澪つくし
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演 - 加賀まりこ[21]かをるの実母。元々は「入兆」の小間使い。久兵衛の妾としてかをるを生んで育てた。「妾の本分」はわきまえており、万事控えめ。かをるが幸せに嫁ぐことが何よりの夢である。久兵衛の3人目の女・三隅照子とは「本分」を巡って気が合わない。気が強く、かをるを父同然に叱り飛ばす。かをるの女学校卒業後は千代の希望で身の回りの世話を請け負うも、ハマのイヤミに我慢が限界に達して辞退する。千代が入院してからは、再び千代から頼まれて身の回りの世話をすることになる。かをるの縁談が流れてしまったことには心を痛めるが、「入兆」から帰って来たかをるには戻るように諭す。かをるが惣吉との婚礼を終えたある日、訪ねて来た久兵衛に関係を終わらせようしていることを打ち明ける。千代が亡くなる前に立ち会っており、堪えきれずに病室を出てからは大泣きしていた。千代の遺言もあり、久兵衛らから後妻になるように言われるも頑なに拒否し続ける。昭和6年、久兵衛の想いに応えるように坂東家の後妻になることを承諾する。惣吉が行方不明になってから1年ほどが経つと、かをるに梅木との再婚を薦めるようになる。戦争が激しさを増すと「入兆」の経営に頭を抱える。また、出征した英一郎が戻らないことに加え、日々久兵衛が衰えてゆく様子に心を痛めていた。昭和20年の銚子空襲時、周りが止めるのも聞かずに仕込み蔵を守ろうと飛び出した久兵衛を庇い、銃撃に巻き込まれて負傷して亡くなる。
馬場ツエ→赤川ツエ
演 - 鷲尾真知子古川家に住み込む小間使い。かをるやるいへの忠誠心が厚い。おっちょこちょいで声が大きい。余計なひと言が多く、「すいません」が口癖。もらい泣きしやすい。るいが千代の世話係を降りてからは代わって通いで受け持つことになり、ハマからイヤミを言われることになる。千代が喀血したときの発見者になり、またハマからはイヤミを言われるも小畑からは気遣われる。かをると惣吉の婚礼に出席し、るいの配慮でそのまま吉武家に住み込む。かをるが流産したのちは吉武家から坂東家に住み込む。空襲でるいを失うと相当な落ち込み様であった。終戦後、民主主義によって婚姻が自由化され、無事に帰還した職人の赤川から求婚され、めでたく結婚する。
坂東家
坂東律子→小浜律子
演 -
桜田淳子かをるの異母姉(坂東家の長女)。先進的な女性を自負している。ピアノが弾け、文学に詳しい。たとえ気性の荒い漁師相手でも強気に接する。教養がある一方、皮肉や気まぐれに発言することも多く、男たちをあしらうつもりなのか、結局は振り回してしまう。頑固な面は久兵衛に似ているが素直になれずに反発し合っていて、千代の控えめさにも内心では反対している。銚子に愛着はない。かをるには「新しい女」になるようにと言った。かをるら母子と初対面時には挨拶を無視していたのだが、なんの気まぐれか、急に古川家を訪ねて来て、かをるを連れ出す。かをるが坂東家に引き取られて世話役を任されたときに顔を合わせたときには、また無視をしたり、振り回したりし、「お嬢様」ではなく「律子さん」と呼ぶように言いつける。大学時代から水橋信吾と隠れて付き合っており、昼間に弾くピアノは夜中に逢うための合図であった。ぎんらから勧められた見合いもわざと破談させたほか、水橋との交際がバレると、久兵衛らを怒らせてしまい、寝ずの番がつく軟禁状態となる。なお、水橋との交際は本気だったようで、しばらくは気の抜けた生活をしていた。水橋と交際中に小浜から惚れられていたが、さらに河原畑からも惚れられ、善吉にも意味深な言葉をかける。見合いをするかをるには「移り気」と言い、かをるの煮え切らない態度に対し、小浜を利用して見合いを破談にしてしまう。水橋のことを新聞で知ると、また心を乱してしまっていた。千代が亡くなると久兵衛には東京へ行きたい旨を申し出る。昭和5年1月、かをるを訪ね、るいを後妻に押すように伝えたのち、東京へと旅立っていった。河原畑との交際が噂され始め、昭和6年、東京から戻って来ると久兵衛に河原畑と結婚するつもりであることを告げる。しかし銚子に再び水橋が現れたことをかをるから知らされ、彼と逢瀬を重ねる。河原畑に別れを告げて水橋と逃避行を計画するが、水橋を屏風ヶ浦から突き落とした河原畑とともに崖から転落、一人生き残る(96-97回)。程なくして軍人となって銚子に現れた小浜を無下にあしらうが、のちに東京で再会すると、彼に水橋に似た気性を感じて結婚し、坂東家を出て行く。小浜が満州へ飛ばされると後を追って自身も旅立つ。なお、これが久兵衛と顔を合わせた最後となった。戦時中、現地では音楽教師として働く。終戦後は満州から引き上げて来るも末期の肺結核にかかっており、久兵衛が亡くなった事実を聞くとショックを隠しきれずにいた。半年後、病状が悪化して亡くなる。
坂東英一郎
演 - 鷲生功かをるの異母弟(坂東家の長男)。母親似の鷹揚な性格。かをるの良き理解者。かをると顔を合わせると、すぐに「姉さん」と呼んだ。惣吉の弟・善吉とは友人関係になる。かをるの想いには気が付いており、たびたび、惣吉の様子などを伝える。久兵衛からは勉学に励むように言われているが、本人は乗り気ではない。大学受験をするも不合格が続き、久兵衛から何度も叱られており、久兵衛の頭ごなしなやり方には疑問を感じる。結局は大学へは行けずに店に立つようになるも、才覚はイマイチであり、行動が裏目にばかり出てしまって久兵衛をイラつかせる。昭和8年、かをると梅木との再婚を巡って久兵衛と大喧嘩する。この際、久兵衛から「出来損ない」と言われたことで父子の溝が深まる。翌9年、かをるが双子を出産した頃に見合い相手から断られ、自身の結婚がまとまらずに落胆する。太平洋戦争に兵隊として招集されると大阪で負傷。回復すると現場へ復帰する。終戦後、赤川と一緒に帰還するも片足付随の状態であった。また、律子の帰還と重なったこともあり、姉弟久々の再会となった。久兵衛の死を受け入れ、律子の死を見届けると、「入兆」を受け継ぐ決意をして12代目当主となる。
坂東千代
演 - 岩本多代久兵衛の本妻(律子と英一郎の母)。おっとりした人柄。妾である、るいを気遣う器量の大きさを持っている。長年、和歌山に住んでいたが、久兵衛の提案で銚子へ移り住むことになる。かをるに対しても優しく接するが、母親としての芯はしっかりしており、理想や新しさを追う律子をたしなめる。肺を病んでおり、るいには自身が長くない旨を語り、律子らのことも託す。律子と水橋の交際には大変ショックを受けたらしく、律子がこっそり水橋を追いかけようとするのを見て、普段の穏やかさからは変わって厳しく叱りつけた。昭和2年、病状が悪化して喀血。翌日、町営病院へ入院する。後日、実は自分が亡き後に久兵衛が再婚するのではと不安を口にし、あえて、るいに夫婦仲を見せつけていることを明かす。手術が成功してからは比較的容態は安定し、正月には自宅で過ごせるまでに回復する。かをるの見合いが流れたことを聞くと残念がっていたが、かをるが惣吉と夫婦になったことには納得した様子であった。ときどき「自分が亡くなった後はるいと夫婦になるように」などと久兵衛に遺言していたが、昭和4年10月31日に容態が悪化して再び喀血。親族と二言三言交わし、そのまま亡くなる。終戦間際にかをるが見た夢に、梅木・るい・律子・久兵衛と一緒に現れる。
坂東久兵衛
演 - 津川雅彦[22]「入兆」の11代目当主。かをる・律子・英一郎の父。「醤油屋は醤油屋と一緒になるのが1番」[注 3]と、子どもらは自身の敷いたレールに乗っていれば幸せに過ごせると考えている。縁談をぶち壊して自由な振る舞いをする律子、大学へ行けず社員となってからも独断で株取引に乗り出して大損害を出す英一郎、恋愛結婚がしたいかをると、それぞれ自ら考え行動し自分の思い通りにならない子どもらが悩みのタネである。大の地震嫌い。また、物語終盤では、心労が重なって心臓を患っているような描写が増えていった。律子の世話役をかをるがすることには大反対し、ハマを呼びつけて怒鳴った(律子もかをるも同等に扱いたいため)。短気なところがあり頑固ですぐ怒鳴る(律子から嫌がられている点であるが、元々は似た気性である)。労働組合の結成には反対の立場だが、職人らの面倒見は良い(現場の意見を聞き入れて軍人になりたい小浜を夜間学校へ通わせたり、母親会いたさに単身銚子に来てしまったハマの息子をそのまま入兆に居ても良いと許可を出す[注 4]どころか小学校への学費を出したりと教育にも非常に熱心である)。食事には差をつけずに職人と同じものを食べたりと、実は愛情深い好人物である。律子と水橋の交際を知ると手切れ金を渡して水橋を追い出してしまい、律子にかをるとハマを番に付ける。以降、律子と水橋の騒動は「前科」と呼び、どこへ行くにも付き人を付けるようになる。ようやくまとまりかけたかをるの縁談は律子に壊され、一時は寝込んでしまうほど落胆する。重ねてかをるの口から惣吉の名を聞いてしまったことで大激怒する。が、かをるの惣吉を想う気持ちには勝てず、坂東家から追い出す形で婚礼を認めた。千代からは自身が亡くなったのちはるいと再婚するよう遺言されていたことに加え、初七日も済んでいないうちに律子が東京行きを願い出たことに頭を痛める。昭和5年1月、律子の東京行きを許すも気落ちしていたところにハマから暇を貰いたいと言われて拒否する。惣吉らが村長宅を襲撃して逮捕されるとかをるを心配して会いにやって来る。律子が河原畑と交際している話を聞くと機嫌を損ね、昭和6年に東京から戻って来た際には結婚に反対である旨を言う。かをるが流産した件では吉武家で酷い目に遭ってきたと勘ぐって相当立腹し、「吉武の人間には会わせない」といった調子であった。律子が小浜との結婚を言い出すと「節操がなさすぎる」として猛反対するが、本心では律子のことを案じており、小浜を追って満州へ旅立つことを知ると涙を流して別れを惜しんでいた。かをるが梅木と再婚を果たして無事に双子を出産すると梅木を社長代理に推し、そのまま隠居を宣言する。英一郎が召集されることが決まると、珍しく気弱に「戦わなくていい」と言って送り出す。また、るいには「(英一郎に)厳しくし過ぎた」と子どもとの向き合い方を後悔するかのような内容を述べていた。英一郎が負傷したと聞くと真っ先に大阪へ向かう。いよいよ戦争に突入すると召集されたはずの英一郎を家中探し回るなどの認知症の症状が出始め、かつての勢いはなくなっていた。昭和20年の銚子空襲で「入兆」が空襲に遭うと、仕込み蔵が空襲されることに耐えられず、思わず防空壕から出てしまい、止めようとしたるいと爆撃に遭って亡くなった。
吉武家
吉武惣吉
演 -
川野太郎[23]外川の網元・吉武家の長男。口数は多くないが実直。ツエ曰く「男の中の男」。乗組員からは「若旦那」と呼ばれる。浜辺で絵のモデルをしていたかをると偶然出会い、その絵を買い求めた。かをるが坂東家に行く前、また逢えるであろうことを告げた。坂東千代が喀血した日、犬吠埼で1日中かをるを待っていたらしく、その後、英一郎の口からは見合いをしたことが語られるが、それは、かをるを思っての嘘であった。「漁師と醤油屋では釣り合わない」との考えから、かをるとは逢わないと告げるも、律子に焚き付けられて逢いにやって来たかをるの姿に想いが抑えられずに抱擁を交わす。梅木や清次がかをるのことで乗り込んできた際には動じずに対等に話をし、母や船村に「かをるを嫁にする」と堂々と宣言。結婚を認めてもらえるよう、何度も「入兆」へと乗り込んで行く。昭和5年、とねから親方を譲られたことで吉武家の当主となる。もともと名取村長のやり方に疑問を感じており、「話し合いにならない」として村長宅を襲撃(劇中では高神村騒擾事件と呼ばれる)したために主犯として警察に逮捕されるも、判決には執行猶予が付いた。かをるが子を宿した直後、漁の最中に行方不明になってしまい、生死不明のまま1年以上が経過。記憶喪失のままフィリピンに漂流して日本へ戻り、偶然にも律子と東京で再会したことで生きていることが発覚。かをるらの努力により記憶を取り戻すも、それはかをると離婚し、しかも再婚していたことを知らさせることでもあったのだ。かをるとの未練を断ち切るため、言語能力などを買われていた軍にスパイとして雇われ、フィリピンへ旅立っていく。その後も物資の運搬の役割などを担って戦地へ赴く。終戦後は無事に帰還を果たすも梅木の死を知り、かをるを妻としたい旨を申し出るも、かをるが涙を流しながら気持ちを伝えると、受け入れて外川へと帰って行った。なお、とねの問いかけには完全に諦めたわけではない旨を語っていた。夫婦になる前には、たびたびかをるの夢にも登場していた。
吉武善吉
演 - 安藤一夫吉武家の次男。優しく純情な性格。英一郎とは友人となる。高校卒業後は漁業組合に勤めている。かをると惣吉の気持ちに気付いており、2人を近付けるきっかけを作る。鯉沼アミとは相思相愛。アミの兄が漁業中の事故で亡くなり、その対応[24]を巡り、惣吉やとねのやり方に批判的であった。アミが奉公先で女郎屋に売られてしまうと彼女を助け出そうとして昼間から遊廓へ通いつめ、叱りつけた惣吉と殴り合いの兄弟喧嘩に発展。のち、身請け金を出す代わりにとねが決めた村会議員の娘と婚約するも、アミはすでに栄二に身請けされた後だったため「自分のことは忘れてくれ」と思うのだった。船村らとかをるを引き取りに「入兆」へ向かうも、かをるの気持ちを理解すると引き返して行った。 
吉武ますみ
演 - 生田智子村会議員・浅利の娘。のち、善吉の妻となる。
吉武文吉
演 - 飯沼慧惣吉と善吉の父。かつては一・二を争う凄腕の漁師だったが、病のためにほぼ寝たきりであり、後遺症で言葉も不明瞭である。惣吉が買ったかをるの絵を気に入っていた。昭和4年3月15日、網倉の中で倒れているところを善吉らに発見され、息を引き取る。亡骸は海の見える墓地に弔われた。
吉武とね
演 - 草笛光子惣吉と善吉の母。
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