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欧州との関係についていえば、マカオ経由で入国したイエズス会員らカトリック宣教師が明末以来引き続き北京に滞在し、主に科学技術や芸術技能をもって朝廷に仕えていた。1793年にはイギリスのマカートニー使節団(英語版)が渡来した。また、オランダ東インド会社も何回か使節団を派遣しているが、1794年から1795年にかけて乾隆帝在位60年を祝う使節団を派遣した。このときの正使は1779年には元出島オランダ商館長でのちに同社総督となったイサーク・ティチングであった[17]

北辺ではシベリアに進出したロシアがアムール川左岸に到達すると、ネルチンスク条約キャフタ条約によって清露国境が定められ、ロシアは満洲から追放された。しかし後にロシアはアムール川開発を目指して満洲に進攻することとなる。
後期中国(CHINE)と書かれたパイが、列強により分割されている風刺画(アンリ・メイエ作、1898年)。人物は前列の左からそれぞれ、イギリス・ドイツ・ロシア・フランス・日本を表し、後列の手を挙げている人物は、清を示している。

19世紀に入るとそれまで世界最大の経済大国だった清と産業革命が進む欧米の力関係が逆転し、特にナポレオン戦争後の世界の覇権を握ったイギリスを中心として侵略が開始され、後発のドイツ、フランス、ロシア、日本もこれに加わった。その結果、アヘン戦争アロー戦争によって不平等条約を結ばされ、外国商品の流入によって勃興しつつあった工場制手工業に大きな被害を受けた。

さらに清仏戦争日清戦争、と相次ぐ戦争によって次々と冊封国を失い、冊封体制に基づく東アジアの伝統的な国際秩序は崩れた。また義和団の乱が起こり、列強による勢力分割や主要な港湾の租借が行なわれ、半植民地化が進んだ。

そのため朝鮮に対しては、1882年に壬午事変が起こると、漢城を占領したうえで、不平等条約である中朝商民水陸貿易章程を締結させ、租界を設けるなど清の一部にしようとしていた。下関条約後には中韓通商条約で対等条約が結ばれたものの、租界は手放さなかった。
新清史「:en:New Qing History」も参照

新清史は1990年代半ばに始まる歴史学的傾向であり、清王朝の満洲人王朝としての性質を強調している。以前の歴史観では中国の歴史家を中心に漢人の力を強調し、清は中華王朝として満洲人と漢人が同化したこと、つまり「漢化」が大きな役割を果たしたとされていた。しかし1980年代から1990年代初頭にかけて、ハーバード大学のマーク・エリオットや岡田英弘杉山正明などの日本やアメリカの学者たち[18][19]は満洲語やモンゴル語、チベット語やロシア語等の漢字文献以外の文献と実地研究を重視し、満洲人は満洲語や伝統である騎射を保ち、それぞれの地域で異なった体制で統治していたため長期的支配が行えたとし、中華王朝よりも中央ユーラシア的な体制を強調している。満洲人の母語はアルタイ系言語である満洲語であったこと、広大な領域を有した領土の4分の3が非漢字圏であったことなど「清朝は秦・漢以来の中国王朝の伝統を引き継ぐ最後の中華王朝である」という一般に流布している視点は正確ではないとしており[20]、中華王朝という意味の中国はあくまで清の一部であり清は中国ではないとしている。

中国国内では「新清史」の学術的成果は認められつつあるものの、「漢化」を否定する主張については反対が根強くある。2016年においても劉文鵬が「内陸亜洲視野下的“新清史”研究」で「『新清史』は内陸アジアという地理的、文化的概念を政治的概念に置き換えたことにより中国の多民族的国家の正統性を批判している」としていることからも、現在の中国においては新清史の学術的価値は認められつつも、その主張には依然として反対する流れに変化は無いようである[21]。2023年には台湾で新清史の作品を積極的に翻訳し公刊していた八旗文化出版の編集長・富察(フーチャー)氏が中華人民共和国の当局に拘束されている。

なお「新清史」は、2003年に中国国務院によって承認された新清史とは無関係である。
清朝を題材にした作品
小説

臥虎蔵龍』 (1938年 - 1942年中華民国、著:王度廬)

書剣恩仇録』 (1969年 - 1972年香港、著:金庸) ※映画・TVドラマ化されている。

碧血剣』 (1956年香港、著:金庸) ※TVドラマ化されている。

雪山飛狐』 (1959年香港、著:金庸) ※映画・TVドラマ化されている。

飛狐外伝』 (1960年 - 1961年香港、著:金庸) ※映画・TVドラマ化されている。

鴛鴦刀』 (1961年香港、著:金庸)

鹿鼎記』 (1969年 - 1972年香港、著:金庸)※映画・TVドラマ化されている。

坂の上の雲』 (1968年 - 1972年日本、文藝春秋社刊、著:司馬遼太郎

韃靼疾風録』 (1984年 - 1987年日本、中公文庫刊、著:司馬遼太郎)

蒼穹の昴』 (1996年日本、講談社刊、著:浅田次郎) ※TVドラマ化されている。

珍妃の井戸』(1997年日本、講談社刊、著:浅田次郎)

中原の虹』 (2006年 - 2007年日本、講談社刊、著:浅田次郎)

『マンチュリアン・レポート』 (2010年日本、講談社刊、著:浅田次郎)

漫画

一輝まんだら』 (1974年 - 1975年日本、講談社・大都社刊、作:手塚治虫) ※未完作品

中華一番!』 (1995年 - 1999年日本、講談社刊、作:小川悦司) ※TVアニメ、実写ドラマ化もされている。

花情曲』 (1991年 - 1998年日本、角川書店刊、作:皇なつき


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