澪つくし
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演 - 川野太郎[23]外川の網元・吉武家の長男。口数は多くないが実直。ツエ曰く「男の中の男」。乗組員からは「若旦那」と呼ばれる。浜辺で絵のモデルをしていたかをると偶然出会い、その絵を買い求めた。かをるが坂東家に行く前、また逢えるであろうことを告げた。坂東千代が喀血した日、犬吠埼で1日中かをるを待っていたらしく、その後、英一郎の口からは見合いをしたことが語られるが、それは、かをるを思っての嘘であった。「漁師と醤油屋では釣り合わない」との考えから、かをるとは逢わないと告げるも、律子に焚き付けられて逢いにやって来たかをるの姿に想いが抑えられずに抱擁を交わす。梅木や清次がかをるのことで乗り込んできた際には動じずに対等に話をし、母や船村に「かをるを嫁にする」と堂々と宣言。結婚を認めてもらえるよう、何度も「入兆」へと乗り込んで行く。昭和5年、とねから親方を譲られたことで吉武家の当主となる。もともと名取村長のやり方に疑問を感じており、「話し合いにならない」として村長宅を襲撃(劇中では高神村騒擾事件と呼ばれる)したために主犯として警察に逮捕されるも、判決には執行猶予が付いた。かをるが子を宿した直後、漁の最中に行方不明になってしまい、生死不明のまま1年以上が経過。記憶喪失のままフィリピンに漂流して日本へ戻り、偶然にも律子と東京で再会したことで生きていることが発覚。かをるらの努力により記憶を取り戻すも、それはかをると離婚し、しかも再婚していたことを知らさせることでもあったのだ。かをるとの未練を断ち切るため、言語能力などを買われていた軍にスパイとして雇われ、フィリピンへ旅立っていく。その後も物資の運搬の役割などを担って戦地へ赴く。終戦後は無事に帰還を果たすも梅木の死を知り、かをるを妻としたい旨を申し出るも、かをるが涙を流しながら気持ちを伝えると、受け入れて外川へと帰って行った。なお、とねの問いかけには完全に諦めたわけではない旨を語っていた。夫婦になる前には、たびたびかをるの夢にも登場していた。
吉武善吉
演 - 安藤一夫吉武家の次男。優しく純情な性格。英一郎とは友人となる。高校卒業後は漁業組合に勤めている。かをると惣吉の気持ちに気付いており、2人を近付けるきっかけを作る。鯉沼アミとは相思相愛。アミの兄が漁業中の事故で亡くなり、その対応[24]を巡り、惣吉やとねのやり方に批判的であった。アミが奉公先で女郎屋に売られてしまうと彼女を助け出そうとして昼間から遊廓へ通いつめ、叱りつけた惣吉と殴り合いの兄弟喧嘩に発展。のち、身請け金を出す代わりにとねが決めた村会議員の娘と婚約するも、アミはすでに栄二に身請けされた後だったため「自分のことは忘れてくれ」と思うのだった。船村らとかをるを引き取りに「入兆」へ向かうも、かをるの気持ちを理解すると引き返して行った。 
吉武ますみ
演 - 生田智子村会議員・浅利の娘。のち、善吉の妻となる。
吉武文吉
演 - 飯沼慧惣吉と善吉の父。かつては一・二を争う凄腕の漁師だったが、病のためにほぼ寝たきりであり、後遺症で言葉も不明瞭である。惣吉が買ったかをるの絵を気に入っていた。昭和4年3月15日、網倉の中で倒れているところを善吉らに発見され、息を引き取る。亡骸は海の見える墓地に弔われた。
吉武とね
演 - 草笛光子惣吉と善吉の母。寝たきりの亭主に代わって「利根川丸」の漁師たちを取り仕切っている女親方。気性は荒いがさっぱりしており、たまたま会った久兵衛にも「あんたは間違ってる」と言い切ってしまう(激怒させるも慌てる様子はなかった)。曰く「祝い事が大好き」。かをるを「いい子」、律子を「豪傑」と評した。かをるの件で梅木らが押し掛けてきたときには動じることなく対応し、惣吉からかをるを嫁にすると聞くと「乗りかかった船だ」と言って応援する。昭和5年には惣吉に親方を譲って隠居。惣吉が行方不明になると、さすがに気落ちした様子で弱音を吐いていたが、暫定的に親方に復帰。また、坂東家にかをるを引き取りに単身やって来るも、かをるの気持ちを察し、帰って行った。その後もかをるとは交流はあり、梅木との再婚を迷っていたときにも相談に乗っていた。亡くなったと思っていた惣吉が生きていたと分かると安堵するも、惣吉のかをるへの想いも知っているため、複雑な心境を抱く。終戦後、空襲で焼けてしまった「入兆」の復興などに快く手を貸す。
入兆の人々
梅木健作
演 -
柴田恭兵手代→番頭→社長代理。幼い頃に両親を次々に亡くして久兵衛に拾われ、以来忠誠を尽くしている。古川家に毎月の生活費を届けたり迎えに来る役目。仕事もできて物腰も柔らかく、かをるも嫌ってはいない。周囲からは真面目と評されている。自分のことなど、多くは語らず、耐え忍ぶ質。感情を抑えがちである。色恋には奥手であり、不器用。屈折した面もあり、仕事に対して野心家。小畑からは「かをるに惚れている」と見透かされており、彼女の結婚を苦々しく見ていた。千代の葬儀にやって来たかをるらのことは入り口で追い返した。ある日、久兵衛から「取締役の地位を与える代わりに律子と結婚してほしい」と頼まれ、迷っているうちに「律子が断ったから忘れてくれ」と破談となってしまい、久兵衛にとっては自分は道具程度にしか考えられていなかったのだと荒れてしまい、慰めに来たハマを自棄で襲ってしまう。その一件以降、ハマとは2人きりで話す機会が増えていくが…。昭和8年、今度はかをるとの再婚話を切り出され、かをるに自ら本心を伝えるも断られ、再三のアプローチの末、「惣吉が行方不明になって一年経っても見つからなかったら再婚する」と約束させ、再婚を果たす。その矢先に惣吉が見つかり「(かをるが)いつか彼の元へ戻るかもしれない」という疑心暗鬼に囚われ、酒の量が増えて荒れ始め、一時はかをるとの関係が険悪になる。日本が戦争に突入すると、原料不足と人造大豆による醤油は代用品になるものでもなく開店休業の日々が続き、軍からの兵隊食の為の醤油を作るようにとの命令が下り、昭和19年の2月に栄二と一緒に戦地に渡るも帰還することは叶わなかった。
若林ハマ→真鍋ハマ
演 - 根岸季衣坂東家の女中頭。夫には逃げられ済みで、子は男児がいる。坂東家には誰よりも献身的に仕えているが、それ以外の人間には無愛想で冷たい(初めて顔を見たツエからの印象も芳しくなかった)。久兵衛からは「性格が暗い」と評されるが仕事ぶりは買われている。終盤には久兵衛の後妻候補と目されたり、真鍋から嫁にもらいたいと言い寄られるなど、当初と比べて魅力的な女性というポジションに落ち着いた。千代に付き添い、甲斐甲斐しく世話を焼くも、自分を差し置いてかをる母子を気遣ったため、余計に面白くない様子。かをる母子の存在を苦々しく思っており、るいと「入兆」で顔を合わせたときにはイヤミを言っていた。久兵衛から、かをるの躾係を配されると、かをるが英一郎から「姉さん」と呼ばれるのがおかしいと言い、かをるが律子を「律子さん」と呼ぶのも気に入らない。るいが千代の世話係になるとイヤミばかり言い、新たにツエが千代の世話係になると、こちらにも冷たく当たり、千代が喀血すると増してイヤミを言った。惣吉がかをるを訪ねて来ると、久兵衛に、かをるを嫁に貰うためにやって来たこと・印象は頼もしい青年であることを伝えていた。かをるの見合いが破談になると「いつまで屋敷にいるつもりなのか」と再びイヤミを言ってくるも、誤解が解けると素直に謝罪して以降は仲が改善され、自分の身の上をかをるに打ち明けるほどになる。また、久兵衛から勘当を言い渡される形で結婚を認めてくれたことを笑顔で祝福していた。千代が亡くなる前には病院に駆けつけ、亡くなると役目を果たしたとして久兵衛に暇を申し出るも拒否されてしまい、引き続き坂東家に仕えることが決まると、しきりに梅木を気にかけるようにし、次第に2人きりで話す機会が増え…。息子の浩之が「入兆」で受け入れられると、改めて母親の気持ちが理解できたようで、るいに今までの非礼を謝罪。同時に久兵衛の後妻になってくれるようにと頭を下げる。戦時中には息子を亡くす憂き目に遭い、空襲で久兵衛とるいが亡くなったことを知ると遺影の前で号泣していた。「入兆」三百周年記念式典には真鍋とともに出席していた。
弥太郎
演 - 明石家さんま関西から流れてきたお調子者の職人。通称は「ラッパの弥太郎」。喧嘩っ早く騒がしい。縁あって「入兆」で働くことになるが、商品にケチをつける、女中の尻を触るなど、しょっちゅう騒動を起こす[注 5]。一時期は職人の殿岡とはコンビのように描かれていた。腕っぷしは強くない(口先ばかりである)が、将棋は強い。食いっぷりが良く、「味噌汁と漬物があれば飯を何杯も食べられる」と豪語しており、「入兆」へも吉武家へもそれで出入りを許された。早苗の部屋に夜這いを掛けたつもりが仲を怪しみ代わって寝ていたハマを襲ってしまい、捨て台詞を吐いて「入兆」を叩き出される。その後も早苗会いたさに虚無僧姿で「入兆」の周りをウロついていたが、再度追い出されてしまい、空腹のあまり、吉武家へやって来たかと思うとそのまま居つく。かをるが惣吉の子どもを流産した頃には、また「入兆」で働き始め、今度は「かをると結婚する」などと言い出したために早苗にもそっぽを向かれるも、早苗の8年間の年季奉公が終わった同日に久兵衛から「ケンカを売らずに真面目に働くこと」を条件に退職金を手渡され、表向きにはクビを宣告されて、慌てて早苗を追いかけて行った。
小畑兵造
演 - 高品格先代の頃から働いている番頭。久兵衛の片腕的存在で、職人としては先輩にあたる。営業・経理の責任者として店を支えている。久兵衛同様、景気の悪さに頭を痛めている。神山やハマとは気が合わないことが多い。かをるが「入兆」で引き取られたときには、しばらく女中扱いできずにいた。梅木がかをるに惚れていることを見抜いており、仕事に身が入らずにいる梅木に活を入れていた。また、梅木とハマが急に親しげに話し始めたことに気付き、従業員同士の色恋はご法度であると忠告する。昭和7年5月の末、身体の衰えを理由に定年退職を申し出たのち、番頭の座を梅木に譲ることを条件提示する。6月10日、45年勤めた「入兆」を退職し、特別顧問となる。梅木の婚礼には親代わりとして出席する。戦後も存命であり、「入兆」の三百周年記念式典にも出席していたが、耳は遠くなっているようであった。
神山平六
演 - 牟田悌三製造責任者。職人達の取りまとめ役。職人からの通称は「頭(かしら)」。一本気な職人気質である。やくざ者が来ようが慌てずに対応できる。経営を巡って、小畑とは時折衝突するが、職人が失礼な態度を取ることは許さない。一時期、「「入兆」の醤油に防腐剤が含まれている」との新聞報道がされ、もしも事実ならば腹を切る覚悟であると宣言。再度検査してもらうように東京へ出向く。職人らには厳しい態度で接している。特に次々と問題を起こす栄二には手を焼くも、あれこれ触れ回って軍から目を付けられたときにはひと芝居打って庇った。戦況が悪化して醤油の質を落とす必要に迫られると「安物を拵えるならば辞める」と言い切っていた。戦況が厳しさを増すと職人らに召集がかかり始めて心を痛める。また、久兵衛らの死に直面すると涙を流し、戦争に対しての恨み言を吐いていた。
水橋信吾
演 - 寺泉哲章律子の大学時代からの恋人。通称は「広敷の男」。革新運動家として活動しており、金銭的には苦しい立場にいる。労働運動を起こすために「入兆」へと潜り込むが、律子との密会の場を小浜に見られ、告げ口されたことで久兵衛の知るところとなる。久兵衛を「労働者から搾取する資本家達は如何なる人格者でも悪」と糾弾し、革命が成功したら律子と結婚させてほしいと言う賭けを持ち出し、久兵衛の怒りの勢いに負けてか手切れ金を渡され、そのまま追い出された。のち、河原畑が読んでいた新聞に負傷者として名前が登場。律子に出してきた手紙で特高の拷問に屈して運動メンバーの名前をバラしたことを打ち明け、懲役2年の実刑を言い渡される。昭和6年、再び銚子に現れて律子に復縁を乞い、幾度か彼女を抱く。律子と逃避行を計画するが、律子と交際中であった河原畑に知られ、彼に誘われ屏風ヶ浦に向かう。崖の上で言い合った末に揉みあいになり、律子が現れて気をそらしたところを河原畑に突き落とされ、翌朝、溺死体で見つかる(96-97回)。
小浜敬助
演 - 村田雄浩[25]「入兆」従業員。農家の三男坊。口減らしで働きに出された。文学は好きらしいが内容が難しいものは避けがち。律子を好いている。水橋の思想や運動に少しずつ理解を示していたが、本心からではなく、運動が成功すれば憧れの律子と結婚できると思っていたためである。ある夜、2人の密会を目撃し、久兵衛にリークする。律子が水橋と別れると、律子を呼び出してすべてを打ち明ける。そのときに「軍人に向いている」と言われた言葉を真に受け、かをるとの縁談に際し律子に加担して芝居を打つ。そして久兵衛の怒りを買ったことで「入兆」を追い出され、律子には「陸軍将校になる」と宣言して去って行った。水橋と河原畑が亡くなった直後に無事、軍人となって銚子へ現れ、改めて律子に求婚するも断られ、上記の真意を言われたことで失望して東京に帰る。その後、醤油に防腐剤が入っているという騒動が起きた時、偶然にも律子と再会。何かへ一途に向き合っている姿勢に今度は律子が惚れてしまい、久兵衛らの許可は得られないまま結婚。しかし、夫婦になる頃には彼女に対するかつての憧れは既に無く、律子が家にやって来た皇道派の軍人に「統制、皇道関係なく軍が国の政治を担うこと自体がおかしい」という私見を述べて同僚の機嫌を損ねてしまうと周りから距離を置かれた恨みから律子にあたるようになり、戦争が始まると満州の国境警備に飛ばされる。終戦後、何も知らないまま「入兆」に復員し、そこで律子の死を知る。
今西
演 - 加藤善博職人。
竹田徳十
演 - 葛西和雄職人。独身。稼いだ金は酒と博打に使ってしまう(曰く「蓄えはない」)。昭和10年、召集令状が届く。その際、自分には帰る故郷もなく何も守るべきものがないことを伝え、同時にアミへの想いも告げる。
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