点字
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点字器とは点字用紙を板に固定し、重ねておかれた点字定規に点筆を当てて、紙の裏から点字を打ち込むものである[16]。点字はタイプライターやデジタル機器の普及以前は「点字器」を使って「手書き」するのが一般的であった。現在でも機器自体が安価[注釈 3]となっているため、小規模な書類作成や、点字教育の現場などでは使われている。



点字器

点字定規

小型点字器を使う様子

点筆を当てる様子


点字用紙

標準点字用紙とも言われ、日本では主に変形B5版と呼ばれる、日本点字図書館で販売されている点字用紙サイズは、標準サイズが258mm×191mm、寸長サイズは270mm×191mmとなっており、これは点字文書を作成後に糊などで製本するための糊代が取られているためである。厚さは薄点(うすてん、90kg)、中点(ちゅうてん、110kg)、厚点(あつてん、135kg)の3種類(重量の単位は連量)。紙質は一般の上質紙である。
点字タイプライターブリスタ。主に盲ろう者向けの情報保証に用いられる。(2004年11月 日本ライトハウス祭で)

タイプライターといっても通常のもののようにキーが文字の数だけ並んでいるわけではなく、点字の6つの点それぞれに対応したキーが6つあるのみである。以下のような製品が主に普及している。

ライトブレーラー(日本 : 弘誓社製) - レールに乗ったカニのような見た目(立方体の本体から左右3本ずつのキーがまるでカニの足のように伸びている)と用紙にセットしたレール部を点字を打つごとに本体がカニのように横歩きすることから、通称カニタイプと呼ばれる。小型で軽く安価だが、キーの配列が実際の点字とは逆(つまり点字器などと同じく紙裏から打ち込むタイプ)の点位置なので、打った点字の確認は本体をはずして紙を裏返さないと行なえなかった。タイプライターと言うよりも、6点同時に打ち込むことができる点字器と言えなくもない。

パーキンスブレーラー(アメリカ製) - 見た目はタイプライター然としているが、大きく重く高価。通常のタイプライターと同様、本体上部から用紙をセット・排出する。キー配列は実際の点字同様の感覚で打点が可能なようになっており、また、セットされた用紙の裏側に打点機構があり、紙を繰り出せば機械上部に点の凸面が現れるので、紙の表面に触れるだけで打ち終わった点字が確認でき便利であった。

パソコンの普及に伴い、点字文書作成もパソコンを活用することが一般的になってきている。

なお、右の写真にある「ブリスタ」はドイツのブリスタ・ブレイルテック社製で、テープ状のロール紙に点字を打ち出す、特殊な点字タイプライターである。

なお、点字タイプライターは、福祉機器扱いとされ消費税は課されていない。
点字PDA

6点入力ボタン、点字モニター、無線LAN接続、USB接続、Bluetoothなどを装備する点字PDAが開発実用化されている。これによって、メモを保存したり、メモリーに保存した原稿をもとに講演したり、GPS受信機を用いたナビゲーションに用いるなどの実験が実施されている。
点字ディスプレイドイツの8点点字対応の点字ディスプレイ点字ディスプレイ」を参照
作品にみられる点字
小説


江戸川乱歩 - 『二銭銅貨』で点字を元にした暗号を主題にした。

ゲーム


ポケットモンスターシリーズ

ポケットモンスター ルビー・サファイア・エメラルドゲームボーイアドバンス

ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン(ゲームボーイアドバンス)

ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイアニンテンドー3DS

ゲーム作品世界の中では「古代文字」として扱われている。日本点字図書館監修のもと、点字表がパッケージに同封または公式サイトに掲載されており[23]、この点字表と照らし合わせて、さながら暗号を解読するように謎を解く場面がある。この点字は画面上のものであり、実際の点字のように視覚障害者に向けての役割は果たさないが、点字の成り立ちと「点字を通してゲーム内での発見を現実世界での発見に繋げて欲しい」という旨の作り手の願いがつづられている。
映画


夏の光、夏の音 - 主人公の一人が視覚障害者であり、日常のコミュニケーション手段として点字を利用しており、点字が物語における重要な役割を果たしている。

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 現在、アサヒビールの缶製品に、「びーる」の刻印はない(2001年1月より「おさけ」の表示に変更)。
^ a b c 当該記号が改行前の場合、空白は不要である。
^ 一例 : 音声点字タイプライター BraiTalker アドバンス 本体・専用液晶表示器(株式会社ラビット製造)希望小売価格合わせて79,800円[22]に対して、標準型点字盤 S-18型(2行定規・点筆付属)(パイオニアグッズ株式会社製造)価格8,960円

出典^ 『新明解国語辞典』(第5版)三省堂、2001年3月1日。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-385-13104-X。 
^ “お酒の缶のふたに点がうってありますが、これはなんですか? サントリーお客様センター - Suntory”. サントリーホールディングス. 2019年6月30日閲覧。
^ “缶ぶたの点字は、何と書いてあるのですか? 。お客様相談室 。アサヒビール”. アサヒビール. 2019年6月30日閲覧。
^ “ ⇒製品案内|点字案内板|サン工芸”. サン工芸. 2019年6月30日閲覧。
^ a b “ ⇒著作権問題の今 。社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合”. nichimou.org. 2020年5月2日閲覧。
^ “点字の歴史(誕生編)|「点字とはなんぞや?」というお話 番外編 ? tech4all”. 2020年5月2日閲覧。
^ a b c 谷合侑『盲人福祉事業の歴史』明石書店、1998年4月20日。ISBN 4750310379。 
^ a b c d 山口芳夫『愛の点字交響楽』うらべ書房、1988年11月3日。 
^ 『新装版 点字・点訳基本入門』産学社、2011年、10頁。 
^ “点字毎日 。毎日新聞社”. 毎日新聞社. 2019年7月1日閲覧。
^ 森田, 昭二. “中村京太郎と点字投票運動―『点字大阪毎日』の論説と記事を通して―” (PDF). 関西学院大学. 2019年6月30日閲覧。
^ 青柳英治『ささえあう図書館』(初版)勉誠出版、2016年1月29日、143頁。ISBN 9784585200390


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