千代田区・中央区とともに「東京都心」、「都心3区」とされる[2]。放送局などのマスコミ・広告代理店やIT企業などの本社、外資系企業の日本支社などが多数集積しており、日本経済の中心の一端を担っている[3]。テレビ放送における民放キー局の多くの本社は港区に所在しているほか[注釈 1]、東京のランドマークでもある東京タワーも位置している。虎ノ門や新橋・汐留、赤坂、六本木、芝、港南(品川駅東口)などは大規模なオフィス街となっており、これらのビジネスエリアは再開発により超高層ビルが林立している。青山・表参道、赤坂、六本木、お台場などは商業エリアという面も強く、麻布や白金台、高輪といった多くの高級住宅街を擁する。赤坂御用地、迎賓館赤坂離宮をはじめとして芝公園、白金台の自然教育園など緑地も多い。明治維新後に大名屋敷跡地を各国政府に提供した歴史的経緯や政府主要機関へのアクセスのよさから、現在日本に存在する約150の駐日大使館のうち半数以上が港区に集積している[4][5]。大使館の他にも外資系企業も多数立地しているため、区の人口の約1割が外国人居住者という国際色豊かな街である。区の一人あたりの平均年収は1000万円を超え、東京23区内では最も高い[6]。また上場企業数が全国の自治体で最も多い[7]。
1947年に旧芝区・旧麻布区・旧赤坂区が合併して誕生した。江戸城(現在の皇居、千代田区)の南側のいわゆる「城南地区」に位置しており[8][9]、江戸時代には広大な武家屋敷と町人町が混在していた。区名に「港」とあるように、区域の東側は海岸・港南地区で東京港及び東京湾に面し、ベイエリアの一部(東京臨海副都心)である台場(お台場エリア)を含む。東側は江東区と向き合い、北側は千代田区・中央区・新宿区と、西側は渋谷区と接する。南隣は品川区である。
代表的な地域
芝地区
新橋・汐留(東新橋) - 区の北東部に位置するビジネス街。内幸町(千代田区)や銀座(中央区)と隣接している。「サラリーマンの街」として新橋駅前のSL広場はサラリーマンへのインタビュー場所としてよく用いられる。(初代)新橋駅は日本の鉄道発祥の地であり駅東口はもともと広大な汐留貨物駅があったが、2000年代に大規模再開発が行われて、現在の汐留の超高層ビル街が完成した。汐留には千代田区の二番町から移転してきた日本テレビ(日テレ)の本社ビルである日本テレビタワーが所在。
虎ノ門 - 港区を拠点とするデベロッパーの森ビルが開発を行っている虎ノ門ヒルズが街のランドマーク。また、隣接する麻布台や六本木に跨るエリアでは森ビル主導で高さ330mの超高層ビル「麻布台ヒルズ森JPタワー」を含む麻布台ヒルズが建設中である。霞が関(千代田区)の官庁街や東京地方裁判所に近いことから弁護士事務所が多いことも特徴である。ホテル御三家の一角であるホテルオークラ東京(The Okura Tokyo)も立地する。
浜松町・大門・芝公園 - 浜松町駅西側のビジネス街。浜松町駅は東京モノレールの起点駅であり、品川駅とともに羽田空港からの都心の玄関口である。芝公園には増上寺や港区役所が位置しているほか、芝公園の西側には東京タワーが位置している。
芝・三田 - 山手線田町駅の西側に位置するビジネス街。慶應義塾大学やラーメン二郎三田本店、三井倶楽部などが所在する。
海岸(一丁目) - 浜松町駅の東側のエリア。東京湾に面しており、東京港の一部である竹芝埠頭(竹芝客船ターミナル)が位置している。もともとは港湾施設を有する倉庫街であったが、ゆりかもめ開業以降は竹芝駅周辺で再開発が進み、ウォーターズ竹芝や東京ポートシティ竹芝(ソフトバンクグループ本社ビル)などの商業ビルが開業した。南側の二丁目と三丁目は芝浦港南地区に属する。
麻布地区
六本木 - 地下鉄の六本木駅を中心に街が広がり、ビジネス街かつ繁華街・歓楽街でもある。森ビルの本社ビルである六本木ヒルズ森タワーが街のランドマーク。六本木ヒルズ内にはテレビ朝日(テレ朝)の本社ビルも所在するほか、六本木の中心からやや離れるが六本木一丁目駅前にはテレビ東京(テレ東)の本社ビルでもある住友不動産六本木グランドタワーも立地する。赤坂と隣接しており、六本木駅直結の東京ミッドタウンは住所上は赤坂九丁目である。