潜入捜査官
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米国においては連邦機関が独自の秘密捜査を計画、始動する以前に「イタリア分隊」(‘Italian’Squad)なる秘密捜査機関が1906年に設立されている[12]
各国
アメリカ合衆国

この節の加筆が望まれています。

連邦捜査局(FBI)の秘密捜査は"Attorney General's Guidelines on FBI Undercover Operations"(「FBIの潜入捜査活動に関する司法長官指針」)[13] にその運用に関する基準が定められている[14]。このガイドラインでは捜査員自身が違法行為への関与が不可避となる状況において当該行為が許容される基準を示している[14]
ドイツ

ドイツにおける秘密捜査員(: verdeckter Ermittler, VE)とは通常警察や税関などの法執行機関に所属し、対外的には普通の市民を装いつつも、捏造された偽の個人情報を用いて長期間捜査を遂行する州または連邦公務員である。VEは刑事訴訟法(ドイツ語版)110a条以下(§§ 110a ff. StPO)[15] に加え、各州の司法大臣及び内務大臣、または@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}司法参事[訳語疑問点][注釈 1] 及び内務参事(ドイツ語版)[注釈 1]が定める、刑事訴追枠内での情報提供者: Informant, 「インフォルマント」)の利用並びにV人物(ドイツ語版)及び秘密捜査員の投入に関する共通指針の双方を法的根拠として投入される。後者の共通指針は各州においてほぼ同一の行政規則(ドイツ語版)(Verwaltungsvorschriften)及び州行政規則(Landesverwaltungsvorschriften)の形で存在する(節"外部リンク"を参照)。投入はあくまで捜査を補完するだけのものであり、かつ「重大犯罪」の場合に許可され検察庁(ドイツ語版)(Staatsanwaltschaft)の同意を必要とする。「緊急事態(ドイツ語版)」(: Gefahr im Verzug[注釈 2])の場合は、事後、検察庁の同意を3日以内に得なければならず、加えて当該事項に対する警察の承認も必要となる。実際にはむしろごく当たり前のことであるが、ある特定の被疑者を標的にした出動や進入が禁じられている住居へVEが立ち入る場合に限り裁判所の同意が必要となる。このようなケースにおいて、緊急事態発生時点では検察庁の同意のみで十分であるが加えて裁判所の同意を事後3日以内に得なければならない。
当局の承認

VEは刑事訴訟法110a条2項(§110a Abs. 2 StPO)において自身の架空の身分証明[注釈 3] のもと法的権限の行使を許され、例えば、基本法第13条に定められており、基本権(ドイツ語版、英語版)の一つである住居不可侵(ドイツ語版)の権利を制限する形となる、当局が立ち入りを承認した特定の住居への進入(§110c StPO)、及び同136条(§136 StPO)に基づく黙秘権自己負罪拒否特権)等の証言拒否権の告知を、一切行わない形での「証人への尋問」が許可される[16]。ただし今日の米国におけるアンダーカヴァー・エージェントとは異なりVEの違法行為は許されない。

VEは情報提供者並びに密偵及びV人物とは区別して扱われる。VEとは異なりこれらはいずれも私人であり、検察庁との間で機密または秘密保持の誓約(Vertraulichkeitszusage oder Geheimhaltungszusage)を結び、多くは金銭目的で彼らの身辺の情報を捜査当局に提供する。このため情報提供者は個々に情報を差し出すが他方V人物とも協力して長期間活動する場合もある。更にVEは、いわゆるそれ自体の記述が刑事訴訟法上に存在しない「非公式捜査任務付警察官」(nichtoffentlich ermittelnder Polizeibeamter, noeP, NOEP)及び「非公式捜査員」(nicht offen ermittelnde Beamte, noeB)との相違を成す[17]。VEとは対照的にNOEPは被疑者に対しての権利の告知要件を課せられるため、とりわけ「証拠使用」(Verwertbarkeit von Beweisen)という観点でVEは有用である。
捜査員の個人情報保護

刑事訴訟法110b条3項3文及び同96条(§110b Abs. 3 Satz 3, §96 StPO)に基づき、身分を偽装した上での更なる職務遂行及び職員の(真の身分における生活下の)身体と生命の保護が権利として認められているため、公訴手続きにおいて捜査員の個人情報は通常秘匿されたままである。VEが行う秘密捜査の結果生じる証拠を有効とするため、同法は「伝聞に基づく人証」(Zeuge vom Horensagen)の証拠能力を原則として肯定し、このような人証への証拠調べを有効とするのは確かであり、この点に関して証拠調べ禁止(Beweiserhebungsverbot)の例外となる。だが実際には前記原則を考慮し、裁判にてVEの代理として「伝聞に基づく証人」へ更なる尋問が行われる。そして申出があるならば出廷が免除されているVEもまた法廷で尋問を受けることになる。ただしその場合、映像撮影機器を用いて声や表情が分からないよう技術的処理を施した上で視聴覚機器を用いて音声と画像のみ法廷内へ映像中継する形の尋問が許可される(audiovisuelle Vernehmung, §247a StPO)[注釈 4]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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