消防
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アメリカ合衆国の消防は、連邦政府、州政府、さらに各州内の地方政府である市町村などが実施しているが、自治制度が大きく異なるため、アメリカの消防機関を類型的に説明することは困難である。連邦政府には国土安全保障省連邦消防局が置かれている。大都市には常備消防組織が整備されているが、中小都市ではキャリア消防隊員とボランティア消防隊員とが1つの消防署に配置されていることもある。小規模自治体ではボランティア消防局(日本の消防団に当たる)が消防の主体となっていることも多い。緊急対応部署(=警察保安官事務所など)が消防業務を行なう地域やケースもある。消防教育機関は、全米消防アカデミー・危機管理研修所・各州および自治体の消防教育機関などがあり、消防教育システムが非常に充実している。救急搬送業務は消防や救急組織が行うことも、民間会社・ボランティア・病院・警察・赤十字などが行うこともある。年間の出火件数は約180万件(人口1万人当たり約65件)であり、約26万人の消防職員(人口1万人当たり約9人)と約75万人のボランティア消防隊員が消防任務に当たっている。

諸外国と同じく大規模な工場やアルコールを扱うウィスキーの蒸留所などでは会社が消防隊を組織していることが多い。

国土や森林の面積に対して人員が十分とはいえず、予算が少ない自治体は火災発生時に民間の消防会社へアウトソーシングすることもある。特に大規模な森林火災に対応できる空中消火機を保有するのは予算的に難しいため、エアロユニオン(英語版)のような専門会社が存在する。カリフォルニア州では山火事の消防コストを削減するため刑務所の受刑者の中で危険度が低い者に消防教育を施した「受刑者消防隊」が山火事発生時に防火帯を築くなどの補助作業を時給1ドルの刑務作業として行うプログラムを実施している[6]

消防職員でありながら、銃と手錠を装備し放火犯を逮捕する権限を有した「MAST(METRO ARSON STRIKE TEAM)」という隊員がいる。
中国

中国では、各省・自治区・直轄市に消防局が設置され、その内部の市・区・県に消防支隊が置かれている。国の消防主管機関は中華人民共和国応急管理部消防救援局である。消防教育機関には全国5か所の消防式学校がある。救急搬送業務は消防ではなく医療機関が行う。年間出火件数は約18万件(人口1万人当たり約1.5件)で、約11万人の消防職員と約300万人のボランティア消防隊員が消防任務に当たっている。
韓国大田消防本部南部消防署(韓国)の訓練の様子詳細は「大韓民国の消防」を参照

韓国では、ソウル特別市・広域市・道、昌原市に消防本部が置かれ、非常に広域的な消防機関が組織されている。国には2004年に消防防災庁が設置された。消防教育機関としては、中央(1か所)と地方(5か所)に消防学校がある。救急搬送業務や救助業務は消防が行う。年間の出火件数は約3万件(人口1万人当たり約7件)であり、約2万3千人の消防職員(人口1万人当たり約5人)と約8万人のボランティア消防隊員が消防任務に当たっている。
日本詳細は「日本の消防」を参照

日本では、消防は市町村が責任を持って果たすこととされている。日本の消防機関には消防本部消防団の2種類があり、ほとんどの市町村には消防本部が置かれている。消防本部が置かれていない市町村では消防団が主として消防活動を行う。東京都特別区東京23区)においては、都が消防本部(東京消防庁)を設置している。国の消防機関としては総務省消防庁が置かれており、各市町村の消防を統括している。消防教育機関には、消防大学校消防学校(各都道府県消防学校と8つの政令指定都市に置かれている政令指定都市消防学校)がある。

一部の地域では、単独で常備消防(消防本部)を設置することが困難であったり、総務省消防庁が消防の広域化を推進していたりすることから、複数の市町村が連合して、特別地方公共団体である一部事務組合または広域連合消防組合)を設けて消防本部を設置していたり、近隣の市町村に常備消防を委託していたりする場合もある。東京都稲城市と島嶼部町村を除く東京都内の各市町村は、東京消防庁に消防業務を委託している。

救急搬送業務と救助業務は消防が行うこととされている。年間出火件数は約6万件(人口1万人当たり約5件)で、約15万人の消防職員(人口1万人当たり約12人)と約90万人の消防団員が消防任務に当たっている。
Gallery


阪神・淡路大震災の被災地にて消火活動を行う日本の消防隊員

消防訓練の様子(日本)

四字熟語

曲突徙薪(きょくとつししん) - (『漢書』霍光伝の「曲突徙薪、亡(二)恩沢(一)」((二)(一)は返り点)による) 煙突を曲げ、薪(まき)をわきへ移して、火災を予防すること。わざわいを未然に防ぐことのたとえ。

焦頭爛額(しょうとうらんがく) - (「漢書』霍光伝の「?(レ)頭爛(レ)額、為(二)上客(一)」((レ)(二)(一)は返り点)による)火災の未然の予防策を考えた者に賞を与えないで、実際に火災が発生したときに身の危険を顧(かえり)みないで消火に当たりそのために頭髪を焦がし、額にやけどをしてただれさせた者に功をみとめ賞を与えること。根本を忘れそれよりも些末な末端だけを重視するたとえ。転じて、事変の渦中に身を投じて奔走すること。

脚注[脚注の使い方]
出典^ Walsh, Joseph. The Great Fire of Rome: Life and Death in the Ancient City 
^ Plutarch, Parallel Lives, The Life of Crassus 2.3?4
^ Marshall, B A: Crassus: A Political Biography (Adolf M Hakkert, Amsterdam, 1976)
^ Wallechinsky, David & アーヴィング・ウォーレス. " ⇒Richest People in History Ancient Roman Crassus". Trivia-Library. The People's Almanac. 1975 ? 1981. Web. 23 December 2009.
^ a b International Fire Service Training Association. Fire Service Orientation and Indoctrination. Philadelphia: Board of Regents, 1984. Print.


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