湘南新宿ライン
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上野駅・東京駅を経由する上野東京ラインとともに北関東神奈川県を結ぶ路線系統である。新宿駅を経由して宇都宮線横須賀線を直通する系統と、高崎線東海道線を直通する系統の2つが存在する。運行区間は宇都宮線 - 横須賀線系統が宇都宮駅 - 逗子駅間、高崎線 - 東海道線系統が高崎駅 - 小田原駅であるが、一部の列車は高崎駅から上越線両毛線を直通して前橋駅に至る。赤羽駅 - 横浜駅間は当路線より上野東京ラインの方が直線的なルートを通っており、2015年の上野東京ライン開業以降、埼玉県方面と神奈川県を移動する利用者は上野東京ラインにも分散した。

当初、「湘南新宿ライン」は普通列車(快速を含む)の運転系統の名称として使用が開始され、同じ区間を走行する特急列車通勤ライナー及び臨時列車などに「湘南新宿ライン」の呼称はあまり用いられなかった。近年ではこれらが湘南新宿ラインの走行区間(大宮駅 - 新宿駅 - 大船駅間)を経由する意味で主に音声案内に用いられる。

運行開始当初の本数は、日中のみ25往復の設定となっていた。その内訳は、宇都宮線・高崎線からの直通列車は18往復で、ほかは新宿と東海道線・横須賀線方面を結ぶ列車が存在する程度で、東京駅及び上野駅発着列車に対する補助的な役割に過ぎなかった。だが、もともとこれらの末梢路線と東京副都心間には大きな需要があったことからその後の増発が期待されていた。当初、池袋駅構内の配線の関係で大幅増発ができなかったが、開業前から計画されていた改良工事が完成した2004年(平成16年)10月16日のダイヤ改正では、湘南新宿ラインの全列車が南北直通運転となり、運転本数も運行開始当初と比べて2.4倍増の64往復となった。それ以降もダイヤ改正ごとに増発が行われ、現在はそれ以上の本数で運転されている。

運行経路については、大宮駅 - 新宿駅 - 大船駅間では以下の路線を経由する(「運行経路」の節も参照)。
東北本線(大宮駅 - 田端駅[注釈 2]間):東北貨物線を走行

山手線(田端駅[注釈 2] - 品川駅[注釈 3]間):山手貨物線を走行

東海道本線(品川駅[注釈 3] - 大船駅間):品鶴線及び横須賀線専用線を走行(東海道線 - 高崎線系統は戸塚駅 - 大船駅間で東海道線列車線を走行)

駅・列車内等の案内

JTB時刻表やJR時刻表などでは、東海道線 - 高崎線系統は上記3.の区間(大崎駅 - 大船駅間)で快速運転するため全区間で「快速」「特別快速」と表記されるが、一方の宇都宮線 - 横須賀線系統は上記1. - 3.の全区間で各駅に停車するため「普通」と表記され、うち宇都宮線快速は宇都宮線のページでのみ「快速」と表記される[2][3]

JR東日本公式ホームページの各駅時刻表では、東海道線 - 高崎線系統は「快速」または「特別快速」と表記されるほか、宇都宮線 - 横須賀線系統の快速(小山駅 - 大宮駅間快速)も全区間で「快速」と表記される[4]

また、実際の車両外側の種別等案内表示器や車内案内(音声・文字)、駅構内での案内では、宇都宮線 - 横須賀線系統の小山駅 - 大宮駅間快速の場合、南行列車の大宮駅以北区間では「快速」、大宮駅以南では「普通」として案内され、同北行列車の大崎駅以南区間では「普通」、大崎駅 - 小山駅間では「快速」として案内される。同様に、東海道線 - 高崎線系統の大崎 - 大船間快速の場合、南行列車の大宮駅 - 戸塚駅間では「快速」、またそれ以外の区間では「普通」として案内され、同北行列車の大崎駅以南区間では「快速」、大崎駅以北区間では「普通」として案内される。

車両外側の行き先表示は、両方面とも新宿直前まで「新宿経由」と表示する。

また、直通先路線に乗り入れた後、終点到着まで、車内の案内(行き先・停車駅表示及び自動アナウンス)では「湘南新宿ライン」「○○線直通」が省略され、その路線内完結の普通・快速列車と同じ案内となる(例 高崎線直通快速籠原行きの大宮以北主要駅発車時のアナウンス:「この電車は、高崎線 普通列車 籠原行きです」)。ただし、車両外側の行き先表示は、「湘南新宿ライン」「○○線直通」と表示される。

なお、交通新聞社発行の各時刻表では、「大宮-新宿-大船間は湘南新宿ライン(愛称)です」と案内されている(上野東京ラインも同様)。

赤羽駅での北行の発車標では、「宇都宮線(東北線)・高崎線(さいたま新都心通過)」となっており、湘南新宿ラインの名称を省略している。

スマートフォンアプリ「JR東日本アプリ」の列車位置情報では、宇都宮線・高崎線方面は赤羽駅以北で上野方面系統と、横須賀線・東海道線方面は西大井駅・横浜駅以南で横須賀・総武快速線系統及び東海道線東京方面系統と並行して扱われている。
運賃及び料金の計算

大崎駅 - 西大井駅間の運行上の経路は大崎支線経由であるが、営業線とみなされていないため、運賃及び料金の計算には山手線 - 品川駅 - 品鶴線経由を用いる(大崎駅から品川駅を通過して西大井駅に至る経路扱い)。

また、前記の原則とは別に、運賃及び料金の計算の特例が設けられている区間もある。

経路特定区間の規定における特定の区間の普通運賃及び料金の計算は、二つの経路のうち短い方を用い、券面上は経路を指定しない[5]

品川駅以遠(高輪ゲートウェイ駅または大崎駅方面)の各駅と、鶴見駅以遠(新子安駅羽沢横浜国大駅または国道駅方面)の各駅との相互間(湘南新宿ラインにおいては大崎駅 - 横浜駅を含む区間を乗車する場合)は、大井町駅経由で普通運賃及び料金を計算する[6]


電車大環状線を通過する区間の普通運賃及び料金の計算は最短経路で行い、券面上は経路を指定しない[7]。電車大環状線内の各駅発着の普通運賃は最短経路を指定した上で迂回乗車として取り扱うことで事実上同様であり[8]、電車大環状線内の各駅発着の料金も、2015年3月14日より迂回乗車扱いが可能となった[9]

湘南新宿ラインでは、赤羽駅 - 西大井駅間を含む区間を乗車する場合は東京駅経由で、赤羽駅 - 池袋駅間を含む区間を乗車する場合は十条駅経由で普通運賃及び料金を計算する。


列車特定区間の規定における運賃計算経路の選択[10]

赤羽駅以遠(川口駅方面) - 池袋駅以遠(目白駅方面)の各駅との相互間は、湘南新宿ライン乗車(東北本線及び山手線経由)でも途中下車しない場合は、赤羽線埼京線)経由で運賃及び料金を計算できる[11]。普通運賃及び料金は電車大環状線の規定が適用されるため、湘南新宿ラインでは実質定期運賃のみに適用される規定である。旅客営業規則には記載がないため、原則通り田端駅経由の定期券を購入することもできる(この場合湘南新宿ラインと京浜東北線・山手線に加えて埼京線にも乗車でき[12]、東十条駅 - 大塚駅の各駅でも乗降できるが、十条駅・板橋駅での乗降はできない)。


特定分岐区間の規定に基づく、区間外乗車を認める特例[13]

西大井駅以遠(武蔵小杉駅方面) - 品川駅以遠(高輪ゲートウェイ駅方面)の各駅との相互間の乗車券において、分岐駅(品川駅)を通過する列車(湘南新宿ライン)に乗車する場合に、大崎駅で途中下車をしない限り大崎駅 - 品川駅間の乗車が認められる。この場合、区間外となる大崎駅 - 品川駅間は運賃計算に含めない[14]

鶴見駅新子安駅東神奈川駅または川崎駅以遠(蒲田駅または尻手駅方面)・国道駅以遠(鶴見小野駅方面)もしくは大口駅以遠(菊名駅方面)の各駅 - 新川崎駅・西大井駅または武蔵小杉駅以遠(武蔵中原駅または向河原駅方面)の各駅との相互間の乗車券において、分岐駅(鶴見駅及び東神奈川駅)及び発駅または着駅(新子安駅)を通過する列車(湘南新宿ライン・横須賀線電車)に乗車する場合に、横浜駅など乗車券区間外で途中下車をしない限り鶴見駅・新子安駅・東神奈川駅 - 横浜駅間の乗車が認められる。この場合、区間外となる鶴見駅・新子安駅・東神奈川駅 - 横浜駅間は運賃計算に含めない[15]


分岐駅通過列車に対する区間外乗車の取り扱いの特例の規定に基づく、区間外乗車を認める特例[16]


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