無線LANの大衆普及に伴い、無線LANアクセスポイントの高機能化が進み、様々な場面で利用されることが増えた。しかし無線の特性上、企業向けなどの大規模なネットワークの構成時には機器を多数設置する必要があることから、家庭向けの高機能な単体機器では管理・メンテナンス性や耐障害性等の問題が生じることもある。そのため無線LANスイッチ(無線LANコントローラ)を使用して集中管理を行い、無線LANアクセスポイントは極力単純な設計のもの(シンアクセスポイント)が選択されることもある。 1992年(平成4年)に小電力無線局の一種、小電力データ通信システムの無線局として制度化[29]された。小電力無線局は免許不要局の一種で、無線局の免許は不要だが、適合表示無線設備を使用しなければならない。そのため技術基準が規定[30]され、技術基準適合証明の対象[31]ともされた。また、電気通信回線に接続するものは電気通信事業法令上の端末機器として技術基準適合認定も要する。 小電力データ通信システムの無線局として必要な表示は小電力データ通信システム#表示を参照 技適マークがなければ日本国内で使用してはならない。また、技術基準にはアンテナ系を除き「容易に開けることができないこと」とあり、特殊ねじなどが用いられているので、使用者は改造はもちろん保守・修理のためであっても分解してはならない。国内向けであっても改造されたものは、技術基準適合証明が無効になるので不法無線局となる。詳細は「技適マーク#規制事項」を参照 ISMバンドを用いる高周波利用設備
各国の法規制
日本
電波法
法的にはVICS (ETC)・一般用RFID・アマチュア無線局機器など、無線局免許状・無線局登録を受けて運用する無線局からの有害な混信に対しては、異議・排除を申し立てる権利は一切無く、逆に使用中止を要求されたら、利用者は従わねばならない。近年では医療機器の通信など重要な用途にも使われていることから[33]、無線LANが公共用途である場合は無線LANが優先され、最終的には当事者間の話し合いで解決しているのが現状である[34]。
無線LANと同等の小電力無線局として小電力用RFID、2.4GHz帯デジタルコードレス電話、模型飛行機のラジコン、マルチコプター、Bluetoothなどがあり、これらに対しては先に使用しているものが優先するが、実際には混信を完全に回避できるものではない。特に都市部ではコンビニエンスストアに設置された大出力の業務用電子レンジ、公衆無線LANなどが多数あり混信の回避は不可能に近い[35][36]。
別ネットワークの複数機器がアクセスポイント等でチャネルが重なると、スループット低下などの影響を受けるため、対応策として電波法の規定を超えた出力の無線LAN機器の違法販売も行われていたが[37]、スマートアンテナやビームフォーミングなど、出力を上げずに電波干渉を抑制する技術の導入や、5GHz帯の普及で下火となった。 2009年(平成21年)5月、アマチュア無線局JF1DQIが5.6GHz帯、10.1GHz帯、24GHz帯においてIEEE 802.11b/g方式の無線LANをアマチュア業務として運用できる無線局免許状を与えられた。設備は一般的に市販されているUSB無線LANアダプタで外部アンテナ端子がある機種(2000円以下)を用い、そのアンテナ端子にトランスバーター(周波数変換を行う機器)を接続し5.6GHz帯、10.1GHz帯、24GHz帯での運用を可能にしている。 アマチュア無線では、暗語の使用や秘匿性のある無線設備は認められていない[注 2][注 3]ため、暗号化技術であるWEP・WPAの設定などをせず、無線局を運用することが条件として求められた。アマチュア無線で使用できる周波数帯には2.4GHz帯もあるが、この周波数帯での運用は、一般的に使用されている「無線LANとの誤接続の可能性がある」として許可されなかった。マイクロ波における遠距離および高速データ通信の実験を目指している。この局以外にも、首都圏で数局が無線局免許状の申請を準備している[38]。 アメリカでは連邦通信委員会 (FCC)が無線LAN網についての管理を行っている[39]。
アマチュア無線における無線LAN
アメリカ