煙草
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温帯地域を中心に世界でも最も多く栽培されている品種[11][12]

バーレー種 - 葉肉は薄く乾燥した葉は褐色[11][12]。黄色種よりも冷涼な地域で栽培されている品種[11][12]

オリエント種 - 草丈が低く葉も小さい品種[11][12]。主に地中海性気候の石灰岩地帯で栽培され、日本ではほとんど栽培されていない[11][12]

葉タバコの栽培ステージは発芽期、育苗期、茎葉展開期、開花摘芯期、葉肥大期、成熟収穫期からなる[11]。なお、ナス科の植物なので同じ畑で連続して栽培すると連作障害を起こし収量が減る。
発芽期?育苗期[ソースを編集]

タバコの種子は直径約0.5oと非常に小さく粗挽きのコーヒー粉に似ている[11][12]。非常に微細で初期成長も緩慢なため、圃場に直播きせず、ビニールハウス内の親床で育苗してから定植する[11][12]。種子には土が被らないようにし、24?27°Cに保温して水をまき湿潤環境を保てば7?10日で発芽する[11]

発芽から定植までの期間を育苗期といい、発芽20?25日後に親床または育苗箱から健壮な苗を選んで「子床」に移し育苗してから定植する方法と、最初から苗床に播種して7?8枚の葉が展開するまで育てて圃場に定植する方法がある[11]
茎葉展開期?開花摘芯期[ソースを編集]

定植7?10日後に苗が活着すると茎葉展開期となって生育が早くなり、50?60日後には茎の先端部分に花枝が現れ開花期に入る[11]。しかし、葉に充分な栄養を行き渡らせる必要があるため、開花直後に「心止め」と呼ばれる花枝を含む花全体を摘み取る摘芯作業を行う[11][12]
葉肥大期?成熟収穫期[ソースを編集]

摘芯後は葉肥大期と呼ばれ腋芽を随時に摘み取りながら葉の成長を促すと上部の葉が大きく厚く成長する[11]

葉が成熟して黄色に変化し始めると成熟収穫期となる[11]。黄色種では成熟の進行が始まる下位葉から順次着位別(下葉、中葉、合葉、本葉、上葉)に4?5回に分け収穫する[11]。バーレー種も下位葉から順次収穫するが、最後の10数枚の本葉と上葉は茎についたまま幹刈り収穫を行なう[11]

葉たばこ栽培における乾燥は、タンパク質やでんぷんなどがアミノ酸や糖に分解される重要な工程で、葉たばこの種類により乾燥方法は異なる[12]
利用[ソースを編集]

喫煙するための煙草となるほか、薬用や肥料となる。
薬用[ソースを編集]

スペインの医師・植物学者であるニコラス・モナルデス(英語版)は、1571年に『西インド諸島からもたらされた有用医薬に関する書 第二部』を出版し、その中で万能薬として紹介した[13]

ニコチンは、血管を収縮させる効果があり、止血となる[14][15]。葉に鎮痛・解毒・止血作用がある[16]
タバコ屑[ソースを編集]

タバコの葉の屑は、窒素 (N) 1%、リン酸 (H3PO4) 1%、カリウム (K) 5%程度を含み肥料として使われることがある。園芸店やホームセンターで「たばこくず肥料」などの商品名で扱われ、普通に購入可能である。ただし養蚕においてはの施肥中にタバコ屑が加えられると桑にニコチンが残りカイコの飼育に悪影響が出る可能性が富山県告示第244号「肥料取締法第21条の規定に基づく肥料の施用上の注意等の表示命令について」などに示されている。
生産と管理[ソースを編集]

葉タバコは紙巻きたばこなどの原料であり世界各地で生産されている。
葉たばこ生産量[ソースを編集]

FAOの統計によると、全世界の葉たばこの生産量は、635万トン (2002年) であり、全体の3割以上を中国1国で生産している。中国国内では、雲南省貴州省河南省湖南省四川省の順に生産が多い。雲南省の生産量は66万トンと、世界2位のブラジルよりも多い。

大陸別の生産量はアジアが6割、南北アメリカがそれぞれ1割ずつ、ヨーロッパとアフリカが1割弱という比率になる。たばこで有名なキューバの生産量は3.2万トンと数量としては多くない。日本の生産量は約5万トン。主な産地は黄色種が南九州、バーレー種が北東北であり、2004年における生産量の上位は宮崎県熊本県岩手県鹿児島県青森県の順である。
中国 - 239万トン (37.7%)

ブラジル - 65万トン (10.3%)

インド - 58万トン (9.1%)

アメリカ合衆国 - 40万トン (6.4%)

ジンバブエ - 17万トン (2.7%)

トルコ

インドネシア

イタリア

アルゼンチン

ギリシャ

1991年時点の生産量は766万トンであり、約10年間で葉たばこの生産量が100万トン以上減少したことが分かる。当時の生産国を生産量順に並べると、中国・アメリカ合衆国・インド・ブラジル・トルコ・イタリア・ジンバブエ・ギリシャ・インドネシアとなる。最も生産が減少したのは中国の70万トン、次にアメリカの35万トン、トルコの10万トンが続く。上位10カ国のうち、生産が増加したのは、唯一ブラジルであり、約25万トン増えた。アルゼンチンも生産量が増加している。
紙巻たばこ生産量と対比[ソースを編集]

国際連合の統計資料「United Nations Industrial Commodity Statistical Yearbook 2001」によると、2001年の全世界の紙巻たばこの生産本数は5兆4710億本である。葉たばこの最大生産国である中華人民共和国が、紙巻たばこにおいてもシェア 3割を超える最大の生産国となっている。

葉たばこの生産量と比較すると、アメリカ合衆国ロシア日本北欧諸国が原料の輸入国であること、インドネシアギリシャトルコは農業生産と国内の加工業までが一貫していることが分かる。
中国 - 1兆7000億本 (31.1%)

アメリカ合衆国 - 5800億本 (10.6%)

ロシア - 3740億本 (6.8%)

日本 - 2372億本 (4.3%)

インドネシア - 2300億本 (4.2%)

ドイツ

トルコ

イギリス

オランダ

ブラジル

日本での生産[ソースを編集]
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