無人ステルス機の研究も進められている。RQ-3 ダークスターやX-47のような実験機を経て、RQ-170 センチネルが実戦に参加していると推測される。ただし、機密が多く詳細は明らかではない。
戦場で劇的な革命を起こすと予想される自立戦闘型無人機は、開発ハードルが高いため、自立型戦闘型と遠隔操作型無人機の中間の存在として、ロイヤルウィングマン無人機が各国で計画されている[27]。これは有人戦闘機と連携して任務を遂行する無人機で、MQ-28などすでに初飛行に成功した機体も開発されている[28]。
問題点
パイロットの負担MQ-1Cの操縦者
大型機は衛星経由で遠隔操作が可能であるため、操縦員は地球の裏側の本国の基地内で、スクリーンを見ながら操縦していることも多い。このような無人機の運用は、操縦者が人間を殺傷したという実感を持ちにくいという意見がある[29][30]。この場合は長期間戦地に派遣されることもなく、定時で任務を終えれば、そのまま家族のいる自宅に帰るのである。「ミサイルを発射して敵を殺す戦場」と「息子のサッカーの試合を見に行く日常」を毎日行き来する、従来の軍事作戦では有り得ない生活を送ることや、敵を殺傷する瞬間をカラーテレビカメラや赤外線カメラで鮮明に見ることが無人機の操縦員に大きな精神的ストレスを与えているという意見もある[31]。
国際政治学者のP・W・シンガーによると、無人機のパイロットは実際にイラクに展開している兵士よりも高い割合で心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症している[32]。
また、無人機の活用を推し進めるアメリカ軍では、無人機を操縦する兵士の負担が増している。有人機の操縦士に比べて無人機の操縦士は酷使されており、年間平均飛行時間は有人機では200-300時間だが、無人機では900-1,100時間にも上る。また、労働時間は平均で1日14時間、週6日勤務となっている。人手も不足しており、軍ではこれまで士官しか成れなかったパイロットに下士官も登用している[33][34]。 完全な自律機動ではない機体の場合、常に操縦側との通信が必要となるが、これは比較的簡単に妨害、あるいは傍受が出来る。アメリカ軍の運用するプレデターが撮影した映像が、ターリバーンによって傍受されていた例もある。ただし、多くの電波が行き交う都市部などでは、無人航空機の動作を意図的に妨害したり、無人航空機の位置を特定することは難しく、また莫大な費用がかかる[35]。 悪意ある使用者による盗撮や、操縦ミスによる事故、テロへの使用も懸念されている。特にテロへの利用は、アメリカの国防総省や、国土安全保障省なども警戒している。 2013年12月12日、アルカイーダ系武装組織の活動が活発であったイエメンにて、アメリカ軍の無人攻撃機が結婚式へ向かう車列を誤爆。14人が死亡、24人が負傷した[36]。 2014年には、フランスの原子力発電所上空で、小型無人機による違法飛行が繰り返される事件が発生した。フランス国防安全保障事務局
通信の傍受
無人機による事故やテロ
2015年1月には、アメリカの政府職員が、個人所有のDJI製ドローンの操作を誤り[38]、ホワイトハウスの敷地内に墜落させる事故が発生、周囲一帯が封鎖される騒ぎとなった[39]。更には同年の4月にも日本の首相官邸の屋上で放射性物質を載せた同機種が墜落した状態で発見される事件も起こっている。詳しくは首相官邸無人機落下事件を参照。2017年には同機種などの商用無人機に爆弾を搭載してシリア・イラクでテロリストに使用される事例が多数報告されて問題となった[40][41][42]。また、多くの電波が行き交う都市部では、無線の混線を引き起こし、意図しない動作が起きる可能性もある[35]。
2017年5月18日には中国海警局の船舶が尖閣諸島の日本領海に侵入し、無人機を飛行させたため、自衛隊のF-15がスクランブルし、領空侵犯と認定された[43][44]。
2024年3月には横須賀基地ドローン侵入撮影事件が起こっている。 分類のためのいくつかの観点について述べる。
分類