測量
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その方法としては、磁針によってもよいが、精度を考えると、据え替える前の測点とを結ぶ方向線に沿わせてアリダードの定規縁を合わせ、視準板の見透線を利用してその測点に立てたポールを視準しながら平板を回転させて方向を正す方法が確実である。

整準は、平板を水平にする操作である。脚頭の3本ある整準ネジのうち底辺に当する2本のネジを結ぶ方向と平行にアリダードを置き、この2本の多準ネジを操作して気泡を中央に導き左右方向の水平を正す。左右のネジは互いに反対の方向に回し、気泡は左手親指の回す方向に動く。次にアリダードを今の方向と直角に置きかえ、残りの整準ネジ1つを用いて縦方向の水平を正す。以上の操作を数回繰り返し調整する。整準は標高差のある区域を何回も据え替えて移動するとき、影響が大きく現われる。

日本初の平板測量図は、第2次フランス軍事顧問団のヴィエイヤール指導による、1875年日本陸軍による『習志野原及周回邨落圖』であるとされている[9][10][11][12]
写真測量

写真撮影によって記録された写真データに基づき地物の大きさ・形状・位置等、空間を測定する技術[13]
平面測量

狭い地域を対象とする測量。地球が球(曲平面)である事は考慮せず、土地を平面と仮定しておこなう。
応用測量

基準点測量、水準測量、地形測量及び写真測量などの基本となる測量方法を活用し、目的に応じて組み合わせて行う測量。公共事物の道路、河川、公園等の計画、調査、実施設計用地取得、管理等に用いられる測量であり、目的に応じてそれぞれ以下の測量が定められている。

路線測量 - 公共道路施設の測量

河川測量

定期縦断測量

定期横断測量

深浅測量

法線測量

海浜測量及び汀線測量

流量測定 - 詳細は「流量#流量測定」を参照


用地測量 - 境界測量を含む

その他の応用測量(主題図データ作成など)

工事測量 - 丁張り(遣方)など、工事のための測量も応用測量に含まれる。

また応用測量は、基本測量成果、基準点測量、水準測量、地形測量の成果を使用して行われる。[14]

なお日本測量協会では毎年応用測量技術研究発表会を開催している。.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}測量機器。左上から時計回り:光学セオドライト、ロボットトータルステーション、RTK GPSベースステーション、光学レベル
技術地理学者、地質学者、測量士がフィールドベースの測定のために今日でも一般的に使用している標準のBrunton Geo コンパス

測量は角度と距離を測定することで物体の位置を決定している。観測の精度に影響を与える可能性のある要因も測定しておき、その次にこのデータを使用して、ベクトル、方位、座標、標高、面積、体積、計画、地図を作成している。

多くの場合、測定は計算を簡単にするために水平成分と垂直成分に分割がなされる。GPSおよび天文測定では、時間成分の測定も必要である。
距離測定測量用の最新機器の例( Field-Mapテクノロジー): GPSレーザー距離計、およびフィールドコンピューターにより、測量( 地図作成 (リアルタイムでのマップの作成)およびフィールドデータ収集)が可能に

EDMデバイスの前は、さまざまな手段を利用した距離の測定がなされていた。たとえば測定方法には ガンターチェーンなどの既知の長さのリンク付きチェーンまたはスチールまたはインバーで作られた測定テープなどがあった。

水平距離を測定するためにこうしたチェーンまたはテープをぴんと張って引っ張り、たるみとたるみを減らした。熱膨張のために距離を調整する必要があったのである。

測定器レベルを保持する試みも様々な試みが行われてきた。傾斜を測定するとき、測量者は測定を「中断」する必要があって(チェーンの中断)チェーンの全長より短い増分を使用した。

Perambulatorsまたは測定ホイールは長距離を測定するために使用されたが、高レベルの精度ではなかった。

タキオメトリーは、既知のサイズの物体の両端間の角度を測定することにより距離を測定する学術分野であるが、EDMの発明以前に使用されていたため、粗い地面でチェーン測定を実行することができなかった。
角度測定

歴史的に、水平方向の角度はコンパスを使用して磁気ベアリングまたは方位角などを測定したが、後により正確なスクライブされたディスクは、角度分解能を改善した。ディスク上にレチクルを取り付けた望遠鏡を使用すると、より正確な照準が可能とした( セオドライトを参照)。レベルとキャリブレーションされた円により、垂直角を測定。

バーニアでは、世紀の変わり目のトランジットなどで、ある程度の測定が可能となった。平面テーブルは、角度を記録および測定するグラフィカルな方法を提供し、必要な数学の分量を減らしてきた。

1829年にフランシス・ロナルズ(英語版)はオクタントを変更することで角度をグラフィカルに記録するための反射計器を発明。[15]図のすべての頂点から方位を観察することにより、測量者は図の周りを測定でき最終的な観測は180°の違いを除いて、最初に観測された2つのポイントの間に入る。これはcloseと呼ばれ最初のベアリングと最後のベアリングが異なる場合、測角誤差と呼ばれる測量のエラーを示した。

測量者はこの情報を駆使して、作業が期待される基準を満たしていることを証明するのである。
レベリング詳細は「:en:Levelling」を参照光学水準器を設営中の測量スタッフ。メーン州リッチモンドの陸軍工兵隊を支援中のアメリカ海洋大気庁CO-OPSセンター

高さを測定する最も簡単な方法は 高度計を使用することで 空気圧を利用して高さを見つけることであるが、より正確な測定が必要な場合は、正確なレベル(微分レベリングとも呼ばれる)などの手段が使用される。

正確な水平調整を行う場合、機器と測定ロッドを使用して、2点間の一連の測定が行われるが、2つのエンドポイント間の標高の正味の差を取得するために、測定値間の高さの差が連続して加算および減算されている。

全地球測位システム (GPS)を使用すると、衛星受信機で高度も測定できるが、通常、GPSは従来の正確なレベリングよりもやや精度が劣る。これは長距離でも同様の場合が生じる。

光学レベルを使用している場合、エンドポイントが機器の有効範囲外にある可能性、エンドポイント間で障害物または高度の大きな変化がある場合がある。こうした状況では追加のセットアップが必要である。

ターニングはレベルを移動して別の場所から標高を撮影することを指すときに使用される用語。レベルを「回す」ためには、まず測定値を取得し、ロッドが置かれているポイントの標高を記録する必要がある。ロッドがまったく同じ場所に保持されている間、レベルはロッドがまだ見える新しい場所に移動。

水準器の新しい位置から読み取り値が取得され、高さの差を使用して水準器で新しい標高を検出。この一連の測定が完了するまで繰り返される。

有効な測定値を取得するには、レベルが水平でなければならず このため、機器の水平十字線がロッドの基部よりも低い場合、測量者はロッドを確認しての測定値の取得ができない。

ロッドは通常、最大25フィートの高さまで上げることができ、レベルをロッドのベースよりもはるかに高く設定することは可能。
位置の決定

既知の位置が近くにない場合に地球の表面上の自分の位置を決定する主な方法は、天体観測によるもので 太陽、月、星の観測はすべて航法技術を使用して行うことが可能である。

機器の位置と星への方位が決定されると、方位を地球上の基準点に移動が可能であるが、このポイントはその後の観測のベースとして使用できる。

測量精度の天文学的な位置は観測や計算が難しく、そのため多くの測定が行われ、それがデータベースになる傾向があったりした。

GPSシステムの出現以来、GPSは地球のほとんどの表面で適切な位置を決定できるため、天体観測はまれとなった。
ネットワーク

詳細は「測地ネットワーク」を参照青で示された海岸線の位置を記録するためにトラバースおよびオフセット測定を使用した測量。黒い破線は、基準点(黒い円)間のトラバース測定。赤い線は、トラバース線に直角に測定されたオフセット

最初の測量から導き出される観測位置はほとんどない代わりに、ほとんどの観測ポイントは、以前の測定ポイントと比較して測定がなされる。

これにより、測量技師らが各ポイントを使用して、新しい測量を開始するときに自分の位置を決定できる参照または制御ネットワークが形成される。

調査ポイントは通常、地表に打ち込まれた小さな鋲から、遠くから見ることができる大きな標識まで、さまざまな物体によって地表にマークされている。測量者はこの位置に器具を設置して、近くの物体を測定が可能となる。時には尖塔や無線アンテナなどの高くて特徴的な物体の位置が、角度を測定できる基準点として計算される。

三角測量は、EDMおよびGPS測定の出現前に好まれていた水平位置の方法で、遠くのオブジェクト間の距離、標高、方向を決定でき、当初から大面積の地形図のオブジェクトの正確な位置を決定する方法では主なものであった。

測量者はまず、ベースラインと呼ばれる2つのオブジェクト間の水平距離を知る必要があり、次に元のオブジェクトのいずれかから見える限り、他のオブジェクトの高さ、距離、角度位置を導出。高精度のトランジットまたはセオドライトを使用し、角度測定を繰り返して精度を高めていた。3次元の三角形分割も参照。

オフセットは、オブジェクトの位置を決定する代替方法であり、川岸などの不正確な特徴を測定するためによく使用されていた。

測量者は、地物上の2つの既知の位置を特徴にほぼ平行にマークして測定し、それらの間のベースラインをマーク。そして一定の間隔で、最初のラインからフィーチャまでの距離を直角に測定。その後、測定値を平面図または地図にプロットし、オフセットラインの端のポイントを結合してフィーチャを表示可能とする。

トラバースは、より小さいエリアを調査する一般的な方法。測量者は、古い基準マークまたは既知の位置から開始し、エリアをカバーする基準マークのネットワークを配置。次に、基準マークとターゲットフィーチャ間の方位と距離を測定する。

ほとんどのトラバースは、測量者が測定値を確認できるように、2つの以前からの基準マーク間のループパターンまたはリンク形成がなされている。
データムと座標系詳細は「測地系」および「:en:Geodetic datum」を参照

多くの測量では地表上の位置を計算するのではなく、オブジェクトの相対位置を測定していた。ただし、多くの場合に対象のアイテムは、境界線や以前の測量時のオブジェクトなどの外部データと比較する必要がある。位置を記述する方法で最も古くからの方法は、緯度と経度によるもの。また多くの場合、高度は海抜高度である。測量の専門職が成長するにつれて、デカルト座標系が作成され、地球の小さな部分の測量の数学が単純化されていった。最も単純な座標系は、地球が平らであり、「データム」(データの特異形式)として知られる任意の点から測定されることを前提としているものである。座標系により、小さな領域でのオブジェクト間の距離と方向を、簡単に計算が可能となる。なお広い領域は、地球の曲率により歪んでいる。より大きな地域では、楕円体またはジオイドを使用して地球の形状をモデル化する必要がある。このため、多くの国では誤差を減らすためにカスタマイズされた座標グリッドを作成している。
ドローンによる測量

ドローンの測量では、3次元点群データとオルソ画像の2種類のデータを得られます[16]
3次元点群データ

3次元点群データとは、ドローンで空中から取得する3次元の情報です。数学の言葉で表現すると、X軸・Y軸・Z軸の情報となります。

取得方法としてはまずドローンに搭載された気圧計から高度に関する情報を、そしてGPSなどの人工衛星から位置情報を取得します。これらを光学カメラやレーザー測距装置により得られるデータと組み合わせることで、位置情報を点の群れという形で表現できるのです。

こうして得られた点群のデータは、専用のソフトで加工すれば、ある地点とある地点の距離の計測、図面の作成、3Dモデルの作成などを行えます。
オルソ画像

オルソ画像とはドローンにより空撮した複数枚の写真を組み合わせ、傾きや歪みを取り除いて補正したものを意味します。補正作業により位置関係や大きさを正確に表現できるようになるため、画像上で面積や距離などの計測が可能です。

オルソ画像を3次元点群データと併せて活用することで、ドローンにより撮影された場所の様子を正確に把握できるようになります。例えば工事現場では作業の効率化を図れるでしょう。結果的に工期を短縮でき、それに伴ってコスト削減につながる可能性があります。
ドローンの測量によるメリット

以下、3点のメリットがドローン測量では挙げられる。

@広範囲をカバーできるA人が立ち入れない場所にも行けるB点群データの密度が高い
誤差と精度

測量の基本的な考え方は、完璧な測定はなく、常にわずかな誤差があるということである[17]。調査エラーには3つのクラスがある。

重大なエラーまたは失策:調査中に調査員が行ったエラー。機器の動揺、ターゲットの誤用、または誤った測定値の書き留めなどは、すべて重大なエラー。総誤差が大きいと、精度が許容できないレベルに低下する可能性もある。したがって調査員は冗長な測定と第三者チェックをして、早い段階でこれらのエラーを検出する必要がある

体系的:一貫したパターンに従うエラー。いち例には、チェーンまたはEDM測定時に生じる温度の影響、または機器またはターゲットポールの傾きなどで引き起こすものなど、不十分な調整ものや精神レベルなものも含まれる。既知の効果がある系統誤差は、補正または修正可能

ランダム:ランダムエラーは、避けられない小さな変動。それらは測定機器、視力、および状態の欠陥によって引き起こされるが、測定の冗長性と不安定な条件の回避により、これらを最小限に抑えることが可能。ランダムエラーは互いに打ち消し合う傾向があるが、ある測定から次の測定に伝播しないように確認する必要がある

測量技師が機器の較正、一貫した方法の使用、および参照ネットワークの適切な設計により、これらのエラーを回避している。

繰り返される測定値は平均化され、外れ値の測定値は破棄されます。2つ以上の場所からポイントを測定する、または2つの異なる方法を使用するなどの独立したチェックが使用される。

エラーは、2つの測定結果を比較することで検出できる。

測量技師が作業のエラーのレベルを計算すると、観測の調整がなされる。これは、すべての測定間でエラーを分配するプロセス。各観測は、発生した可能性のある合計エラーの量に応じて重み付けされ、そのエラーの一部が比例的に割り当てられる。

最も一般的な調整方法は、コンパスルールとしても知られるボウディッチ法と最小二乗法の原理。したがって測量技師は 精度と精度を区別できなければならない。

米国では、測量士と土木技師はフィート単位を使用しており、調査フィートは10分の1と100分の1に分類される。距離を含む多くの行為記述は、これらの単位(125.25   ft)。測量者は正確さの観点から、多くの場合、100分の1フィートの基準 約1/8  インチに拘束される。計算とマッピングの公差は、ほぼ完全な閉包を達成することが望まれる場合なら、はるかに小さくなる。

公差はプロジェクトごとに異なるが、現場や日常的に、100分の1フィートを超える使用は実用的ではない。
測量器具
測量機器詳細は「測量機器」を参照

(survey(ing) equipment and instruments)

光波測距儀

セオドライト

トランシット

トータルステーション(TS)

グローバル・ポジショニング・システム(GPS)、GNSS測定

水準器(レベル)

ラムズデン測量機器 (Ramsden surveying instruments) 

地上型3Dスキャナー

航空レーザー測量

LIDER(3次元点群)

小型無人航空機(ドローン)

測量器具

アリダード、アリダード表

求心器と鍾球 - 平板が水平なとき、求心器の尖端を図上の測点に合わせれば、求心器の他端に吊された錘球によって図上の点を通る鉛直線がつくられる。錘球の先端を見ながら地上の点と一致させる作業を行うときに使用する

磁針箱 - 長さ10cm内外、磁針を納めた長方形の箱で、磁北の方向を知る。打撃を受けると急速に帯磁が劣化するので、不用のときは必ずネジを締めて磁針を固定しておくことが必要

平板、平面テーブル - 測板、または図板で、一般用として40cm×50cm、厚さ2cm程度の合板製が多い。表面は反ったり割れ目のない平滑なものであることが条件である。図紙を張って使用する

ダンプレベル (Dumpy level) 

メジャー (測定機器)

テープ(調査用)

巻き尺 - 布巻尺は、乾湿に弱く耐久性に欠けるので、現在はガラス繊維を芯にして塩化ビニルで被覆したものが用いられる。この巻尺は軽くて水中にも使用でき取扱いが簡単である


鋼尺(スチールテープ) - 薄い帯鋼(ステンレス)にmm単位の目盛をつけたもので、温度や張力によって、多少伸縮するが、計算で補正できるので精密を要する測量に用いられる。ただし、折損しやすく通電するので取扱いに注意を要する


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