様々な火や炎の温度は次の通りである。 火の利用は、大きくは二つに分けられる。一つは光源であり、その炎から発する光を利用するものである。もう一つは熱源であり、燃焼による発熱を利用するものである。もっとも古い火の利用は、おそらく焚き火の形であり、これはその両方に利用された。現在でもキャンプにおける重要な事項の一つが焚き火の確保である。 人類がいつごろから火を使い始めたのか、はっきりした事は解っていない。人類が突如、火起こしをはじめたとは考えにくいため、初期の火は落雷や山火事によって燃えている木の枝などを住居あるいは洞窟に持ち帰り、火種として保存していたと考える人も多い[16]。現在、火を使用した痕跡として発見されている最古のものは、南アフリカ、スワルトクランス洞窟の160万年前、東アフリカのケニア、チェソワンジャ遺跡の140万年前、エチオピアのミドル・アワシュ、イスラエルのゲシャー・ベノット・ヤーコブ炉跡といったものがある。この時代の人類はホモ・エレクトスと云われており、一説にはホモ・ハビリスまでさかのぼることができるという人もいる[17]。また北京原人の発見地では、非常に厚い灰の層が発見されており、火を絶やさぬように燃やし続けたためではないかとの説もある[要出典]。 ごく初期には焚き火がそのまま光源として用いられたと思われる。その薪を持ち上げれば松明になり、この二つが人工的な光源としては最古のものだと考えられている[18]。その後明かりの燃料としては油が使われるようになり、ランプや行燈などは昭和初期までは現役であった。他に蝋燭も明かり用の火を作るもので、これは現在でも停電時に重宝する。近代に入ると、1792年にウィリアム・マードックがガス灯を発明し、19世紀初頭にはヨーロッパで普及した[19]。また19世紀中盤には石油の増産と精製技術の向上によって、それまでの鯨油に替わって石油が照明用油の主力となった[20]。 現在では明かりの主力は電気であるが、蝋燭は宗教行事では多用する上、薪能のように松明の明かりの雰囲気を楽しむ例もある。 生活用熱源としての火の利用は、暖房と調理が主なものだった。たき火は暖を取るためにも使えるが、炎が大きいとあまり近寄ることができない。むしろ炎が小さくても長くじっくり燃える小さな火が望ましい。燃えても炎が出ない炭はそのために有効だったと考えられる。さらに火を弱く長持ちさせるために灰に埋める方法がとられた。 部屋全体を暖かくするような暖房には、より激しく燃える火が必要になる。しかし室内で炎が上がるのは危険なので、火を閉じこめた上で激しく燃やすためにストーブや暖炉が作られた。液体燃料や気体燃料は、それを十分安全に供給する仕組みが発達するまでは利用されなかった。現在ではむしろこちらが主力である。電気はこちらではそれほど燃料の代替をしていない。 食物の加工に火を利用するようになったのは山火事などで逃げ損ねた動物の焼けた肉を食べたことなどがあったのではないかといわれている[21]。食物を火で加熱することを覚えたことは、人類にとって重大な進歩だった。単に火を通すことで食味が良くなるだけではなく、それまで生では食べることの困難だった穀物や豆、芋など多くのものが食用可能になり[22]、さらに動物の肉や魚などに火を通すことで寄生虫や病原菌の危険なしにこうした食物を摂取することができるようになった。こうした加熱消毒は現代においても調理の重要な一側面である[23]。土器が出現すると、食材と水を入れて加熱することで煮ることが可能になった。さらに金属器が登場すると食材をより効率的に加熱することが可能となり、油で炒めたり揚げるといった調理法も開発された[24]。 20世紀になると、電磁調理器や電子レンジなどの登場で、火を使わない加熱調理が可能となった。 山火事などで焼けた土地には草原ができ、これは草食動物のエサ場となり、当時まだ狩猟のみに頼っていた人類においては見逃せないほどの食糧供給の増大をもたらした。
酸水素ガスの炎: 2000℃ 以上
ブンゼンバーナーの炎: 1300℃から1600℃[14]
ブロートーチの炎: 1300℃[15]
ろうそくの炎: 1000℃
紙巻きたばこ:
吸い込んでいないとき: 外側で400℃、内側で585℃
吸い込んでいるとき: 内側で700℃
常に内側の方が熱い。
火の利用・用途
火の利用の始まり詳細は「初期のヒト属による火の利用」を参照
光源
暖房
調理
豚のまる焼き
焼き魚
肉を焼く
農業
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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