液状化現象
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地震に伴って液状化が発生しうる地点の震央距離 R(km)とマグニチュード M の関係は、 log ⁡ R = 0.77 M − 3.6 {\displaystyle \log R=0.77M-3.6} で表すことができる[3]とされている。
側方流動液状化による側方流動により川底が埋塞した小野川

側方流動(そくほうりゅうどう、: lateral flow、lateral spreading)は、地盤流動現象の1つで、傾斜や段差のある地形で液状化現象が起きた際に、いわゆる泥水状になった地盤が水平方向に移動する現象をいう。

側方流動には大きく分けて2つのタイプがある。1つは、地表面が1 - 2%程度のゆるい勾配になっており、地中部には液状化層が存在するものである。この場合、地盤が傾斜に沿って移動することとなる。もう1つは護岸などに見られるタイプで、地震の揺れおよび地盤の液状化で護岸などが移動することで、後背の地盤が側方流動を引き起こすものである。

このような側方流動が発生した場合、地中構造物に多大な影響を与える。例えば杭基礎であれば、側方流動が発生することにより、杭は地盤から水平方向に剪断曲げの力を受けることとなる。この地盤からの力が杭の耐力を超過し、杭の剪断破壊等を起こす。このため杭基礎は上部構造物を支える事ができなくなり、場合によっては構造物の転倒などを引き起こすことにつながっていく。
発生例
日本東北地方太平洋沖地震における液状化現象(東京都新木場東北地方太平洋沖地震における液状化現象の発生地点、清水建設のまとめによる。令和6年能登半島地震による液状化現象で破壊された住宅街
1858年4月9日(安政5年2月26日)飛越地震
富山市にて「井戸から水とともに白砂が吹き出す」「屋敷の地面が割れて水が吹き出す」等の記録が残る[4]
1927年昭和2年)3月7日 北丹後地震
震源(京都府丹後半島北部)からやや離れた大阪市鶴町で、地震の揺れにより地割れや陥没から海水(出典ママ)が噴出。水道管の破損も加わり、一面が泥田のようになった[5]
1964年6月16日 新潟地震
信濃川河畔や新潟空港などで発生した。
1995年1月17日 兵庫県南部地震阪神・淡路大震災
神戸市ポートアイランド六甲アイランドで大規模な液状化現象の発生が確認されている。
2004年10月23日 新潟県中越地震
小千谷市長岡市与板町柏崎市など、水田や湖沼を埋め立てた箇所等で液状化の発生が見られた。
2011年3月11日 東北地方太平洋沖地震東日本大震災
関東地方では1都6県96市町村で液状化被害が確認されている[6]。世界最大の被害になった[7]
2016年4月16日 熊本地震
阿蘇カルデラ内の黒川沿いにおいて、大規模な地盤の移動に伴って液状化や噴砂、側方流動が発生した[8]
2018年9月6日 北海道胆振東部地震
札幌市清田区里塚[9]北広島市大曲並木地区[10]などで発生した。また、札幌市東区東15丁目屯田通の一部(札幌市営地下鉄東豊線栄町 - 環状通東間およびその北側道路)約4km間でも地下鉄路線上を含めた箇所の道路陥没が発生し、液状化現象が発生したと考えられている[11][12]
2019年6月18日 山形県沖地震
山形県鶴岡市の鶴岡駅付近で発生した[13]。駅前駐車場にて1メートル程の範囲で茶色い水が見られたほか、その敷地内では車の一部が埋没し動けなくなった事例もあった。 
2024年1月1日 令和6年能登半島地震
新潟市西区[14]高岡市[15]など、広い範囲で液状化が発生した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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