無量寿経
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主な引用先…親鸞:『教行信証』、『浄土文類聚鈔』、『愚禿鈔』、『浄土三経往生文類』、『一念多念文意』、『如来二種回向文』、『親鸞聖人御消息(善性本)』、蓮如:『正信偈大意』。


仏説大乗無量寿荘厳経中国語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります。『佛?大乘無量壽莊嚴經』

『仏説大乗無量寿荘厳経』3巻 の法賢(ほっけん)訳…「宋訳」

『大正蔵』第12巻 P318?P326。

原文の経題の表記は、『佛説大乘無量壽莊嚴經卷上』、『佛説大乘無量壽莊嚴經卷中』、『佛説大乘無量壽莊嚴經卷下』 西天譯經三藏朝散大夫試光禄卿 明教大師臣法賢奉詔譯。

略称は、『荘厳経』が用いられる。

阿弥陀仏の本願は、「四十八願」ではなく、「三十六願」である。


欠本とされている7つの異訳本

『無量寿経』2巻 後漢の
安世高訳とされる。

『仏説無量清浄平等覚経』2巻 曹魏の白延訳とされる。

『仏説無量寿経』2巻 西晋の竺法護訳とされる。

『仏説無量寿至真等正覚経』1巻 東晋の竺法力(じくほうりき)訳とされる。

『新無量寿経』2巻 東晋の仏陀跋陀羅訳とされる。[注 7]

『新無量寿経』2巻 東晋の宝雲(ほううん)訳とされる。[注 8]

『新無量寿経』2巻 劉宋の曇摩蜜多(どんまみった)訳とされる。

チベット語訳

経題は『'phags pa 'od dpag med kyi bkod pa zhes bya ba theg pa chen po'i mdo』
[5](聖なる“無量光仏の荘厳”という名の大乗経)。

阿弥陀仏の本願は、「四十八願」より一つ多い「四十九願」である[5]

訳者はデルゲ版、ラサ版、トクパレス写本に至るまで、イェシェーデ、ジナミトラ、ダーナシーラと記されているが、北京版だけがルイギェンツェン(Klu'i rgyal mtshan)とする[5]

三毒段、五悪段がなく、サンスクリット本と同じ形態である[5]

注釈書

ヴァスバンドゥ(世親・天親)造・菩提留支訳 『無量寿経優婆提舎願生偈』(『浄土論』) - 菩提留支による漢訳が現存するのみで、サンスクリット語の原典は発見されていない[9]

曇鸞註解 『無量寿経優婆提舎願生偈註』(『浄土論註』) - 『浄土論』の注釈書であり、『無量寿経』に対する複注釈書[10]


憬興(m興)撰『無量寿経連義述文賛』- 親鸞『顕浄土真実教行証文類』(『教行信証』)において多く引用される。

経典成立時期と編纂者

「仏説[注 9]」とは、釈尊が自ら口で説いた教えのことである。しかし、釈尊の在世時から滅後100年頃までは口伝によって教えである「法」と規則である「」が伝えられる。それら「法」と「律」は、「結集」によって認証確定されていく。そして滅後100年を過ぎた頃に、「法」を集めた「経蔵」と「律」を集めた「律蔵」が成立したものと考えられる[11]。(詳細は、大乗非仏説を参照)。
成立時期などに関する諸説
仏典研究上では、阿弥陀仏に対する信仰は、客観的な資料がとぼしく諸説[12]存在するが、インドおよび近隣諸国の思想の影響下、「釈尊観の展開によるとする説」が有力である。原始仏教以来の釈尊観の発展、および『無量寿経』の法蔵菩薩説話における仏伝の投影から、浄土教は大乗仏教が伝播するに伴う菩薩思想の深化の中で、釈尊観の展開としたものと考えられる。

仏教学者の中村元は、浄土教・浄土経典は部派仏教がいちおう確立したのちに出現したものとする[13]。140年頃かそれ以前には、『無量寿経』・『阿弥陀経』が漢訳されたとする。(『浄土三部経』下を参照。)

信楽峻麿は、釈尊入滅から500年前後には大乗仏教が成立したものと考え、『無量寿経』の成立時期について、釈尊入滅後約500年とし、編纂者は不明とする(信楽峻麿「阿弥陀仏論」P.251を参照)。

藤田宏達は、原始仏教において、阿弥陀仏、極楽浄土の観念、浄土思想が存在しなかったとする。(教学本部編『伝道』29号、80P.を参照)

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 大正15年(1926年)に日本で出版された河口慧海著の『在家仏教』の康僧鎧譯無量壽經の眞相(64頁)の記述などに「五存七欠」の表記がみえる
^ 漢訳…ここでは『仏説無量清浄平等覚経』4巻のことを「漢訳」と略称する。後漢の時代の訳の意。
^ 『大無量寿経』…法然『選択本願念仏集』、親鸞『顕浄土真実教行証文類』などで『大無量寿経』の語を用いている。(『選択本願念仏集』岩波文庫、P.168、『教行信証』岩波文庫、P.29を参照。)
^ 貪欲(とんよく)、瞋恚(しんに)、愚痴(ぐち)。
^ 殺生(せっしょう)、偸盗(ちゅうとう)、邪淫(じゃいん)、妄語(もうご)、飲酒(おんじゅ)。
^ 唐の菩提流志(ぼだいるし)…北魏の菩提流支とは別人
^ 康僧鎧訳とされる魏訳『仏説無量寿経』がこれに当たるとされる[5]


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