激突!
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※ユニバーサル思い出の復刻版DVD・BDにソフト版と共に収録。

劇場公開版 - 1976年のリバイバル上映の際に制作、使用されたもの。
※宍戸は当時『警部マクロード』でデニス・ウィーバーを吹替えており、それを踏まえての起用と思われる。

日本テレビ版 - 初放送1989年10月27日『金曜ロードショー
※デニス・ウィーバーを吹替えた徳光のため、あらかじめ沢木郁也が吹替えたものが演技の見本として使われた[4]

ソフト版 - DVDBD収録。
※デヴィッドを吹き替えた原は、1990年代の『激突!』と評されている映画『ブレーキ・ダウン』でも主人公の吹替を担当している。
スタッフ

監督:
スティーヴン・スピルバーグ

製作: ジョージ・エクスタイン(英語版)

原作・脚本: リチャード・マシスン

撮影: ジャック・A・マータ(英語版)

美術: ロバート・S・スミス

編集: フランク・モリス(英語版)

音楽: ビリー・ゴールデンバーグ(英語版)

アシスタントディレクター: ジェームズ・ファーゴ(英語版)

日本語版

-NETテレビ版劇場公開版日本テレビ版ソフト版
演出左近允洋左近允洋中野洋志
翻訳進藤光太高山美香
調整栗林秀年飯塚秀保
効果PAGPAG
選曲東上別符精N/AN/AN/A
担当吉田啓介
制作進行古川典子
制作補N/AN/A垂水保貴N/A
プロデューサー奥田誠治
制作グロービジョン日本テレビ
グロービジョンACクリエイト

作品解説

無名時代のスティーヴン・スピルバーグが演出し、その名前はこの作品の成功によって業界内に知れ渡った。劇中で、主人公の車や、電話ボックスのガラスにスピルバーグの姿が映っていたことでも知られる。

もともとテレビ放映用に製作された作品だが、日本ヨーロッパでは劇場公開された。上映時間はテレビ版が74分、ヨーロッパで劇場公開された版は90分。劇場版ではデニス・ウィーバーのナレーションが無い。発売されているビデオは劇場版+ナレーション付きのものである。

1971年当時、日本教育テレビ(テレビ朝日)の外画部で『日曜洋画劇場』などに掛ける外国映画の購入を担当していた高橋浩[5]、アメリカの業界誌『バラエティ』の記事に「カリフォルニア州立大学を出たての25歳の若者がMCA(ユニバーサル映画)でテレビ用の映画を作っている。内容は自動車の追いかけっこ。ABCの『Movie of the Weekend』枠で放送予定」と書かれた目立たない5?6行の記事を読み、高橋は当時、視聴率を取りやすい、飛行機や列車など道具仕立てのテレフィーチャーを追いかけていて、なおかつ自分と同じ20代の若い監督作という記述に惹かれ、すぐにMCAに「出来上がったらすぐプリントを送って欲しい」と連絡を入れた[5]。送られてきた16ミリを自宅で一人でプロジェクターに掛け、鑑賞しすぐに購入を決めた[5]。相当な先物買いだったため、購入金額は『日曜洋画劇場』の中でも下から何番目ぐらいの低価格だったという[5]。テレビ放映の準備を始めたら、MCA日本支社の人が「洋画配給の松竹富士が日本で劇場に掛けたいから買い戻したいと言っている。あなたのファーストオプションの15倍の金額でどうか」と言われたが断った[5]。その後にMCAが新たな条件を提示し、「本編が74分だと短すぎて『日曜洋画劇場』には掛けられないから、スピルバーグ監督に編集させて『日曜洋画劇場』でも掛けられる90分以上にする。放映権料は先の提示額のままでいい。但し、テレビ放映する前に劇場で掛ける。テレビ放映は劇場公開後できるだけ早くできるようにする」と申し入れがあり、高橋はこれを承諾した[5]。「今から思えば、あのスピルバーグによくフィルムを継ぎ足させたなぁ。と思う」と話している。高橋はスピルバーグが大監督になるとは思ってなく、1974年にロサンゼルスのユニバーサル映画に出張に行き、インタナショナル部門の副社長に「スピルバーグに会いたい」と言ったら、副社長はスピルバーグを知らず、秘書に確認を取ってもらうと「スピルバーグは海で撮影している」と言われ、副社長から「現場に行くならアレンジする」と言われたが、そこまで行くドルを持っておらず断った。撮影中の映画は『ジョーズ』で、もし行っていたら、日本でのテレビ放映権が取れたかもしれないと後で悔やんだという[5]

スピルバーグはこの年、本作の監督を務める前に『刑事コロンボ』の第3作「構想の死角」で監督を務めた。本作の監督に立候補した際、プロデューサーから「君の最近の作品を持って来てくれ」と言われ、『コロンボ』を提出したところ、監督としての採用が決定した[6]
演出

運転手が顔を見せず執拗に主人公を追いかけるトレーラーを、監督は「怪獣のように考えた」と語る。その描写は『ジョーズ』のホホジロザメに引き継がれていく。終盤でトレーラーが崖から墜落するシーンとジョーズが死ぬシーンでは、効果音として同じ恐竜の鳴き声[7]が使用されている。

物語で立ち寄った飲食店にて主人公がトレーラーの運転手を「誰だ? 誰だ?」と探しまわるシーンには、黒澤明監督の『野良犬』のラストシーンがそのまま引用されている。
撮影

撮影期間が16日、編集作業から放送まで3週間程度しか確保出来なかったため、絵コンテを用いず、大きな地図に撮影ポイントなどを書き込んだものを使って撮影が進められた。早撮りで知られるスピルバーグであるが、自身でも「最も慌しい映画作りだった」と振り返っている。撮影現場はカリフォルニア州の砂漠で、キャニオン・カントリー(Canyon Country)やアグア・ダルシー(Agua Dulce)、アクトン(Acton)のシエラ・ハイウェーやエンジェルス・フォレスト・ハイウェーで行われた。トンネル、ガスステーション、踏切、カフェは実在する。
プリムス・ヴァリアントトレーラーとプリムスの同型モデル

撮影に使用された赤色の乗用車は、米クライスラー製の「プリムス・ヴァリアント」(1967-76年生産、劇中のモデルはグリル形状、エンジン音から70-71年式の直列6気筒3.2もしくは3.7リッターエンジン搭載車で出力140馬力、最高速度150km/h程度)というごく普通のコンパクトカー。ベース車両はこげ茶色だったが、「砂漠の中でも目立つから」という理由でラインナップの設定にはなかった赤色に塗り直されている。

トレーラーは「ピータービルト281」。タイヤはブリヂストン製。映画の本編ではエンブレムが取り外されていた。トラブル時のバックアップ用として複数台が用意されていた模様で、2013年現在、現存している車両もある。テレビで公開された後の劇場用追加撮影でバックアップ用の車両が使われた。
原作との相違点

原作ではトレーラー運転手の苗字が「ケラー」となっており、運転台のドアに書かれたその苗字を、マンがキラー(人殺し)と一瞬誤読して動揺する描写がある[8]。また、マンがトレーラー運転手の顔をはっきり見ているのも映画との相違点である。「角ばった顔、黒い目、黒い髪の毛」と、描写されている[9]

その他、飲食店でマンが間違った相手につかみかかるくだりや、スクールバスのくだり、踏切で走行中の列車に向けて押し出され殺されそうになるくだり、老夫婦に助けを求めるくだりなどは映画のオリジナルである。
ソフト

DVDが発売される以前の本作のソフトは、1993年のニューマスター版レーザーディスク(スタンダードサイズ/ナレーション無しの90分版。日本未発売)発売まで画面と音が合っていないなどの問題点があった。
DVD版では効果音が一新・修正され、サウンドもドルビーとDTSの5.1chで収録された。なお、劇場公開時は画面サイズがシネマスコープのワイドにトリミングされていたが、DVD版ではテレビサイズで収録されている。
BD版は、4Kスキャンと高画質化がなされ、ヴィスタサイズにて収録された。
現行ソフト

激突! ブルーレイ(2015年9月2日発売・廉価版)

激突! スペシャル・エディション DVD(2012年4月13日発売・廉価版)

影響

本作のカーチェイスシーンは、ビル・ビクスビー主演のテレビシリーズ『超人ハルク』の1エピソードに丸々流用されている。更に、本作品のパターンは後に『ブレーキ・ダウン』や『ノーウェイ・アップ』などに引き継がれていく。
その他

終盤、山道を登る前の場面で主人公は害虫駆除業者の車を警察車両と見間違えて車を寄せる。業者の社名は"Grebleips"で、スピルバーグ姓(Spielberg)の逆綴りになっている。

関連項目

カーアクション

あおり運転

出典^ .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}DUEL A Conversation with Steven Spielberg (BD). 該当時間: 00:12:34 - 00:12:52.


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