瀬戸内海
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天然記念物である節足動物カブトガニ、小型鯨類スナメリハセイルカ[注釈 10]などの海洋生物や、アユを含む400-500種類を超す魚類が生息している。天然記念物に指定されている種類も多く見られ、前述のカブトガニのほか広島県三原市有竜島ナメクジウオの生息地として、また、同県竹原市高崎町阿波島周辺は「スナメリクジラ回遊海面」として1930年に登録されている。また、陸生動物ではあるがニホンジカニホンイノシシが瀬戸内海を泳いで縦横断する光景は古来より見られてきた。

ナメクジウオは海砂の採取事業が盛んになった昭和30年代から大幅な減少を見せ、昭和60年頃には姿が確認されなかった。しかし、1990年代に再発見され、保護策の向上故か順調な自然回復が見られ始めている[9]

阿波島スナメリ自体よりも、スナメリを利用したスズキの伝統漁法が天然記念物の指定対象となっており、国内唯一の鯨類関連の指定例である[注釈 11]。なお、2015年の時点では、当漁法はスナメリの生息数減少故に廃止されている。スナメリは瀬戸内海全域にて大幅な減少が見られたが、近年には周防灘伊予灘等で群れが確認されたり、大阪湾関西国際空港周辺で個体数の増加が見られている[注釈 12]。また、岡山県前島[11]防予諸島[12]下関市の三軒屋海岸[13]北九州市藍島[14]では、本種の保護やイルカウォッチングが施行されている。

鳥類では特にカンムリウミスズメが注目されており、長島をはじめ現在でも比較的広範囲にて確認できる。

豊富なアマモも本来の瀬戸内海の生態系の重要な一部であり、1960年代に20,000ヘクタールを超す群生域(藻場)が当海域に広く見られたが、1978年の時点では7,000ヘクタール程度に減少。環境汚染など様々な要因により、その後の顕著な増加は見られない[15]。近年、各地で藻場復元の動きがあるほか、芸予諸島には比較的良好な分布が残されている。

2015年1月には、新種であり固有種カタツムリ「アキラマイマイ」が発見されている[16]

ヤシマイシン近似種[17]やセトウチイトカケ[18]など貴重な貝類も確認されており、特筆すべき事例として長島で発見されて新種として認定され、他に確認例も存在しないナガシマツボが存在する[19]

ホンヤドカリの仲間であるエタジマホンヤドカリも、広島湾江田島で発見され新種として認定されている[20]

防予諸島には、世界最大級のニホンアワサンゴの群生地が存在するとされている[21]


スナメリ

ハセイルカ

カンムリウミスズメ

カラスバト

カブトガニ

ハクセンシオマネキ

アオギス

サカタザメ

ニシナメクジウオ

ミヤジマトンボ

大型生物

現在の状況からは想像しがたいが、かつては海獣[注釈 13]ウミガメサメなどの大型魚類が瀬戸内海にも豊富に生息しており、セミクジラ[22]コククジラ[23][24]ナガスクジラ[注釈 14]ニホンアシカ[27]ニホンカワウソウバザメジンベイザメホホジロザメマンタマンボウクロマグロバショウカジキなどの大型魚類[28][29]オサガメなど、現在では絶滅危惧種絶滅種となっている中・大型の生物も多く見られたとされる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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