点字
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

1965年(昭和40年)に三宅精一が考案し、1967年昭和42年)3月18日に現在の岡山県岡山市中区国道250号線原尾島交差点に整備されたのが始まりとなっている[19]

点字ブロックには2種類あり、進行方向を示す直線上の誘導ブロック(線状ブロック)と、危険箇所や誘導対象施設等の位置を示す点状の警告ブロック(点状ブロック)とがある[19]

当初は点字ブロックについての統一された決まりはなかったが、2001年(平成13年)に日本工業規格(JIS)によりJIS T9251(視覚障害者誘導用ブロック等の突起の形状・寸法及びその配列に関する規定)が定められた[19][20]2012年(平成24年)にはこれをもとに国際規格が定められ、世界に広まることになった[19]

自治体が従う規定としては「視覚障害者誘導用ブロック設置指針・同解説」や「道路の移動円滑化整備ガイドライン」がある[19]
触地図詳細は「触地図」を参照
シャンプー容器のきざみ

シャンプーリンス等を間違えないように、シャンプー(一部シャンプー、リンス混合液)容器の側面(一部頂部)に付けられた線状の突起部分。この刻みが入った容器をきざみ入り容器と呼び、刻みそのものは識別リブという。開発したのは花王で、1991年7月に実用新案を出願した。だがその後花王は出願を取り下げ業界各社に働きかけたため、現在では国内販売のほとんどのシャンプー容器に刻みが入っている[21]
飲料用紙パック容器牛乳パック扇状切欠き

500ミリリットル以上の屋根型牛乳紙パック(種類別名称が「牛乳」のもの)は、開け口の反対側上部に扇状切欠きが1個、ジュースは2個ある(販売会社によっては存在しないものもある)。

「缶ビール・缶入り酒類への点字表示」「シャンプー/リンスの識別」も含め、JIS規格で「JIS S 0021 高齢者・障害者配慮設計指針 - 包装・容器」として2000年10月20日に制定された。
紙幣の凹凸

日本銀行券の隅には凹凸があり、区別できるようになっている。

ただし、実際には流通過程での損傷があったり、湿っていたりすると触覚では認識困難となるため、紙幣の長さを比較して金種の区別をする視覚障害者が多い。

発行年券名(図案)凹凸の位置と形状凹凸の紋様
1984年D千円券(夏目漱石)位置 : 左下
形状 : ドーナツ型のエンボス加工1つ。点字の「あ」などと同じ。
D五千円券(新渡戸稲造)縦に2つ。点字の「い」などと同じ。
D壱万円券(福澤諭吉)横に2つ。点字の「う」などと同じ。
2000年D弐千円券位置: 右下と左下
形状 : 印刷円形のものが縦に3つ。点字の「に」と同じ。
2004年E千円券(野口英世)横一文字
E五千円券(樋口一葉)八角形
E壱万円券(福澤諭吉)L字型

プリペイドカードの端の切り欠き

カードの挿入方向や表裏を区別できるように、プリペイドカードには切り欠きがある。切り欠きが右側の辺の手前に来るように持った場合、上が表であり、左側が挿入方向である。テレホンカードは扇状、鉄道やバスなどの乗り物は三角、買い物用のカードは四角の切り欠きとなっており、種類の識別も可能。1996年には、JIS規格で標準化された(JIS X 6310 : プリペードカード 一般原則)。
「宅急便」不在配達通知票

ヤマト運輸が考案。「クロネコヤマトの宅急便」にちなみ、カードの端に「ネコの耳」を表す2つの連山形刻み目が付けられている。
普及状況

点字そのものはかなり普及してきている。ただし、視覚障害者が全て点字を解するわけではない。点字を完全に使いこなしている人は視覚障害者のうちの一部である。特に、後天的に視覚障害者となった人の中には点字が全くわからない人や、読むのに時間がかかる人などが少なくない。そのため点字だけではなく音声案内など他の情報伝達手段も重要である。ATM自動券売機などでも、点字に加えて音声案内機能を持ったものがある。一方で点字ディスプレイなどの点字電子機器類は高額なものが多い。近年では3Dプリンターを流用した点字の取り組みがなされている。
Unicode.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}この節には、一部のコンピュータや閲覧ソフトで表示できない文字(点字)が含まれています(詳細)。

UnicodeではU+2800 (⠀) からU+28FF (⣿) までに点字記号が割り振られている。Unicodeのコードチャートの例示字形では、8点点字が示されている。しかし、6点点字がないわけではなく、6点点字として使用する場合は、一番下の2つの点は無視して最初の64個のコードポイントU+2800 - U+283Fのみを使用する。

U+0123456789ABCDEF
2800????????????????
2810????????????????
2820????????????????
2830????????????????
2840????????????????
2850????????????????
2860????????????????
2870????????????????
2880????????????????
2890????????????????
28A0????????????????
28B0????????????????
28C0????????????????
28D0????????????????
28E0????????????????
28F0????????????????

機器
点字器

点字器とは点字用紙を板に固定し、重ねておかれた点字定規に点筆を当てて、紙の裏から点字を打ち込むものである[16]。点字はタイプライターやデジタル機器の普及以前は「点字器」を使って「手書き」するのが一般的であった。現在でも機器自体が安価[注釈 3]となっているため、小規模な書類作成や、点字教育の現場などでは使われている。



点字器

点字定規

小型点字器を使う様子

点筆を当てる様子


点字用紙

標準点字用紙とも言われ、日本では主に変形B5版と呼ばれる、日本点字図書館で販売されている点字用紙サイズは、標準サイズが258mm×191mm、寸長サイズは270mm×191mmとなっており、これは点字文書を作成後に糊などで製本するための糊代が取られているためである。厚さは薄点(うすてん、90kg)、中点(ちゅうてん、110kg)、厚点(あつてん、135kg)の3種類(重量の単位は連量)。紙質は一般の上質紙である。
点字タイプライターブリスタ。主に盲ろう者向けの情報保証に用いられる。(2004年11月 日本ライトハウス祭で)

タイプライターといっても通常のもののようにキーが文字の数だけ並んでいるわけではなく、点字の6つの点それぞれに対応したキーが6つあるのみである。以下のような製品が主に普及している。

ライトブレーラー(日本 : 弘誓社製) - レールに乗ったカニのような見た目(立方体の本体から左右3本ずつのキーがまるでカニの足のように伸びている)と用紙にセットしたレール部を点字を打つごとに本体がカニのように横歩きすることから、通称カニタイプと呼ばれる。小型で軽く安価だが、キーの配列が実際の点字とは逆(つまり点字器などと同じく紙裏から打ち込むタイプ)の点位置なので、打った点字の確認は本体をはずして紙を裏返さないと行なえなかった。タイプライターと言うよりも、6点同時に打ち込むことができる点字器と言えなくもない。

パーキンスブレーラー(アメリカ製) - 見た目はタイプライター然としているが、大きく重く高価。通常のタイプライターと同様、本体上部から用紙をセット・排出する。キー配列は実際の点字同様の感覚で打点が可能なようになっており、また、セットされた用紙の裏側に打点機構があり、紙を繰り出せば機械上部に点の凸面が現れるので、紙の表面に触れるだけで打ち終わった点字が確認でき便利であった。

パソコンの普及に伴い、点字文書作成もパソコンを活用することが一般的になってきている。

なお、右の写真にある「ブリスタ」はドイツのブリスタ・ブレイルテック社製で、テープ状のロール紙に点字を打ち出す、特殊な点字タイプライターである。

なお、点字タイプライターは、福祉機器扱いとされ消費税は課されていない。
点字PDA

6点入力ボタン、点字モニター、無線LAN接続、USB接続、Bluetoothなどを装備する点字PDAが開発実用化されている。これによって、メモを保存したり、メモリーに保存した原稿をもとに講演したり、GPS受信機を用いたナビゲーションに用いるなどの実験が実施されている。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:75 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef