無線LAN
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通信速度はIEEE 802.11jで最大54Mbps、IEEE 802.11j/nで最大100Mbps以上となっている(いずれもベストエフォート)[19]ほか、次世代のIEEE802.11j/acに対応するシステムも登場している[20]。なお使用する際には無線局の免許を取得する必要がある[19]

広大な工事現場・農場・工場[21]などの構内LANや、離れた施設間を繋ぐLAN回線[22][23]、自治体[24][25]・自治会[26]などの自営無線IP通信、ADSL・光回線を引くことが困難な地域で提供されている無線インターネット回線「スカイネットV」・「宜野座村ブロードバンドサービス 宜野座BB」[27]、ワイコム[28]「Air5G」などで使用されている。
企業などでの利用

無線LANの大衆普及に伴い、無線LANアクセスポイントの高機能化が進み、様々な場面で利用されることが増えた。しかし無線の特性上、企業向けなどの大規模なネットワークの構成時には機器を多数設置する必要があることから、家庭向けの高機能な単体機器では管理・メンテナンス性や耐障害性等の問題が生じることもある。そのため無線LANスイッチ(無線LANコントローラ)を使用して集中管理を行い、無線LANアクセスポイントは極力単純な設計のもの(シンアクセスポイント)が選択されることもある。
各国の法規制
日本
電波法

1992年(平成4年)に小電力無線局の一種、小電力データ通信システム無線局として制度化[29]された。小電力無線局は免許不要局の一種で、無線局免許は不要だが、適合表示無線設備を使用しなければならない。そのため技術基準が規定[30]され、技術基準適合証明の対象[31]ともされた。また、電気通信回線に接続するものは電気通信事業法令上の端末機器として技術基準適合認定も要する。

小電力データ通信システムの無線局として必要な表示は小電力データ通信システム#表示を参照

技適マークがなければ日本国内で使用してはならない。また、技術基準にはアンテナ系を除き「容易に開けることができないこと」とあり、特殊ねじなどが用いられているので、使用者は改造はもちろん保守・修理のためであっても分解してはならない。国内向けであっても改造されたものは、技術基準適合証明が無効になるので不法無線局となる。詳細は「技適マーク#規制事項」を参照

ISMバンドを用いる高周波利用設備からは、有害な混信を容認しなければならない[32]。最も普及している2.4GHz帯の機器の場合、稼働中の電子レンジの付近では、通信に著しい影響が出たり通信不能に陥る。

法的にはVICS (ETC)・一般用RFIDアマチュア無線局機器など、無線局免許状・無線局登録を受けて運用する無線局からの有害な混信に対しては、異議・排除を申し立てる権利は一切無く、逆に使用中止を要求されたら、利用者は従わねばならない。近年では医療機器の通信など重要な用途にも使われていることから[33]、無線LANが公共用途である場合は無線LANが優先され、最終的には当事者間の話し合いで解決しているのが現状である[34]

無線LANと同等の小電力無線局として小電力用RFID、2.4GHz帯デジタルコードレス電話、模型飛行機のラジコンマルチコプターBluetoothなどがあり、これらに対しては先に使用しているものが優先するが、実際には混信を完全に回避できるものではない。特に都市部ではコンビニエンスストアに設置された大出力の業務用電子レンジ、公衆無線LANなどが多数あり混信の回避は不可能に近い[35][36]

別ネットワークの複数機器がアクセスポイント等でチャネルが重なると、スループット低下などの影響を受けるため、対応策として電波法の規定を超えた出力の無線LAN機器の違法販売も行われていたが[37]スマートアンテナビームフォーミングなど、出力を上げずに電波干渉を抑制する技術の導入や、5GHz帯の普及で下火となった。
アマチュア無線における無線LAN

2009年(平成21年)5月、アマチュア無線局JF1DQIが5.6GHz帯、10.1GHz帯、24GHz帯においてIEEE 802.11b/g方式の無線LANをアマチュア業務として運用できる無線局免許状を与えられた。設備は一般的に市販されているUSB無線LANアダプタで外部アンテナ端子がある機種(2000円以下)を用い、そのアンテナ端子にトランスバーター(周波数変換を行う機器)を接続し5.6GHz帯、10.1GHz帯、24GHz帯での運用を可能にしている。

アマチュア無線では、暗語の使用や秘匿性のある無線設備は認められていない[注 2][注 3]ため、暗号化技術であるWEP・WPAの設定などをせず、無線局を運用することが条件として求められた。アマチュア無線で使用できる周波数帯には2.4GHz帯もあるが、この周波数帯での運用は、一般的に使用されている「無線LANとの誤接続の可能性がある」として許可されなかった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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