そのまま煮汁の中で食材を冷まして、また器に盛り煮汁をかけて味をしみ込ませる料理。あくで煮汁の色が悪くなるのを防ぐ。


炊き合せ

複数の食品を、それぞれ別ので煮て、1つにした料理。日本料理調理法[5]それぞれの食材の持ち味を活かした方法で煮あげる。


煮きる

和え物、酢の物など加熱しない料理の場合、みりん、酒などは、アルコール分をとばしてから加える。そのために鍋に入れて煮立てたり、急ぐときやかるく焦して香りを高くするときは鍋をかたむけ、火をいれたりする。


煮詰める

煮汁の水分をとばしつつ味を凝縮させる。


煮転がす

煮くずれしにくい食材を少量の煮汁で焦げ付かないように鍋をゆすりつつ煮詰める。


用語

煮えばな

煮汁が沸騰する直前をいう。味噌汁はこのときがいちばん味噌の香りがして美味であるといい、煮えばなをすくう。


ひと煮立ち

煮汁をいちど沸騰させてからほんのちょっとの間、煮る。


代表的な煮物ぜいたく煮

うま煮

おでん

カレー

昆布巻き

シチュー

ポトフ

ボルシチ

ロールキャベツ

魚類・海藻類

甘露煮

サバの味噌煮

佃煮

煮魚

煮付け

ぶり大根

棒鱈煮 - 山形県で見られる

大和煮

獣肉類

角煮

肉じゃが

野菜類

筑前煮

煮豆

風呂吹き

慣用句

煮て食おうと焼いて食おうと

煮ても焼いても食えない

煮るなり焼くなり

煮えきらない

はらわたが煮えくりかえる

煮しめたような

煮え湯を飲まされる

業を煮やす

?のごった煮

格言・ことわざ

豆の煮方で二度離婚

鱈は馬の鼻息でも煮える

うどの煮えぶとり (たいして役に立たない物に限って量だけは多い。うどの大木と同義)

小豆は莫迦に煮させろ (気長にやったほうがよい事の喩え)

豆腐も煮れば締まる (頼りない者も苦労すればそれなりに根性が据わる)

狡兎死して走狗煮らる (かつて役に立った者も、用済みとなれば捨てられる)

琴を焚いて鶴を煮る (無風流、殺風景のたとえ)

豆を煮るに豆殻を以って炊く (兄弟が相争う比喩)「三国志」

大国を治むるは小鮮を烹(に)るが如し (小魚を煮るときかき廻しすぎたら崩れる。大国は干渉しすぎず鷹揚に治めよ)「老子」

食物以外での煮沸

- 原料となる木材チップを煮て繊維パルプ)を取り出す[6]

- を煮てをほぐす[7]

殺菌 - 沸騰した熱湯に10分間程度浸す(煮沸消毒)[8]

脚注^土器の煮炊き跡、世界最古=1万4000年前、北海道の縄文式―日欧チーム 時事通信(2013年4月11日)
^ 田村『日本料理の基本』p.93 - 118
^goo
^ デジタル大辞泉
^ 広辞苑第5版
^ “ ⇒紙ができるまで”. 大王製紙. 2016年12月2日閲覧。
^ “ ⇒ムービーシアター”. 日本蚕糸絹業開発協同組合. 2016年12月2日閲覧。
^ 黒田民子. “手づくり食品の保存容器と道具の選び方・煮沸消毒法”. All About. 2016年12月2日閲覧。

参考文献

つきぢ田村〕三代目、田村隆 著『日本料理の基本』新星出版社、2009年、ISBN 978-4-4050-9185-6


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