アメリカン・コミックスにおいては、大手の漫画出版社による漫画作品の場合、ライター(スクリプト)、ペンシラー(下書き
)、インカー(ペン入れ)、カラーリスト(彩色)、レタラー(描き文字)のように工程ごとに担当者が別れて作業が行われ、彼らを総称してコミック・クリエイター(コミック・ブック・クリエイターとも)と呼ぶ。アメリカンコミックスの大手出版社の場合、伝統的に作品の著作権を出版社が保有する(別項参照)。小出版社やインディペンデント系の出版社では、日本と同様に1人の人物が作品を担当し、大手のものと比べて作家性の強い作品を制作する場合もある。コミック・クリエイターのうち日本語の漫画家にあたる作画を担当するものはコミック・アーティスト(コミック・ブック・アーティストとも)と呼ばれ、カートゥーンやコミック・ストリップなどの比較的簡素な漫画の制作者も含めてカトゥーニストとも呼ばれている。バンド・デシネにおいては、長編の漫画作品においても全ての作業を1人で行うか、シナリオと作画、場合によっては彩色を担当するものに別れて2、3人程度で制作を行うのが一般的である。フランス語圏では漫画家はデシナトゥール・ド・バンド・デシネ(バンドデシネの画家)やオトゥール・ド・バンド・デシネ(バンドデシネの著者)のように言い表され、「漫画家」「コミック・アーティスト」「カトゥーニスト」のように特有の名詞で表すことはされない。 漫画家やアシスタントは長時間座って作画作業を行う典型的な座業であり、その作業上利き腕や目を酷使するため、職業病として腰痛・腱鞘炎・書痙・近視などを発症する者が少なくない。また、多忙などから治療を疎かにした場合などには往々に深刻な状態に陥り、これら(特に腰痛)によって長期休業を余儀なくされたり、最悪の場合には引退(廃業)に追い込まれる者もいる。長時間のデスクワークでの運動不足かつネームや締め切りのストレス、不規則な睡眠時間や食生活等に陥る漫画家・アシスタントも多く、中年で過労死・突然死する短命な漫画家もいることからもわかるように、不健康な生活習慣になりがちな職業でもある。また、吾妻ひでお、鴨川つばめ、桜玉吉、山田花子、ねこぢる、田中圭一など、精神的な病を抱える者もいる。 週刊連載では漫画家・アシスタントだけでなく、編集業務を行う編集者も多忙を極める職業で、集英社入社以来週刊少年ジャンプ編集部7代目編集長・高橋俊昌が2003年に東京湾内の船上で行われていた同誌『ONE PIECE』のアニメ映画『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』の製作発表会見の席でクモ膜下出血を発症して倒れ、突然死した例もある[5]。
漫画家の職業病
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 「Mangaka(マンガカ)」は「漫画化」と混同されるおそれもある。
^ 週刊少年ジャンプ編集部など。
^ 藤子不二雄、CLAMPなど。
出典^ “協会概要
^ 小暮聡子「 ⇒スヌーピー60年目に明かす作者秘話」『ニューズウィーク日本語版』、2010年10月4日。2023年9月5日閲覧。
^ さくらももこさん「ありがとうの会」開催 遺影は自画像、西城さん写真集も…
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