この節の出典[1][2]
蘇南行署区無錫市
1949年10月1日 - 中華人民共和国蘇南行署区
無錫は江蘇省南部の経済の重要都市である。市の発表によると、2022 年の無錫市の GDP は 1 兆 4,850 億 8,200 万元に達し、比較可能な物価に基づいて前年比 3.0% 増加し、常住人口に基づいて計算した一人当たり GDP は 19 万 8,400 元に達し、市の年間一般財政収入は1133.38億元。
無錫は清代末期に中国で最も早く民族資本が形成された都市のうちの一つであり、現在では外資の誘致でも中国有数の実績を持つ。無錫市は新区に市内最初の経済開発区「新区開発区」を設置したが、現在までにソニー、パナソニックグループ、シャープ、東芝、日立マクセル、村田製作所、コニカミノルタ、ニコン、アルプス電気、住友電工など日系企業や、アメリカのハードディスクドライブ最大手シーゲート社や台湾の家電メーカー東元電機などの大型工場、物流倉庫などが多数稼動している。また隣接する濱湖区にも経済技術開発区を建設し多数の投資を誘致している。
特に無錫と日本との関係は密接で、2003年段階で1,000社を超える企業がすでに進出し、投資総額でも30億ドルに迫る勢いである。これは江蘇省に対する日本からの投資の半分を占め、省都南京をはるかに越え、蘇州を上回り上海に迫るものである。湖などに接する恵まれた自然環境、比較的よい治安、上海の港湾や空港からの近さ、『無錫旅情』(後述)などで日本でも名が知られ、対日感情もさほど悪くないことが要因として挙げられよう。太湖新城の金融街(2020年撮影)
その他台湾、香港、欧米諸国など多くの国からの投資もあり、2002年末までに無錫市が認可した外国からの投資は累計7,000社弱、契約ベースでの投資額は220億ドルに登り、世界各国の有名企業による1億ドルを超える大型案件も多数含まれる。
市の調査(2002年)によれば、現在でも産業の大きな割合(24%)を占めるのが繊維産業で、25%がその他工業であるという。その他伝統産業では、宜興市は大理石、石灰岩、陶土の採掘で知られ、茶器など陶器生産が盛んである。恵山区などでは、土産物の泥人形(恵山泥人)の阿福・阿喜人形などが有名である。農業は、大型工業団地建設など工業化・人口増加に伴い年々耕地が減少しているが、その分、付加価値の高い商品作物にシフトして生産額を高めようとしている。
商業Center 66Center 66
無錫は、中国東部の重要な商業の中心地として、そのユニークな地理的位置と歴史的背景で常に有名である。 無錫の商業発展には長く繁栄した歴史があり、地元の経済社会発展に重要な役割を果たしてきた。大東方百貨店太湖プラザ
無錫の最も初期の商業発展は、春秋戦国時代に遡る。この頃からすでに商業活動が行われており、歴史の進化に伴い、徐々に江南地域の交通の要所および商業の中心地となっていった。無錫は太湖湖畔に位置し、交通が便利で、古くから絹、茶、米などの集散地として栄えてきた。現在は、サービス産業とハイテク産業を中心とする多角的な経済となっている。
長江デルタの中心に位置し、交通の便が良く商品の流通に有利であるという地理的優位性と、豊富な天然資源と文化遺産を有し、商業発展のための独特の条件があること、無錫市政府がビジネス環境の最適化に力を入れており、多くの国内外の投資家や起業家を誘致していることが、商業中心都市としての発展に好影響を与えている。
現在、無錫の商業エリアは梁西区の中山路沿いに集中しており、この道路沿いには茂業百貨店、紅豆万華城、大東方百貨店、蘇寧プラザ、Center 66、ヤオハン、パークソンなどの中国内外の商業小売企業が集まっている。また、崇安寺・南禅寺・南長街は伝統的な商業地である。
1996年に江蘇省初の中外合弁小売企業であるヤオハンが設立され、1997年に中国で2番目の大型外資系スーパーマーケットであるメトロが設立されて以来、外資系商業小売業の集積が進んでいる。無錫は長江デルタ地域では上海に次ぐ第2位の商業都市である。現在では、Center 66、大東方百貨店、無錫ヤオハン、IKEA、ヤオハンセンター、アウトレット、アップルストア、万象城、海岸城、茂業百貨店などがあり、江蘇省や長江デルタ地域有数の商業中心都市の一つとなっている。
交通無錫空港無錫地下鉄無錫駅
無錫は北京?南京?上海の幹線上に位置し、重要な鉄道・道路・水路が通っている。
高速道路は、上海?南京間の滬寧高速公路(??高速公路)、北京?上海間の京滬高速公路(北京から南下し長江を無錫市域内北部の江陰市で渡り、無錫で滬寧高速公路に合流する)、上海から長江沿いを上流へ向かう沿江高速公路(北部の江陰市を通る)などが無錫市域を通る。その後、無錫は南部トンネル高速・宜興までの高速・南通までの高速もある。2023年、錫太高速公路の建設も始まった。
鉄道は、上海?南京間の幹線鉄道、浙江省杭州から北上し無錫市域を南から宜興市、無錫、江陰市を通って長江を渡る鉄道が無錫で交差する他、京滬高速鉄道に無錫東駅が設けられている。京滬線の無錫駅には滬寧城際線も通る。無錫は、江蘇省で3番目に鉄道交通が開通した都市である。
無錫地下鉄は2014年7月1日に最初の路線である1号線が正式に開業し、中国本土で22番目の地下鉄となった。2021年12月現在、無錫地下鉄には4路線(1号線、2号線、3号線第一期、4号線第一期、S1号線)があり、総営業距離は145キロメートル、駅は合計97か所ある。2023年12月迄、4号線第二期、5号線、S2号線と6号線第一期目の建設が進行している。
大運河水運は、大運河にルーツを持つ北京?杭州間の京杭大運河、太湖と長江を結ぶ無錫?江陰間の錫澄運河、市域西部の恵山区と蘇州市の長江の港・張家港を無錫市街の北側で結ぶ錫北運河がある。