点字
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なお、Wだけが規則的な位置にないのは、ブライユ点字が考案された時点では、点字はフランス語でほとんど用いられないWを除いた(wは後で、ルイ・ブライユが作った)25文字だけだったからである[8]

A (1)
B (2)
C (3)
D (4)
E (5)
F (6)
G (7)
H (8)
I (9)
J (0)
A-Jは、それぞれ1-9、0と同じである。
K
L
M
N
O
P
Q
R
S
T
A-Jに、3の点を加える。
U
V
X
Y
Z
W
A-Jに、3と6の点を加える。ただし、Wのみ特殊。

アルファベット1文字、あるいは略語などは、外字符をその前に置く。大文字はその前に大文字符を置くが、全て、あるいは途中から全て大文字の場合には、最初の大文字の前に二重大文字符を置く。英単語を表記する場合には、英単語の範囲を外字引用符で囲む。外字符でも外字引用符でも、一続きの語中で英語→日本語と変化する場合(A型、X線、Gift券、など)には、その間に第一つなぎ符を挿入する。

外字符外字引用符大文字符二重大文字符第一つなぎ符
-

その他

上記の基本的な文字以外にも、数式化学構造式楽譜などを(六点点字で)表現した専門的な点字もある(点字楽譜を参照)。また、点字で漢字を直接表現する試みとして、「6点漢字」や8点式の「漢点字」が考案されている。
文法
分かち書き

点字には漢字とひらがな・カタカナの区別がないので、理解しやすいよう文節ごとに1文字分の空白を挿入する。これを「分かち書き」といい、点訳(点字翻訳)における重要な作業の一つである。

また、長い複合語は、3拍以上の構成要素ごとに区切る。これを特に「切れ続き」と呼ぶ。(例 : 「点字図書館」→「テンジ□トショカン」)

なお、段落は2文字分の空白で表す。
実際の発音と点字表記

基本的に、点字は音に忠実に表記する。実際の表記は、概ね「現代仮名遣い」に準じるが、下記の違いがある。

ウ段・オ段の長音は長音符(ー)で表記する。これは人名・地名・団体名等の固有名詞も同様である。

例 : 「お父さん(おとうさん)」は「オトーサン」、「東京(とうきょう)」は「トーキョー」となる。

動詞の語尾では「ウ」を用いる。

例 : 「思う(おもう)」は「オモウ」、「言う(いう)」は「イウ」と表記し、「オモー」、「ユー」とはしない。



「現代仮名遣い」で「おお」「こお」等と書く和語については、長音符を用いず、その通りに表記する。

例 : 「大きい(おおきい)」は「オオキイ」、「大通り(おおどおり)」は「オオドオリ」、「大阪(おおさか)」は「オオサカ」となる。



助詞の「へ」「は」は、それぞれ「エ」「ワ」と表記する。

その他の言語での点字「Category:言語別の点字」も参照

アラビア語の点字

ギリシア語の点字

タイ語の点字

チェコ語の点字

中国語の点字

ハングル点字

ハンガリー語の点字

ベトナム語の点字

ヘブライ語の点字

ロシア語の点字

指点字

盲ろう者のコミュニケーション手段の一つとして、両手の人差し指・中指・薬指、計6本の指を点字の6つの点に見立てて指で点字を打つことにより意思を伝達する指点字と呼ばれる方法がある[17]。指点字は、1981年に福島令子が考案[18]し、1989年ストックホルムで開催された第4回ヘレン・ケラー世界会議において英語発表が行われた。

指点字は点字の規則に準じているが、会話用にカスタマイズされている。

例えば、枡空けはなく、間を取る。「。」や「、」などの符は省く、発音の点字を打つ、自分が誰であるか名乗ってから打つ、よく使う言葉は略点字でショートカットが可能、などの喋り言葉ならではの規則がある。

指点字は一人に一人の意思伝達方法。(1) 互いに隣り合って同じ方向を向いて通訳者は盲ろう者の指の甲に自分の指の平を重ね合わせるようにして点字を打つ方式が主流であるが、これに対し、(2) 互いに対面して通訳者の右(左)手の指が盲ろう者の左(右)手の指の甲を打つ方式や、これと同じ互いの指の対応ではあるが、(3) 対面で指の平同士をダンスをするような格好で打つ方式がある。また、(4) 背後から首筋や背中などの体に指で点字を打つ方式もある。

他に盲ろう者のコミュニケーション手段としては、手書き文字や触手話や指文字があるが、指点字はこれらの方法と比べて速く正確に感情まで伝達される特長を持つ。また、指先一本の中で6つの点を識別する点字と異なり指点字は指ごとの識別の点字なので、点字を習得している人は容易に指点字に移行でき、50歳を過ぎてから盲ろう者になった人でも容易に習得ができるなどの優れた特長をあわせ持つ。しかし、手話通訳のように一人の通訳者で複数人に同時に意思伝達することができなく、一度に多くの盲ろう者に意思伝達するには盲ろう者一人に指点字通訳者一人の環境が必要なために、多くの労力と経費がかかる欠点がある。

このために、指点字は優れた意思伝達方法にもかかわらず全ての盲ろう者にサービスを提供することは人手に限界があった。この欠点を解決する方法として指点字の機械化が進んでいるものの、マーケットは盲ろう者が日本で1万3千人と狭く事業化も困難を極めている。上記 (1)(2) の方式としては「指こん」、上記 (3) の左右の手を交差しない方式としては「ユビツキィ」、上記 (4) の方式としては入力が指点字で出力が体表点字の「ボディブレィル」という製品名の指点字機器がある。

中でもイーグルタイプのユビツキィは発話障害者の音声合成、聴覚障害者筆談、視覚障害者の読み書き記憶、肢体障害者の文字決定発話装手段として、さまざまな障害者が健常者を含めて互いに助け合う仕組みを築いた製品で、盲ろう者のマーケットを救うユビツキィには自分の障害だけではなく、相手の障害を思いやる製品の設計思想がある。このユビツキィのような指点字の機械化により、指点字は全ての障害者と健常者を結ぶ共通言語として普及する。
点字に似ているもの

点字ではないが、視覚障害者に対するバリアフリー、あるいはユニバーサルデザイン(共用化)の一環として、下記のような配慮が行われるようになっている。
視覚障害者誘導用ブロック(黄色い点字ブロック)視覚障害者誘導用ブロック詳細は「視覚障害者誘導用ブロック」を参照

点字ブロックが最初に設置されたのは日本である。1965年(昭和40年)に三宅精一が考案し、1967年昭和42年)3月18日に現在の岡山県岡山市中区国道250号線原尾島交差点に整備されたのが始まりとなっている[19]

点字ブロックには2種類あり、進行方向を示す直線上の誘導ブロック(線状ブロック)と、危険箇所や誘導対象施設等の位置を示す点状の警告ブロック(点状ブロック)とがある[19]

当初は点字ブロックについての統一された決まりはなかったが、2001年(平成13年)に日本工業規格(JIS)によりJIS T9251(視覚障害者誘導用ブロック等の突起の形状・寸法及びその配列に関する規定)が定められた[19][20]2012年(平成24年)にはこれをもとに国際規格が定められ、世界に広まることになった[19]

自治体が従う規定としては「視覚障害者誘導用ブロック設置指針・同解説」や「道路の移動円滑化整備ガイドライン」がある[19]
触地図詳細は「触地図」を参照
シャンプー容器のきざみ


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