漢音
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仏教経典は原則として呉音で読まれるのだが、天台宗における「妙法蓮華経法華経)」のうち「安楽行品第十四」や「阿弥陀経」、真言宗で読まれる「理趣経」や「孔雀経」などは漢音で読まれる。(例えば「如是我聞」を「ニョゼガモン」と読まずに「ジョシガブン」と読み、「釈迦牟尼仏」を「シャカムニブツ」と読まずに「セキャボウジフツ」と読む、など)

天台宗における経文の漢音読みは、天台宗開宗以来1200年の伝統に則って、上記の2つの経文などは、昔から漢音読みされる。西山浄土宗など、浄土宗西山三派は阿弥陀経を漢音読みする。また、浄土真宗でも一部の法要の場合のみ阿弥陀経を「漢音小経」として漢音読みする。ただし現在の漢音ではなく新漢音読みが入っており、「国」を普通の漢音の「コク」ではなく「クヱキ」あるいは「ケキ」と読んだり、「法」を「ホウ」ではなく「ハ」あるいは「ハツ」、「極」を「キョク」ではなく「キク」あるいは「キ」、「名」を「メイ」ではなく「ベイ」、「百」を「ハク」ではなく「ハキ」、「明」を「メイ」ではなく「ベイ」(場合によっては「ビ」)と読むなどである。新漢音読みは現代にはあまり伝わらなかったが、これらの一部経典の漢音読みでは現代でも使われているわけである。

「理趣経」は聞いただけでは意味をつかめないように漢音で読むと言われることもあるが(「理趣経」の項を参照)、上述のように他の経も漢音読みするものがあり、この説は俗説である。
漢音音節表

以下は漢音の音節表である。漢音では韻尾[?]を「イ」または「ウ」で書き取っているので、母音の「イ」「ウ」とは別に記載した。また上記のように漢音では濁音清音で、鼻音口音で伝えられているため、g, z, d, b は中古音においては鼻音(次濁音)である。原音である中古音をどのように受容しているかについては音読み#中古音との関係を参照のこと。

なお合拗音について江戸時代に定められた字音仮名遣では「クヮ」だけを認め、「クヰ」「クヱ」「スヰ」などは採用していない。

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øiøイキギシジチヂヒビリ
aアカガサタダハバラ
oコゴソトドホボロ
uウクグスツフブル
e-iエイケイゲイセイゼイテイデイヘイベイレイ
aアイカイガイサイタイダイハイバイライ
uスイズイツイルイ
i-uイウキウギウシウジウチウヂウヒウビウリウ
eエウケウゲウセウゼウテウデウヘウベウレウ
aアウカウガウサウタウダウハウバウラウ
oオウコウゴウソウトウドウホウボウロウ
uスウフウ
i-mイムキムギムシムジムチムヂムヒムリム
eエムケムゲムセムゼムテムデムヘムレム
aアムカムガムサムタムダムハムバムラム
i-nインキンギンシンジンチンヒンビンリン
eエンケンゲンセンゼンテンデンヘンベンレン
aアンカンガンサンタンダンハンバンラン
oオンコンゴンソントンドンホンボンロン
uウンクンフンブン
e-ngエイケイゲイセイテイネイヘイメイレイ
aアウカウガウサウタウダウナウハウバウマウラウ
oコウソウトウドウホウボウロウ
i-pイフキフギフシフジフチフリフ
eエフケフゲフセフゼフテフデフレフ
aアフカフガフサフタフダフハフラフ
oソフ
i-tイツキツギツシツジツチツヂツヒツビツリツ
eエツケツゲツセツゼツテツデツヘツベツレツ
aアツカツガツサツタツダツハツバツラツ
oコツゴツソツトツドツホツボツ
uウツクツフツブツ
i-kイクキクジクチクヂクリク
eエキケキゲキセキテキデキヘキベキレキ
aアクカクガクサクタクダクハクバクラク
oオクコクソクトクホクボクロク
uフク
yaøヤキャシャジャ
oヨキョギョショジョチョヂョリョ
uユシュジュ
u-uチュウ
unシュンジュンチュン
a-ngヤウキャウギャウシャウジャウチャウヂャウリャウ
oヨウキョウギョウショウジョウチョウヂョウヒョウリョウ
uユウキュウシュウジュウチュウリュウ
u-tシュツチュツ
a-kヤクキャクギャクシャクジャクチャクリャク
oヨクキョクギョクショクジョクチョクヂョクヒョクリョク
uシュク
wiøヰクヰグヰ
aワクヮグヮ
oヲ
e-iヱイクヱイ
aワイクヮイグヮイ
i-nヰンクヰンスヰン
eヱンクヱングヱン
aワンクヮングヮン
oヲン
e-ngヱイクヱイ
aワウクヮウ
oヲウ
etヱツクヱツグヱツ
aワツクヮツ
oヲツ
i-kヰク
eクヱキ
aワククヮク
oヲク
wia-ngクヰャウ
a-kクヰャク
oクヰョク

現代の発音拗音
オ段長音化
w脱落
w脱落 + オ段長音化
yとwが交替
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィクショナリーに関連の辞書項目があります。


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