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国際拠点港湾重要港湾の中でも国際海上輸送網の拠点として特に重要な港湾
重点港湾重要港湾のうち国が重点して整備・維持する港湾
重要港湾国際海上輸送網または国内海上輸送網の拠点となる港湾で今後も国が整備を行う港湾
その他の重要港湾国際海上輸送網または国内海上輸送網の拠点となる港湾など
地方港湾重要港湾以外で地方の利害にかかる港湾
56条港湾港湾区域の定めがなく都道府県知事が港湾法第56条に基づいて公告した水域
避難港小型船舶が荒天・風浪を避けて停泊するための港湾

運輸省(現国土交通省が1995年に策定した港湾政策「大交流時代を支える港湾」に明記された通称で、次のような港湾区分を設けていた。

区分概要
スーパー中枢港湾国家的見地でみた日本のコンテナ重要港湾
中枢国際港湾日本の中枢的な国際コンテナ港湾
中核国際港湾国際海上コンテナターミナルを有する港湾

※スーパー中枢港湾の政令上の呼び名は「指定特定重要港湾」。

※スーパー中枢港湾は、東京港横浜港名古屋港四日市港大阪港神戸港が指定されていた。

水産業の発展を図り、漁港漁場の整備の推進を目的とした漁港漁場整備法における漁港に関する区分がなされている。行政においては、港湾は港湾法に基づく港(国土交通省所管)、漁港は漁港漁場整備法に基づく港(農林水産省所管)として明確に区別されている。

港内における船舶交通安全の確保を目的とした港則法は、喫水の深い船舶・外国船舶が常時出入りできる港を特定港として分類しているほか、港則法を適用する港を港則法適用港(港則法施行令別表第1)としている。

貨物の輸出入の手続きについて定める関税法においては、外国船舶が寄港できる開港とそうでない不開港を区分している。その他、検疫法港湾運送事業法出入国管理及び難民認定法(入国管理法)などの法令による港湾分類がある。
管理・運営
港湾管理者

港湾を管理・運営している主体、すなわち港湾管理者には、ポートオーソリティ港務局)・地方自治体などがある。

ポートオーソリティとは、公営企業の形態をとった港湾管理組織であり、独立採算によって港湾および港湾隣接区域の運営を行うもので、主にヨーロッパ・北米で広く普及している。日本では第2次世界大戦後、占領軍が港湾管理運営主体の民主化を狙いにポートオーソリティ制度の導入を勧告。1950年公布の港湾法に同制度をそのまま移植し、その和訳である港務局制度が港湾管理者制度の柱として確立された。しかし港務局は終戦直後の財政的な制約もあって日本においては普及せず、大半の港湾が都府県、政令指定都市などの地方公共団体単独管理となった。現在港務局が港湾管理者を務める日本港湾は新居浜港のみである(※ポート・オーソリティ内「日本への影響」項も参照のこと)。
関係機関

港湾に関わる公的な機関には、港湾管理者のほか港長沿岸警備隊税関検疫所出入国管理機関などがある。

港長は、港湾内の水域における船舶の安全な航行・停泊・荷役などを司る職である。港長のもとでこれらの任務に当たるのは沿岸警備隊(日本では海上保安庁)であることが多い。税関は、港湾を通じて輸出入する貨物・物資を検査し、関税の課税・徴収を行う機関である。このほか、密輸取締りなども税関の業務である。検疫所は、外国から国内に伝染病の病原菌が侵入するのを防ぐ機関であり、外国から来た船舶は、検疫所の検疫が完了するまで人の上陸・貨物の陸揚げを行うことができない。国・地域により異なるが検疫所には動物検疫所・植物防疫所などがある。また、出入国管理機関も港湾に関係する機関である。多くの国・地域で、港湾を通じた出入国を公正に管理するために設置されている。
関係事業者

港湾に関わる事業者には、船舶代理店通関業者港湾運送事業者(港湾荷役事業者、はしけ運送事業者、検数事業者、検定事業者など)、水先人、曳船業者(タグボート)などがある。
ターミナルオペレーター

ガントリークレーンなど多大な設備投資を必要とし、コンテナ船の利用に供されるコンテナターミナルは、特定の船会社が定期的に利用する特性を有するため、受益者となる船会社・港湾運送事業者が施設を港湾管理者などから一体的に借り受け、自らも投資しながら運営する形態が一般的である。コンテナターミナルの運営業務を担う事業者はターミナルオペレーターと呼ばれ、特に国際海上コンテナ輸送の大規模化に伴い世界規模で急成長した巨大会社をメガターミナルオペレーターという。
シップチャンドラー

港に停泊する船舶に、食料、日用品、船具や船舶機械を販売して納める業者は「シップチャンドラー(英語版)」(船舶納入業者)と呼ばれ、国際航路の船には国内税を掛けずに食料や酒類を販売できるため、免税販売の免許を取得している[注 2]
給油

多くの港では小型タンカーにも似た、「給油船」と呼ばれる船が接舷し、ホースを繋いで主機械用の重油や軽油の供給を行う[注 3][1]。この他、専用の給油施設を備える港もあれば、タンクローリーによって行う港もある。
給水

給油と同様に「給水船」が接舷して、飲料用水や造水機を持たない小型船のボイラー用の清浄水を供給する[注 4][2]
港湾運営の民営化

2011年現在、国土交通省は港湾法を改正して、港湾運営会社を設立できるようにし、民間の経営手法を導入して、独自に資金調達や岸壁使用料の設定やポートセールスができるようにすることを検討している。対象は、特定重要港湾の23港とされる。

(参考)港湾法及び特定外貿埠頭の管理運営に関する法律の一部を改正する法律案について - 国土交通省平成23年2月4日
構成・施設
港湾の構成

港湾は水域と陸域に二分される。国・地域によって異なるが、水域部分については一定の区域を港湾区域として定め、陸域部分についても臨港地区として指定することが一般的である。陸域における臨港地区は商港区・工業港区・鉄道連絡港区・漁港区・保安港区などに区分され、港湾機能の有効な発揮が図られている。

また、港湾の一定の区域を埠頭という。埠頭は、岸壁・荷さばき地・荷役機械・上屋・臨港道路・臨港鉄道など、その区域内の港湾施設を総称したものであり、港湾機能の中枢をなす(→詳細は埠頭を参照)。
港湾施設詳細は「港湾施設 」を参照

水域・陸域それぞれに各種の港湾施設が整備されている。主要な港湾施設は下表のように区分されている(→詳細は各項目を参照)。

区分施設の例
水域施設航路泊地および船だまり
外郭施設防波堤、防潮堤、防砂堤、導流堤、堤防など
係留施設岸壁、物揚場、係船浮標桟橋浮桟橋など
臨港交通施設臨港道路、臨港鉄道、運河など
荷さばき施設ガントリークレーン、アンローダー、荷役機械、上屋など
旅客施設旅客乗降用施設、旅客ターミナルなど
保管施設倉庫、野積場、貯木場、コンテナターミナル(コンテナヤード)など
船舶役務用施設給水施設、給油施設など
航行援助施設灯台灯浮標

[3][4]
世界の主要港湾詳細は「en:List of seaports」を参照
アフリカ「en:Ports and harbours in South Africa」も参照

アフリカ最大の港湾は、エジプトのポートサイドである。
アジア「en:List of East Asian ports」も参照

上海港は、載貨トン数及び活動において世界最大の港湾である。2009年及び2010年、同港は載荷トン数及びコンテナ取扱量で世界最大の港湾の地位を取り戻した。同港の後には、いずれもシンガポール港及び香港港(英語版)や釜山港が続く。
ヨーロッパ「en:List of busiest ports in Europe」も参照


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