渋谷浩康
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ウルトラマンティガ』の主人公であるマドカ・ダイゴの「ダイゴ」という名前は、当時製作部に在籍していた渋谷の考案である。ただしこれは、渋谷が別のウルトラマンの企画書として書いた「主人公ではない、大福ばかり食べているような太った隊員」の名前であったが、円谷プロの専務を当時務めていた満田かずほがピックアップしたことにより主人公の名前として決定した[17]

アシスタント時代はしばしばカメオ出演をすることも多く、『ウルトラマンゼアス』では渋谷くんのクレジットで日本銀行警備員役、『ウルトラマンガイア』第37話「悪夢の第四楽章」ではKCBテレビクルー特派員・渋谷役として出演している[18]

ウルトラマンコスモス』では、平成ウルトラシリーズ映画作品での観客層が予想よりも低年齢であったことを踏まえ、子供の目線を意識した慈愛のウルトラマンを企画した[8]。怪獣をむやみに倒さない優しいウルトラマンは、怪獣を倒すカタルシスがないと批判するウルトラシリーズのファンも存在した一方、作品の主な視聴者である未就学児童とその親にはおおむね歓迎された[19]。また、その最終回でコスモスの宿敵・カオスヘッダーとも和解する結末を巡っては、当初MBS丸谷嘉彦プロデューサーから反対されていたが、丸谷プロデューサーがかつて担当していたテレビアニメ『銀河漂流バイファム』の最終回で宇宙戦艦の主砲から紙飛行機を撃つラストを引き合いに出し、「『バイファム』も最後、敵をやっつけないで終わったじゃないですか。そういうメッセージをこの作品で出しましょうよ」と語りかけ、最終的には同意を得られたという。このことに関しては、「自分の作品を見た人間が大人になって、そういうメッセージを覚えていて、ただやっつけるだけで終わる話でないものを企画した…だから最終的に折れてくれたんだと思います」と感謝の意を述べている[20]

ウルトラマンネクサス』では、その従来のウルトラマンとかけ離れた作風から苦戦を強いられ、上層部からも路線変更を提案されていた。しかし「路線変更は視聴者への裏切り」というのが信条であり、路線変更を受け入れなかった。このことに関し、「作品のテーマに関わることに関しては安易な裏切り行為はできない」とコメントした[21]

ウルトラマンメビウス』では、昭和のウルトラシリーズとリンクした世界観から、過去の作品で消化不良に終わった点に決着をつけるためのエピソードも採り入れた。『ウルトラマン80』での教師の設定に決着をつけるため、オリジナルキャストの長谷川初範へ思いの丈をつづった手紙を送って出演を願ったり[1]、『ウルトラマンA』のその後を描くに際しては、最終話のセリフ(『エースの願い』)にオマージュを捧げるべく『A』最終話の脚本家である市川森一に手紙を送り(市川からは、「エースはいつもムズカシイと言われてきた作品でした。それが21世紀になってあのメッセージが甦ることに不思議な嬉しさを感じます。しかし〈やさしさを失わないでくれ〉というメッセージは、ますますそれを守ることが難しい時代になってきています。ありがとう!」と書かれた丁寧な返事が届いたという)[22]、オリジナルキャストの高峰圭二[23]星光子に出演を願い、北斗と南の35年振りの再会を実現させるなどした[1]

ウルトラマンゼロ外伝 キラー ザ ビートスター』では、企画時に直面した東日本大震災を受け、「バトルそのものよりも、仲間が増えること、手を取り合うことの素晴らしさという方向へ、テーマをシフトしたい」という渋谷の意見に監督のアベユーイチも賛同。エメラナ姫が登場し、ジャンナインが誕生する物語の製作へ至った[24]

作品リスト
テレビシリーズ

1993年
電光超人グリッドマン(製作進行)

1994年 ウルトラセブン 太陽エネルギー作戦(製作進行)

1994年 ウルトラセブン 地球星人の大地(製作進行)

1996年 ムーンスパイラル(制作進行)

2001年 - 2002年 ウルトラマンコスモス(プロデューサー)

2004年 ウルトラマンネクサス(プロデューサー)

2005年 ウルトラマンマックス(プロデューサー)※第13話より

2006年 ウルトラマンメビウス(プロデューサー)

2007年 ULTRASEVEN X(企画協力)

2007年 ウルトラギャラクシー大怪獣バトル(プロデューサー)

2008年 ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY(プロデューサー)

2011年 ウルトラゾーン(監修)

2013年 ウルトラマンギンガ(企画協力)

2013年 大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア 1stシーズン(プロデューサー・設定)

2014年 ウルトラマンギンガS(企画協力)

2014年 大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア 2ndシーズン(プロデューサー・設定)

2015年 ウルトラファイトビクトリー(企画協力)

2015年 ウルトラ怪獣散歩 1stシーズン(企画監修)

2015年 ウルトラマンX(企画協力)

2016年 ウルトラ怪獣散歩 2ndシーズン(企画監修)

2016年 ウルトラマンオーブ(企画監修)

2017年 ウルトラ怪獣散歩 3rdシーズン(企画監修)

2018年 ウルトラ怪獣散歩 4thシーズン(企画監修)

2018年 SSSS.GRIDMAN(企画協力)

2019年 ウルトラマンタイガ(設定協力)

2021年 SSSS.DYNAZENON(企画協力)

2021年 - 2022年 ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA(設定監修)

2022年 - 2023年 ウルトラマンデッカー(設定監修)

2023年 ウルトラマンブレーザー(設定監修)

映画

1992年 勝利者たち(製作進行)

1996年
ウルトラマンゼアス(アシスタントプロデューサー)

1997年 ウルトラマンゼアス2 超人大戦 光と影(アシスタントプロデューサー)

1998年 ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち(アシスタントプロデューサー)

1999年 ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦(アシスタントプロデューサー)

1999年 ウルトラマンM78劇場 Love & Peace(構成)

2000年 ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY(アシスタントプロデューサー)

2001年 ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT(製作協力プロデューサー)

2002年 ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET(製作協力プロデューサー)

2003年 ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE(製作協力プロデューサー)

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