満洲文字
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ダハイは従来の表記に加えて文字の横に点や丸(圏点)を添えて、満洲語の一音が一文字で表記できるよう改良した。ダハイにより改良されたこれを有圏点字(満洲語: ?????
????
???????
??????、翻字:トンキ・フカ・シンダハ・ヘルゲン)と呼ぶ。

代に満洲文字は「清文」または「国書」と呼ばれ、モンゴル文字漢文と共に三体と呼ばれた。三体は公用文字として公文書には必ず用いられたが、実生活には北京では清代の中葉から漢字で書かれた文献が優位になっていた。このため、清朝末期の西太后らは満洲文字をほとんど理解できなかった一方、漢文は理解できたという。その一方で漢字圏以外の清の支配地、即ちモンゴルや新疆、チベットで通用する共通文字は清崩壊まで満洲文字であった。

また民間の漢人は満洲語と満洲文字の習得は禁止されていた。漢人で満洲語と満洲文字を学ぶことを許され、中央政治に参加できたのは科挙合格者の状元榜眼のみであった。満洲文字と漢文が併記された公文書の場合、内容が満洲文字の文章の方が漢文の文章よりも詳細に記述してあることが多く、清朝初期の記録は満洲文字でしか残っていないため清朝史研究の上では重要な文字である。
シベ文字、ダウール文字

現在はほとんど使用されていないが、清の乾隆帝の時代に国境警備のため中国東北部から現在の新疆ウイグル自治区チャプチャル・シベ自治県周辺に移住を命じられたシベ族(錫伯族)が、満洲文字を改良したシベ文字(中国語版)をシベ語の表記に今も使用している。1980年代当初には、行政機関から商店にいたるまで、看板には漢字とシベ文字が併記されていたことが確認されている[2]。住民はシベ文字を読むことはもちろん、日常語としてその言葉を話していた[2]。また、あまり一般的には使用されていないが、エヴェンキ語や、ダウール語の発音を表記するためにも満洲文字は使用される。

紫禁城の乾清門(?????
???
???, Kiyan cing men)の額に書かれた満洲文字と漢字

北京の雍和宮(???????????
??????????
???, H?waliyasun h?waliyaka gung)の額に書かれた満洲文字・漢字・チベット文字モンゴル文字(右から)

左側が満洲文字(篆書体)の「(???
???
???????
??????
?????, Lio kio gurun i wang ni doron)、右側が漢字の「琉球國王之印」(18世紀)

満洲文字

文字転写Unicode備考
単独形語頭形語中形語末形メレンドルフ太清新満漢大辞典
母音
[3]
????????aaa1820
???
????????eee185D語末形の下段は、[k], [g], [x] kh, gh, hh の後で用いられる。[4]
()
????????iii1873
????
???????
???
????????ooo1823
???
????????uuu1860
??
?????????vuu
??????yy'y185F
子音 [5]
????????? ???nnn1828語中形の上段は母音の前、下段は子音の前で用いられる。
???
??????ngngng1829語中形の上段は i, o, u, ? の前、下段は e, i の前で用いられる。

????????kkk1874語中形の上段は a, o, ? の前、下段は子音の前で用いられる。
????
()???????kkk1874
??????ggg1864
ggg1864
??????hhh1865
hhh1865
????????bbb182A
??????ppp1866
????????sss1867
?????????xsh1867
????????ttt1868語頭形および語中形の上段は a, o, i の前で用いられる。

語頭形および語中形の下段は e, u, ? の前で用いられる。
語中形の中段は子音の前で用いられる。
?????
?????
??????ddd1869語頭形および語中形の上段は a, o, i の前で用いられる。

語頭形および語中形の下段は e, u, ? の前で用いられる。
???????
????????lll182F
????????mmm182E
??????cqch1834
??????jjzh1835
??????yyy1836
????????rrr1875
??????fff1876語頭形および語中形の上段は a, e の前で用いられる。

語頭形および語中形の下段は i, o, u, ? の前で用いられる。
???????
??????www1838
??????k'k'kk183A
??????g'g'gg186C
??????h'h'hh186D
??????ts'cc186E
??????dzzz186F
???????r'rr1870
??????c'q(q'')ch1871
??????jj(j'')zh1877

脚注^ a b 遼寧省档案館『満洲実録・上函・巻三』
^ a b 中国の歴史 12 清朝二百余年 p3-7 陳舜臣 平凡社 1982年12月刊
^ Gorelova, L: "Manchu Grammar", page 59. Brill, 2002.
^ Gorelova, L: "Manchu Grammar", page 53. Brill, 2002.
^ Gorelova, L: "Manchu Grammar", page 70. Brill, 2002.

関連項目満洲語版のウィキペディアがウィキメディア・インキュベーターで仮運用中です。満洲語版のウィクショナリーがウィキメディア・インキュベーターで仮運用中です。満洲語版のウィキクォートがウィキメディア・インキュベーターで仮運用中です。満洲語版のウィキソースがあります。中国語版ウィキブックスに本記事に関連した解説書・教科書があります。??英語版ウィキブックスに本記事に関連した解説書・教科書があります。Manchu

満洲語満洲族

シベ語シベ族

シベ文字

外部リンク

太清 ? Unicodeの満洲語、シベ語、ダフール語のフォントと入力法 (英語と中国語)

満洲文字一覧 - ウェイバックマシン(2004年7月4日アーカイブ分) [リンク切れ]


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