無人偵察機
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しかし、2018年現在の英語圏では特に無線操縦機と区別して、自律性を持つ機体をドローンと呼んでいる場合もある[4][5]。あくまで用法による呼称であり、ドローンという呼称自体は一般に誤解されるようなクワッドコプターなどの「形」を指す物では無い。そのため、飛行機型やヘリコプター型は勿論、陸上を走るものや水中を進む物も、ドローンの用途であれば「ドローン」である。「クワッドローター」および「マルチコプター」も参照
法的規制

この節は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。
「en:Regulation of unmanned aerial vehicles」も参照

従来の航空法では目視で操縦するラジコンが想定されていたが、2010年代以降安価なマルチコプターが市販されるようになると、空撮中の墜落[6]空港への侵入、目視出来ない距離での飛行[7]などの問題が発生するようになった。またメーカーが開発する際にも法的なトラブルが発生した。イギリスでは、現行の法律上、国内に軍用無人航空機の試験飛行ができる場所がなかったため、タラニス(英語版)の技術者や機体をオーストラリアに派遣して試験飛行を行っている。ドイツでは、1,300億円をかけたアメリカグローバル・ホークを元にした無人機開発の計画があったが、ドイツ国内およびヨーロッパ各国で、法的に飛行が不可能であることが発覚したため、開発が破綻している[8]。これらの問題に対処すべく、各国で法規制が検討された[9][10]

日本では2015年12月10日施行の改正航空法で「無人航空機」が定義された。「航空の用に供することができる飛行機回転翼航空機滑空機飛行船その他政令で定める機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(100g未満の重量(機体本体の重量とバッテリーの重量の合計)のものを除く)」となっている[11]。従来のラジコン飛行機やラジコンヘリなども、そのほとんどが「100g以上で遠隔操作や自動操縦が可能な無人飛行体」として無人航空機に含まれる。なお、単純なゴム動力飛行機などは、重量の面や遠隔操作や自動操縦が不能なことから無人航空機の定義には含まれない[11]。また、最大離陸重量150kg以上の無人の航空機は、本法における無人航空機ではなく通常の航空機に近い「無操縦者航空機」として扱われ、求められる資格や適用される法が異なる。

その他、同改正航空法により、無人航空機の飛行ルールが定められた[12]。また、2016年(平成28年)4月7日施行の小型無人機等飛行禁止法により、内閣総理大臣官邸をはじめとする国の重要施設、外国公館や原子力事業所などの周辺地域の上空でドローン等を飛行させることが禁止されている[13]。当該法は、無人航空機「等」とされているように、多くの航空法が適用されないケースが多い100g以下の「模型航空機」も当該法に含まれるため、注意が必要である。加えて、2021年の航空法施行規則改正によって災害時に緊急用務空域が設定されるようになり、許可を得ていない無人航空機等は当該空域内の飛行が禁止されている。詳細は「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律」および「緊急用務空域」を参照

操縦資格に関しては、無人航空機操縦者技能証明の制度が2022年12月より開始した。「マルチコプター#法規制」も参照
概要ネットで回収されたRQ-2 パイオニア神戸メリケンパークで飛行するスウィフト020

固定翼機と回転翼機の両方で用・民間用いずれも実用化されている。

プログラムによる自律飛行、一部を自動化する半自律飛行を備えた機体もあるが、多くは遠隔操作(主に無線)によって操縦する。衛星回線を利用すれば目視できない遠隔地でも操縦できるが、タイムラグが大きくなる。プログラムによる飛行では単に設定された航路を辿るだけでなく、GPSなどの援用で位置を修正する機種も実用化されているが、姿勢や航路を維持したり衝突する前に静止する半自律飛行[14]や、人工知能などを利用し外界を認識することで完全自律飛行させる技術等は研究段階である。

有人機に比べ信頼性に劣り衝突回避も難しいため、運航管理や衝突回避の研究が行われている[15]

動力は大きな機体ではガスタービンエンジンレシプロエンジンなど有人機と同じ物を搭載するが、軽量な小型機では電動式も存在する。

巡航ミサイル弾道ミサイルは技術的に類似しているが、通常は無人航空機には含まない。

旅客機に採用されているオートパイロットは技術的に重複する部分が多い[16]。この他にも研究用として有人機に無線操縦装置を搭載した機体が多数開発されている。

固定翼機では離着陸時に地上を滑走するものが多いが、小型の機体ではトラックの荷台に載せたカタパルトから打ち出すものや、さらに小さな機体では手で投げるものもあり、回収方法も小型のものではネットで受けたり地上のワイヤーに機体のフックを引っかけて回収する機種もある[17]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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