火薬類は主に、以下のような用途に用いられている。(それぞれの用途ごとに適した種類の火薬類が用いられる。) (狭義の)「火薬」が銃や大砲に利用される場合、急激な燃焼(爆燃)により急激に多量のガスを発生させ、そのガスが銃弾(砲弾)を押し、銃身や砲身内で加速させ、銃口や砲口から出るまでに大きな速度にする(初速度を大きくする)。 (狭義の)火薬が、ロケットの固体燃料として用いられる場合、燃焼ガスがロケット下部の噴射口(ロケットエンジンノズル)から高速で噴射され、その反作用によりロケット(の本体)に推進力が与えられる。(銃や砲と異なり、ロケットの場合は推力が長時間持続する必要があるので、燃焼も長時間持続する必要があり)所定の時間、所定の推力を安定して得るために、ロケット内部の火薬の固まり(グレイン)の断面の形状を(たとえば星型にするなど)最適化することが非常に重要である。 爆薬は「爆轟」によって発生する衝撃波や破片によって周囲の物体を破壊する。爆弾や砲弾、魚雷や手榴弾等の弾頭および弾体・核兵器における爆縮レンズの構成部品として軍事用に用いられる他、発破(はっぱ)として鉱物資源の採掘やトンネルの掘削に用いられる。こうした使用法は黒色火薬時代には爆発力が限られるため限定的な使用にとどまり、19世紀に入って安全で高性能な火薬が多数開発されたことで初めて一般化された使用法である。外国ではビルや野球場のスタンドなどの建造物の解体に際して、内部に爆薬を仕掛け、崩すように一気に解体する手法が行われる。ただし、この方法は日本においては環境基準や、地震に備えるための耐震基準によって建築物が頑強に作られているため実用性がほとんどなく、ほぼ行われることはない。 通常、爆薬に火をつけてもゆっくりと燃えるだけで「爆轟」にはならない。爆薬を起爆するには、雷管や信管を用いて爆薬に衝撃波を与える必要がある。これを応用し、不要な爆発物や不発弾などを専用の爆薬で火薬ごと爆破して処分を行うことが各国の警察や軍により行われている。 ほとんどの火薬(類)は暴発しないよう感度が低く抑えられており、単に火をつけただけでは爆発しないものがほとんどである。そのため、感度が高く爆発力の低い火薬をはじめに小規模に起爆させることによって、本来の目的である高性能火薬を誘爆させるという方法が主に取られている。 導火線、雷管などがあり、爆薬の起爆等に用いられる。 強い光を発生させる目的の特殊火薬。黒色火薬にアルミニウム微粉末を適切な量混合させ、燃焼することによって、強力な光を出すことが出来る。 軍事では照明弾、信号弾 花火は、火薬に金属塩や金属粉末を混合して燃焼させることで、その時に発する色や音、形を観賞するものであり、発射用と並んで火薬のもっとも古い使用法のひとつである。火薬をそのまま燃焼させるだけでは単色しか出ないが、火薬に炭酸ストロンチウム(紅色)や硫酸銅(青色)などを混ぜることで炎色反応により、様々な色で発光する。 「打ち上げ花火」の場合、上空に「玉」を打ち上げる際にも、筒にしかけられた黒色火薬を発射薬として用い玉を上空に打ち上げる。(これは、ほかの火薬類では感度が低すぎるうえ威力が高すぎ、適切な速度や威力を実現できないためである。) 航空用エンジンの起動用として瞬間的に大きな力を発生させるため、空包を利用した点火装置(コフマン・エンジンスターター)が開発された。 金属容器などを作るとき、水中に爆薬を入れて爆発させて金型に押し付けるという方法がある。また、通常溶接できない2種類の金属を、爆薬の力でひとつにする接合させる爆発圧接もある。 瞬間的な大電力を得る方法として爆薬発電機が開発されている。 分離ボルト 分離ボルト(爆砕するため爆砕ボルトともいわれる)を分離するためにつかわれる。 中国の唐代(618年 - 907年)に書かれた「真元妙道要路」には硝石・硫黄・炭を混ぜると燃焼や爆発を起こしやすいことが記述されており、既にこの頃には黒色火薬が発明されていた可能性がある。 1132年に金との戦争中に起きた内乱に対して火薬兵器である火槍を宋が投入したとされる[5][6][7]。
火薬(発射用、推進用)
銃や砲
ロケット
爆薬(破壊用)
起爆薬(点火用、起爆用)
火工品詳細は「火工品」を参照
発光剤(照明・信号用)
その他 応用
花火
エンジンの起動用
工業用途
発電
歴史「en:History of gunpowder」も参照1274年の文永の役における戦いに描かれた「てつはう」(『蒙古襲来絵詞』)
Size:63 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef